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Ankiを用いた英単語の覚え方の具体例

先日の記事で英語の語彙を12000語まで増やすための教材を紹介した。では具体的にどう覚えるかに進もう。

1.単語集での覚え方

原則は何度も何度も周回して目に焼き付ける、言葉のイメージをもつ、モゴモゴつぶやくである。Atuseigo氏の記事を参照するといいだろう。リンクの記事を読んでほしいのだが面倒な人のために一部引用する。

今回の英単語暗記での目標は1日2時間で4000語覚えることでしたね。この目標を達成する上で私の導いた戦略、それは2か月で1語最大30秒かけて単語帳を5周するです。これは、1日2時間の学習×60日(2か月)= 120時間
1語最大30秒の場合、1周するには30秒×4000語=最大で約33時間かかる
暗記できた単語に対しては1語30秒かける必要がないことを考慮して立案されました。1語最大30秒の場合、1周するには最大で約33時間かかるため、1日2時間の学習では17日で1周できることになります。しかし実際にはすでに知っている単語も単語帳には含まれていることが多く、それらに対しては30秒必要ないため、実際には2週間で1周できてしまうことになります。

とまあこんな感じである。僕はちょっとアレンジして、1周目は1単語に3分くらいかける。何度かつぶやいて頭の中で単語の意味をイメージする。紙の単語集ならお絵かきしたり類義語、反意語を書き込む。また派生語も意識する。類義語、派生語、反義語もここで意識しておくことで単語量を加速度的に増やすことができる

2周目以降は平均5秒くらいしかかけない。3000語の単語集なら5時間弱で1周できる。週休2日で1日1時間で1週間で1周できる計算だ。上記のAtsueigo氏のやりかたは悪くないが、英単語の暗記だけに1日2時間もかけられる人は少ないし、1周期が2週間はやや長い。この辺は好みの問題なので、1回にかける時間を増やして定着しやすくするか、反復回数を増やすことで覚えるのか、どれくらい英単語暗記に時間をかけられるかで各位工夫されるとよいだろう。例えばインターバルを短くしたいのであれば1000語ずつ周回するのもありだ。


2.さらに上級編の教材

この方法でアルクの究極の英単語シリーズや旺文社の出る順パス単シリーズをこなしていけば12000語に到達できる。英検1級の語彙問題も9割くらいとれるだろう。しかし我々の目標は14000語以上であった。このレベルの英単語を収録している単語集は私の知る範囲では数冊しか日本で発売されていない(ただし例外あり後述する)。

先日の記事でも紹介した究極の英単語シリーズの最上級編である。こんなの覚えて意味あるのかと思うかもしれないが、新聞などでは普通に使われるものばかり、らしい。また熟語もかなり充実しているし、すべての単語に例文がついていたり、コロケーションにも気配りがあったりするのが嬉しい。なお、これの1巻は究極の英単語セレクションの新装版で内容はほぼ同じなので気をつけてほしい。


これは昨年発売された英国の単語集を翻訳したものである。語の由来などが英国人らしい嫌味ったらしい語り口とともに楽しく学べる。タイポが多いのが残念だし、買ったあとにKindle Unlimittedでただで読めることに気がついたのが悔しい。


最初のほうにかなり高難度の一般語彙が収録されている。しかし人文学、社会科学、自然科学の用語まで網羅しているのが本書の特徴。植田一三氏の本は使いづらいことで有名だが、これだけの語彙を収録している単語集はあまりないのでしかたなく買った。またコロケーションや熟語も充実しているのが特筆すべきポイントである。TOEFLのリーディングで満点とりたい人、国連英検特A、ケンブリッジ英検CPEを受ける人はこのレベルの語彙がいるだろう。IELTSなら註がつくような単語ばかりである。


3.Ankiを使おう

しかしこれらだけでは14000語以上にはならない。ここから語彙の収集方法、単語カードの作り方、使い方を紹介する。まず、なんでもかんでも単語カードにするのは非常に効率が悪いので、これまでに紹介した既成の単語集でなるべく知らない単語はつぶしておこう

その上で、それらの単語集のなかで何周しても覚えられないものは単語カードにする。完全に覚えるまで単語集一冊を終えないのは効率が悪い。あるいは普段英語のニュースや問題で発見した未知の単語も単語カードに入れよう。

単語カードはいろいろあるけど僕はAnkiというアプリを使っている。PCでもタブレットでもスマホでも同期できるのがいい。PCはここからダウンロードする。Ankiの単語カードは好きなようにカスタマイズできるのだが、僕はここからテンプレートをダウンロードして使っている。単語カードを作る作業はなるべくPCですること。カードを作るのに時間がかかると億劫になるからだ。Ankiをインストールしてテンプレをいれたらまず単語帳フォルダを作成する。下の写真は作成後のもの。

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うえの3つは誰かが作ったのをダウンロードしただけのものなので無視してほしい。次に4つ目の単純単語というフォルダを開いてみる。

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そして青丸をつけた追加をクリックすると新たな単語カードを作ることができる。まずこんな画面がでてくる。

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あとは指示通りに欄を埋めるだけなのだが僕は覚えたい単語、覚えたい単語の画像、覚えたい単語の具体例の欄に意味と例文、関連性のあるほかの単語欄に類義語を入れるにとどめている。これだけでも1分くらいはかかってしまうからだ。ではmacerateという単語でカードを作ってみよう。

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画像はGoogle画像検索で拾ってくる。検索結果一覧をさらりと眺めるだけで単語のニュアンスもわかってよい。この単語の場合、果物をヒタヒタにするんだなあというイメージをもつことができるだろう。意味、例文、類義語はオックスフォードのLexiconを利用している。意味に関しては英英辞典にこだわる必要はないと思っているが、ここは類義語が充実しているので気に入っている。このときになるべく知らない単語を拾ってくるのが爆発的に語彙力を上げるコツである。これだけ埋めたら追加ボタンを押して単語集にもどる。できあがりはこんな感じ。

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最下部の解答を表示ボタンをクリックすると、

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覚えられそうだと思ったら簡単ボタンを押す、そうすると3日後に復習できる。今日中にもう一度と思ったら普通ボタンを押す。繰り返しているうちに勝手にインターバルが伸びていきそのうち忘れなくなるように設定されている。エビングハウスの忘却曲線理論に基づいて自動的にやってくれるのだ。

スマホだとこんな感じ。parsimoniousはドケチというほどの意味だが、そういうイメージがよくでていますね。

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単語カードを作るのはPCですべきだが、覚える作業はスマホでするのがいいだろう。スキマ時間を積極的に活用したいし、移動する電車などのほうが記憶が定着しやすいからだ。

2020年6月30日追記。
いま現在は、さとけんさんのテンプレートを使用している。覚えたい単語、語義、画像、例文、類義語という基本は同じだけど、カラフルで心がときめくテンプレである。特にtwitterとyouglishのリンクボタンは重宝している。ぜひチェックしていただきたい。


4.その他の単語の収集方法

単語カードを作るときにできるかぎり未知の類義語を拾っておくという方法は上に述べた。ほかに語彙力テストをやりまくるという方法がある。代表的なものはWeblioだろう。スコアはけっこうぶれるので一喜一憂しないこと。また回答速度もスコアに反映される。

また極限の英単語というアルクのSVL1200を覚えたあとに24000語までボキャビルするための単語集が発売されている。これは例文も音声もついていない単語リストという趣である。さらに35000語まで強化するための終極の英単語というシリーズを同じ著者がだしており、一生ボキャビルから解放されるためにはそこまでやらないといけないのかとため息をついているところである。
(*2019年12月30日追記 現在はこの極限の英単語シリーズに取り組んでいます。)

本記事はここまでです。語彙力でネイティブに近づくための道標になったものと自負しております。今回の一連の記事にはそれなりの手間暇がかかりましたので、投げ銭いただけると嬉しいですし、また励みにもなりますのでよろしくお願いします。有料エリアには感謝の印として本文で紹介しきれなかったお役立ちサイト、アプリなどを掲載しております。

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