見出し画像

共通なんとか試験、制度に翻弄される人たちへ

昨日、一昨日と大学入学共通試験とかいうものが実施されたようだ。大学入試センター試験の出来損ないという声が多いが、違いはいまいちわかっていない。

というか、そもそも共通一次試験とセンター試験の違いもよくわかっていないのだが、最期の共通一次試験はもう40年も前のことなんだなあ。

で、先日の大学入学共通試験は、英語については難易度が想定されていたよりもだいぶ高い、英文が面白くない、劣化版TOEIC、時間が足りないという意見が英語の先生をしている人たちを中心に聞かれたように思う。

与えられた文章が面白くないのはしかたのないことだ。面白い本や記事は自分で探すものだ。大学に入ってから存分にやってくれと思うし、それができない人が大学にいってもしかたないのではないかな。とはいえ面白いに越したことはないよね、その点、英検なんて読み甲斐のある文章が多くて楽しい。

形式や難易度が大きく変わることについては、どんな問題がきても対応できるだけの英語力を身につければいいだけだと思う。少なくとも私は自分の子供にはそういうだろう。さりとて影響を受ける人達のことを気の毒に思わないわけではない。

ここで個人的なことを少し書いておこうか。私は勉強不足だったり、早生まれだったりして、現役で大学に入ることができなかった。人口がやたらと多い団塊ジュニア世代なので浪人はわりと普通のことだったというのもある。まあ2年前に阪神淡路大震災の影響をもろに受けてしまった人たちのことを思うと言い訳してはいけないのだが。。。
また教育課程が切り替わる直前の学年だった。だからセンター試験は浪人生には旧課程用の問題が用意されていた。ところがこの旧課程用の数学がセンター試験にあるまじき難しさであった。センターの確率が数えられないってどういうことやねんと文系の連中は発狂していた。
私は力技で解決したので影響は軽微であったし、そもそも二次試験でセンター試験の配点が低かったのでよかったが、田舎の国公立医学部を狙っていた人たちはもろに被弾して、翌日から某K塾は阿鼻叫喚となった。数学の平均点が現役生よりも40点くらい低かったのではないか。医学部を諦める人もいたし、私立医学部を選べる幸運な人もいた。

後日、新課程用の問題を見たが、いつもどおりのセンター試験の難易度だった(入学後に現役の人たちに聞くとほとんど780点以上だった)。
それでもまあ大学入試はみんな色々ありつつも乗り切った。しかしご存知のとおり我々は第一次就職氷河期世代でもあり、医学部に進んだ人以外は多かれ少なかれ不況の影響を被ることになった。あの失政の補償はいまだにされていない

いま大学に入ろうとする人々は大学入学共通試験とかいう以前にちょっとした疫病がひきおこしたとてつもない人災の影響を大きく受けるだろう。「経済より命。命さえあれば経済はあとから取り返せる」という人のことを絶対に信用してはいけない(あえて絶対という言葉を使う)。経済が失われるときは貴重な時間もいっしょに失われるのである。時間はどうやっても取り返せないのだ。

時間の取り返せなさを体現し続けているのが、団塊ジュニア世代≒第一次就職氷河期世代だ。繰り返すがなんの補償もされていない。

先ほど「医学部に進んだ人以外は」と書いた。だから、「経済はあとから取り返せる」と言ってる人が医師免許を持っているならばなおのこと信用してはいけない。最強の国家資格に守られて、同世代がどんな苦境にあったかわかってない人が多いのだ。恥ずかしいことに私もかつてはそうだった。

というわけで若い人は勉強しよう。大学に入っても英語の勉強は続けよう。英語だけじゃない、自分を守るためにスキルを身につけるのだ。

サポートは執筆活動に使わせていただきます。