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【Y.S.C.C.】「1を得た」よりも「2を失った」~J3 第20節 vs ブラウブリッツ秋田(2020.10.07)~

 はいどうもどうも。

 後半戦、アンダーの2つのチームを相手に2連敗、そして前半戦の熊本戦から合わせると3連敗という状況で迎える首位、秋田との一戦。正直あまりいい状況とは言えません。何せ後半戦は8失点もしてますし、肝心の攻撃陣もPKでの1点しか取っていません。中位争いをしていたにも関わらず、気づいたらまた16位、最下位争いに参戦しようとしています。

 秋田戦と言えば前回はなかなか楽しい一悶着がありましたね。そろそろアウェイ席の解禁も始まりますし、これからは少しずつ平和になりそうな予感がしています。

 前回対戦時の記事です。参考までに。

 さて、振り返りに入りましょうか。ちなみに皆さんDAZNチケットはちゃんと事前に期限を確認しておきましょうね。キックオフ1分前に期限切れてるのに気づいたときは悲惨ですから。

【明治安田生命J3リーグ 第20節 ブラウブリッツ秋田 vs Y.S.C.C.】
ブラウブリッツ秋田 0 - 0 Y.S.C.C.
得点経過
なし


スターティングメンバ―(Y.S.C.C.のみ)
GK 1 大内 一生
DF 9 大泉 和也
DF 2 花房 稔
DF 17 吉野 裕太郎
DF 5 池ヶ谷 颯斗
DF 26 植村 友哉
MF 7 宮尾 孝一
MF 4 土館 賢人
MF 8 吉田 明生
FW 15 ピーダーセン 世穏
FW 11 宮本 拓弥

SUB
DF 13 長澤 卓己
DF 23 船橋 勇真
MF 20 田場 ディエゴ
FW 18 音泉 翔眞
FW 27 古山 蓮

選手交代(Y.S.C.C.のみ)
78分
FW 15 ピーダーセン 世穏DF 13 長澤 卓己
78分
DF 26 植村 友哉DF 23 船橋 勇真
78分
DF 9 大泉 和也FW 18 音泉 翔眞
78分
FW 11 宮本 拓弥FW 27 古山 蓮
85分 
MF 8 吉田 明生→MF 20 田場 ディエゴ

 ベンチにGKいねええええええええええええええええええええええええ!そしてベンチがまた5人しかいないんかい!遠方アウェイの連戦というのはこういう怖さがあるんですね。そして意外とメンバーをいじってますね。和也がまたしてもDF登録になってますが、位置的にはウイングバックかなと思います。で、この前の対戦時はFWを18人の登録のうち10人もブチ込んでましたが、今回はおとなしめに4人だけ。

 スタートのフォーメーションはまた変えてきてますね、多分これは3-3-2-2ではないかと思いますね。前回が5バック気味の3-4-2-1だったことを考えると、また違うアプローチで秋田に挑もうという感じでしょうか。正直秋田もかなり強いように見えるというか実際に強いんですが、彼らは3バックの相手に苦戦しているんですよ。前回対戦でもその傾向が見えたんですが、3バックでやたら前掛かりになってくる相手にになると、秋田は攻め手が一気に減るんです。原因は何なんでしょうね、よく分からないんですけど。
 並びは、右から花房-吉野-池ヶ谷の3バックに、中盤が大泉-土館-植村。2列目に宮尾と吉田が入り、2トップは宮本とピーダーセン。2トップというのがなかなか珍しいですね。対する秋田は4-4-2で、前回も言った通り、とにかく守備の堅さと一瞬の隙で素早くアタッキングサードに侵入し、堅実に仕留めるスタイルが今シーズンから就任した吉田謙監督の最大の持ち味。ただ後半戦を観てて思うのは、前半戦ほど守備から堅固さを感じ取れないんですよね。十二分に隙がありそう。

 さあ試合開始。首位秋田、絶賛独走中ですが、なんとしてもここで土をつけたい因縁の対決がスタートしました。

 最初は秋田に2度、ディフェンシングサードに侵入される展開を創ります。最初は右からのクロスがファーに流れ、今度は左からのグラウンダーのクロスがゴール前に。これは吉野が難なくクリア。続けて左サイドでのスローインから江口のロングスロー、これをペナルティーエリア内で千田に頭で合わせられるも、一生がしっかりキャッチして逃れます。

 相変わらずなんですけど、秋田の攻撃は一瞬で急所を突いてくるのが上手い。ただしボールをガッツリ持たせたときの攻撃って実はそこまで怖くないんですよね。持ったとき、というか持たされた時の攻撃のバリエーションの少なさ、今後シーズン後半戦で秋田が間違いなく直面する課題になると思います。

 で、この時点でというか試合前からそれを分かってるからだと思うんですけど、相手にボールを握らせたままフォーメーションを5-3-2にシフトします。両ウイングバックの和也と植村が低い位置、最終ラインくらいの位置で構えるようになって、ブロックを形成した状態で秋田にボールを持たせます。あとは勝手にロングボールを蹴ってくるのを待つだけ。簡単なお仕事ですね。

 そしてY.S.C.C.も仕掛けます。とにかくボールを大事にするよりも、この試合は素早く隙を突くことで秋田のブロックを崩しにかかります。ゴールキックから細かく繋いで、ディフェンスライン→中盤と徐々にテンポを上げながらパスを回し、さぁ一気に飛ばすような最前線へのスルーパスでピーダーを走らせる!ここは相手に対応されてしまいましたが、発想としては悪くない。

 さらにディフェンスラインでのビルドアップから一気にギアを上げ、明生さんがが左サイドをドリブルで抉りに行きます。これは対面した鈴木に防がれます。続けざまにドディが秋田のディフェンスラインの裏にスルーパスを出すも、ここはGK田中にクリアされます。秋田相手には多分細かいパスを敵陣で繋ぐよりも、ドリブルで仕掛けたりすっ飛ばしてピーダーを走らせるほうがチャンスを創れるのは間違いない。

 ただしブロックを創りながらも和也と植村は攻撃時には前掛かりになっているため、3バック状態の時にサイドを使われます。多分これはシュタルフ監督も想定済み。そのうえでわざとサイドを使わせて中でクリアすればOKのガーターレーン作戦をこの試合では採用している。

 結果的にこのあと2つ続けて秋田が右サイドから攻撃を仕掛けてきますが、クロスは各々一生のキャッチと颯斗のクリアでチャンスに結び付けることなく抑えます。正直秋田相手にビビるのは守備だけで充分だと思うんですよね。これ言ったら怒られるかもしれないけど、3バック敷かれてボールを持たされたときに秋田が一気に攻撃で怖さを創れなくなるのは、大体がディフェンダーに弾き返されて中央でチャンスを結実させられない、まあクロスの質とフィニッシュの精度が完全にバレてるからだと思います。

 やり返すのも上等。孝一がペナルティーエリア手前でボールを持ち、ペナルティーエリア内に縦への浮き球のパスを出すと、これを拓弥が収めて角度の厳しいところからそのまま左足で豪快なシュート!残念ながら至近距離で鈴木に果敢にブロックされてしまいましたが、本当に拓弥はどこからでも狙ってますね。ストライカーに大事な姿勢が備わってて見習ってほしい選手が多い。

 そしてここから秋田はサイドを使って攻撃を仕掛けてきますが、残念ながら既に中央のブロックは完成しています。守備時には3バックだけでなく、ドディも下がって中央を固めているので、守備の時点で数的不利に陥る場面も少なければ、中央で簡単にフリーマンを創る場面も少ない。結果的にサイドからの攻撃も、クロスを入れさせたところで怖くはありません。

 ここで飲水タイム。時期も時期だし、もしかするとこの試合が今シーズン最後の飲水タイム適用試合になるかもしれませんね。

 試合再開です。で、結局秋田は飲水タイム明けもサイドを使った攻撃。秋田は確かに「強い」チームだし「負けない」チームなんだけど、じゃあ「確実に勝てる」チームかと言われると、そうでもないと思います。サイド以外の攻撃のパターンを確立するか、中央でのフィニッシュに持ち込む精度を上げるかしないとその域にはたどり着けないんじゃないかなとは個人的に思います。

 Y.S.C.C.もチャンスを創ります。ロングボールを拓弥が前線で収めると、中央のピーダーへスルーパス、受けたピーダーが前を向き、前にはディフェンダーがいない、そしてペナルティーエリアの外から右足を振り抜く!しかしこれはバーの上に外れます。決めろよ!それ決めろよ!こういうの決めなきゃ勝てないからさ!

 そして試合の中盤の時間帯、少し落ち着かせるためにディフェンスラインからゆっくりとビルドアップを始めます。これに対して秋田は前線からプレスを掛け、ここまでのY.S.C.C.の弱点でもある最終ラインでのビルドアップのパスミスを狙いに来ます。かなりキツいパスを回させられてはいるものの、しかしそれでも秋田にボールを奪わせることなく保持し続けます。こういうところを見ると細かいところの個々の技術は当然Y.S.C.C.の方が上だと思うんですよね。当然秋田もディフェンスラインを高くして、Y.S.C.C.を押し込んできますが、それでもブロックを崩されることなくキープし続けます。

 ここから徐々に秋田がギアを上げてきます。右サイドのスローインから、ロングスローでボールをペナルティーエリア内に入れると、中途半端なクリアでこぼれたボールに江口が反応し、そのまま左足でミドルシュートを撃たれますが、これは枠の外。うん、一番怖いのはこういう中途半端なクリアなんですよね。

 さらに右サイドからパスを受けて侵入した輪笠がペナルティーエリアの中央に入って左足でシュート、これはブロックしたものの、こぼれ球を回収した江口が今度はペナルティーエリアの手前からワンバウンドのシュートを放つものの、一生が反応の良いセーブ!

 秋田は畳みかけるために、激しく最終ラインにプレスを掛けてきます。これで前進しづらくはなったものの、こっちが勝手にミスらなければ特に怖くないです。逆に秋田はボールを持っても結局サイドに流れ、中央に折り返せなかったり折り返しても中央で合わずにチャンスにならない展開が続きます。

 多分このあと秋田が前半残り時間で撃ったシュートって、全部コーナーキックを頭で合わせて枠の外に飛ばした2本くらいで、あとは全部フィニッシュに持ち込めてないんですよね。圧されはしたものの、失点をすることなく前半を終わらせることになりました。

 守備自体は最後の方で少し圧を掛けられて苦しかった場面もあると思いますが、それでもほとんどパターン化したサイド攻撃も難なく防ぎ、セットプレーでもしっかり跳ね返しているので、ホームでやった時よりも対処は出来ているんじゃないかな。あとは攻撃陣、決めるところで決めないといけないですね。特にピーダー、アレは反省して欲しい場面。それと拓弥が消されているのが気がかりな要素です。

 ただ今のメンバーをいじるほどの変化を要する前半でもなかったですし、あとはどこで刺せるかだけではないですかね。この試合は拓弥よりもピーダーに期待することになりそう。

 さて後半、どちらも変化のないままスタートしました。立て続けに秋田がコーナーキックを獲得し、ピンチが続いたものの、結局ここでもディフェンス陣が踏ん張って失点することなく乗り切りました。

 後半は秋田も右サイドを起点にして攻撃を組み立てようという感じで、右サイドでの数的有利を創りながらパスを回して中央を攪乱させる方向に切り替えたんだと思いますが、最終的には中央を割れないからサイドに戻してクロスで打開しようとする展開が続きます。結局真ん中で何かすることは出来ないんですよね。まあサイドから攻めてればそのうち穴も開くだろうくらいの考えなのかなとは思いますが、正直クロスに対する対処は安定しているので、どこが相手でもそこまで怖さを感じません。

 状況が打開できず、秋田が先に動きます。60分に林を投入。最前線に新しいタイプの選手を置くことで打開しようという試みですかね。身長の割には空中戦でも地上戦でも力を発揮できる選手ですし、風穴を開けるにはちょうどいい選手だと思います。ただこの交代で劇的に秋田の攻撃が改善されるほどでもないだろうなとは感じました。

 その林は投入早々に反転していいシュートを撃ってきたものの、これは枠の外。さらに続けてクロスとコーナーキックから攻めてきますが、これらが得点に結びつけられることもなく時間が過ぎます。

 そして秋田がボールをいたずらに保持している間に自陣でボールを奪い取ると、一気にカウンターに転じます。孝一がディフェンスラインの裏にタイミングよくスルーパスを出すと、抜け出したピーダーが田中とのと1対1の場面を創ります。そして満を持して右足でシュート!ですが、これは全力で戻ってきた千田に体を張ってスライディングでブロックされ、得点に繋がりません。いや決めろよ!マジでそれ外すのはあかんやろ!そこ決めなきゃ勝てんやろ!

 結局これで得たコーナーキックをモノにできないまま、飲水タイムに突入。これで今シーズンの飲水タイムは見納めですかね。

 ここからはY.S.C.C.が続けてチャンスを創りに行きます。ファウルを受けて獲得したフリーキックからペナルティーエリア内でチャンスを創り、さらにその流れから得たコーナーキックからチャンスを創るものの、先制には至らず。

 秋田は立て続けに動きます。2枚替え、久富と井上を入れてきました。一方Y.S.C.C.はここまで一切動いていません。

 試合再開直後、拓弥が左サイドの深い位置まで入り、後方からのロングパスを収めてそのまま縦にドリブルを仕掛けると、ゴールライン際から左足でクロスを上げますが、これは味方に合わずに流れます。チャンス自体は創りますが、こっちも決めることが出来ず。

 さぁようやくY.S.C.C.もベンチが動きますちょっと待ってなんで4人も立ってんの?一気に4枚替えとかどこのネ〇シーニョとかミハイ〇・ペトロヴィッチさんですかね?

 拓弥、ピーダー、和也、植村と、2トップと両ウイングバックを下げ、蓮、翔眞、長澤、船橋を投入します。これは蓮と翔眞の2トップで、長澤と船橋がウイングバックに入る感じでいいんですかね?それともまたフォーメーション変えてますかね?

 秋田は圧しに来ます。右サイドから2回のチャンスを創ると、2度目にはペナルティーエリア内での混戦からこぼれたボールを途中出場の林が撃ち抜きますが、これは枠の外。さらにコーナーキックからニアで鈴木に合わせられますが、これもまた枠を捉えません。

 一方のY.S.C.C.もコーナーキックから、明生さんが左足でクロスを上げると、クリアされたボールを繋いで最後はペナルティーエリアの中央から吉野が左足を振り抜く!これは入った!いやしかし入ったと思ったこの決定機はGKのファインセーブに阻まれてしまいます。

 直後には明生さんを下げてディエゴを投入。ディエゴに流れを変える役割を託します。しかしそれでも試合の流れはどっちにも付くことなく、双方とも決めきれないままアディショナルタイムに突入します。

 アディショナルタイムはY.S.C.C.が圧し続ける展開になります。サイドからのフリーキック、この流れでまたコーナーキックを獲得すると、そこからまたコーナーキック、さらにGKが弾いてもう1度コーナーキックを得ます。これはディフェンダーがクリアしたものの、こぼれ球を収めた蓮がペナルティーエリア外からシュート!しかし枠を捉えられず。決められれば劇的勝利という場面でしたが、これもゴールにならず。

 そのまま試合は終了。首位相手のスコアレスドローで連続失点が久々にストップし、連敗も3で止めはしたものの、4戦未勝利となりました。

 実際この試合は勝てたゲームだと思います。チャンスの数、決定機の数を考えれば、秋田以上に致命的なチャンスを創り出せていた上に、決めるだけの場面もいくつかありました。その場面でゴールにボールを入れられなかった、本当にそれだけの差だと思います。

 そう考えると、たとえ無敗の首位を相手にドローで終えられたと言っても、「勝ち点1を得た」という感じではなく、むしろどちらかと言えば「勝ち点2を失った」に近いですかね。ここで秋田から勝ち点を獲ったことで浮かれるならマジで先が真っ暗になると思いますよ。

 秋田はほぼ間違いなくJ2に行くことになるでしょう。このまま無敗で優勝する可能性も充分あると思います。観客数水増し事件もありましたが、ピッチ上の選手やスタッフは間違いなく死んでません。強かに勝ち点を積み上げているじゃないですか。正直、こういう強かさはJ2でも十分通用すると思いますし、勝ち点1を積み上げて残留することは可能だと確信してます。

 さて、我々は順位こそ1つ上げて15位に浮上はしたものの、依然として最下位争いに巻き込まれた現状は変わっていません。そして次節、分かってますよね、

 神奈川ダービー、ホームゲーム。

 負けはおろか、引き分けすら許されません。なぜならこれはダービーだからです。

 しかもホームでのダービーで勝ち点を落とすなんて愚行が許されるわけがありません。昨年はホームで逆転負けを喫したぶん、今年はそのリベンジをするしかないでしょう。

 何やら昇格争いですかね?なんかそんなようなことをしているとか聞きましたけど、我々は勝ち点3を強奪して、その舞台から引きずり降ろすだけなんで。覚悟しておいてくださいね、お隣の緑色の皆さん。


Thank you for your support! 是非このnoteを楽しんでいただけると嬉しいです、