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【Y.S.C.C.】ブルファイト、水色の闘犬が牙を剥く~J3 第5節 vs アスルクラロ沼津(2020.07.19)~

 こーんにーちはー!(TDLのキャスト風)

 わーいわーいわーい!待っていたのは最高の週末だった!(お前何歳やねん)
 とにかく、やっとですよ。

 今季初勝利!長かった!ほんとに長かった!

 というわけで早速振り返っていきましょう。

 【明治安田生命J3リーグ 第5節 Y.S.C.C. vs アスルクラロ沼津】
Y.S.C.C. 2 - 1 アスルクラロ沼津

得点経過
12分 失点
45+1分 宮本 拓弥(=PK)
80分 宮尾 孝一(=PK)

スターティングメンバ―(Y.S.C.C.のみ)
GK 1 大内 一生
DF 23 船橋 勇真
DF 3 宗近 慧
DF 7 宮尾 孝一
DF 26 植村 友哉
MF 6 佐藤 祐太
MF 4 土館 賢人
MF 8 吉田 明生
FW 9 大泉 和也
FW 11 宮本 拓弥
FW 18 音泉 翔眞

SUB
GK 31 谷 俊勲
DF 22 尾身 俊哉
DF 25 西山 峻太
MF 10 柳 雄太郎
MF 19 和田 幹大
FW 28 オニエ オゴチュクウ
FW 41 安彦 考真

選手交代(Y.S.C.C.のみ)
HT DF 23 船橋 勇真→
MF 19 和田 幹大
71分
FW 11 宮本 拓弥FW 28 オニエ オゴチュクウ
71分
FW 9 大泉 和也DF 22 尾身 俊哉
85分
FW 18 音泉 翔眞→MF 10 柳 雄太郎
85分
MF 8 吉田 明生DF 25 西山 峻太

 前節とは真逆で、先制されてから終盤にひっくり返したゲーム。しかもPK2発でっていうのも珍しいですね。昨日のJ1の横浜FC-川崎と併せて三ッ沢で今週末なんと4つのPKが爆誕しました()

 正直前半の終わりくらいまで全く勝てる気がしなかったです(理由は後述)。むしろ良く勝てたなと言うのと、まあ音泉様様でしたわ、はい。神としか言いようがない。

 スタートのフォーメーションは継続して3-4-2-1。これで固定になるんですかね。八戸戦を観た感じでは状態も悪くなかったので、スターティングラインナップにはほとんど変化いだろうと予想はしていました。やっぱ入れ替えは1人だけ。峻太を入れ替えたのはビビりましたけどね。
 並びにはまた変化をつけてきました。右から船橋-宗近-植村の3バックに、中盤が音泉-宮尾-土館-大泉。シャドーに吉田と佐藤が入り、1トップは宮本。エース宮本様、ここに確立。対する沼津は4-4-2で、ややメンバーを入れ替えてきたようにも見えます。沼津はボールを持たせると怖い選手、第三者視点で観ると非常に面白いけど敵として相まみえると厄介な選手が何人もいる中で、それに対してY.S.C.C.が初勝利に向けて前節の八戸戦から何を学び、修正ポイントをどのように体現してくるかが注目でした。

 さぁ始まってみるとほとんど沼津のペース。そもそも落ち着いてボールを持ててない。あれ?こんな感じの立ち上がり、見たよね?見たよね、そうだ、先週末のあの藤枝戦だ()

 こうなってくるとひたすら後手に回るのが悲しいかな、今季のY.S.C.C.を象徴する光景・・・そろそろ劣勢のこういう時こそ前に前に打って出るメンタリティー欲しいですね。そもそもまだ試合始まったばっかだろ。

 というか開始から10分以上押されっぱなし、しかも自陣で沼津にボールを奪い返される始末。主導権?なんすかそれ。日本国憲法でそんな権利保障されてました?

 ただし球際はいつも以上に強く、速く行けてました。うん、行けてたからこそちょっと試合通してファールが多くなったかなという印象です。

 結果、11分の沼津のフリーキックに繋がりました。位置的にも直接はないだろうけど、キッカーは尾崎。上手く中に供給されれば怖いなーという感じの位置。ほんとに嫌な予感はしてました。

 案の定、ファーに巻くいいボール・・・ジャンプした沼津の選手の頭上を越えてワンバウンドして直接ゴールに向かってきた!?一番怖いボールやんけ!!

 何とか右ポストに当たったものの、音速で詰めてきた藤嵜に押し込まれ・・・無事に失点。詰めに来るの早くね。しかも決めたのストライカーかと思ったらCBやん。

12分 Y.S.C.C. 0-1 沼津

 知ってた。

 親の顔より見た失点。納税と同じレベルの義務失点。むしろこれならまだ仕方ない失点だと思えるレベル。

 ですが・・・お?

 なんかここまでのゲームと違って、選手の顔つきが変わったんじゃ・・・というか失点して下向くんじゃなくて、逆にスイッチが入ったような感じがしますね。OKOK、まだ時間はある。

 この時点で今日のY.S.C.C.は何か出来るんじゃないかという予感がしました。どんなに劣勢でも、どこかワンポイントで隙を付いて得点のチャンスを創れるのではと。

 まあそこまでうまくいくわけではないですけどね。リスタート直後からまた沼津に支配され、チャンスを創られ、徹底的に耐える展開。出足の速さと球際の強さでファールでもなんでも沼津の侵攻を食い止め続けます。

 よく粘ってる。ほんとに。開幕戦以上によく粘れてる。特に球際、今日の一戦に懸ける思いを象徴するかのような激しさ。これでこそY.S.C.C.らしい戦い方と言っていいでしょう。確かにアタッキングサードに持ち込まれはするけど、とにかく最後の最後では徹底して沼津の好きにはやらせない、魂のこもった素晴らしいプレーです。

 まあそれでも実際おみずごっきゅんタイムを挟んでもまだまだ沼津のペース。ただ、ピンポイントで和也や拓弥がチャンスを創り始めます。シュートにこそ持ち込めないものの、徐々に沼津のアタッキングサードに入ってくるようにはなりました。

 そのうちに徐々にボールも持てるようになりました。ビバ主導権。しかし今度は沼津が自陣でしっかりブロックを敷き、しかも前線2枚が深い位置まで追ってくるため、後ろで回して様子を窺うものの、前線に出しどころが見つからない。沼津もしたたかな戦いぶりです。

 それにしてもやたら飛んでくるわ、沼津のシュート。何本撃ってんのってくらい。1本ごとに寿命が1年縮んでる気がします。

 35分には沼津の尾崎の鋭いミドルシュートを大内がワンハンドでセーブ!上方にしっかり弾き飛ばします。それにしてもみんなシュートが鋭すぎていつ追加点を取られるか・・・。

 攻撃面の打開策が全くないまま前半もビハインドで終わる・・・と思った矢先の前半アディショナルタイム。

 後方からのパスを起点に、こぼれ球を拾って侵入した音泉、ペナルティーエリア左からカットインして、後ろからDFに引っかけられ・・・はい、PKゲット。

 一瞬の隙でした。速い攻撃を仕掛けて繋ぎ、音泉が鋭く切り込んで沼津の守備を一気に焦らせました。ナイス音泉!よく切り込んだ。

 これを蹴るのは勿論新エース拓弥。まあ彼なら外すわけないですよね。

45+1分 Y.S.C.C. 1-1 沼津

 この終了間際で追いついたのは大きい。あと1分耐えれば前半を同点で折り返せることになりますからね。それにしても左上隅にあんなボールを蹴り込めるってどんな神経してんねん。

 そしてしっかり耐えて前半終了。というか最後の1分間ほとんどこっちが攻めてたやん。

 正直、最後の2分間で確信したのは、裏に1人抜ければそれだけで沼津の守備が安定感を失うということでした。特にロングボールや浮き球をディフェンスラインの裏に送れば、一瞬で沼津の守備陣の判断ミスを誘発できる雰囲気が見えました。

 それにしても沼津が8本もシュート撃ってきているのに対し、Y.S.C.C.はなんとPK含めてシュートたった2本で同点。サッカーってほんとに意味わかんないですね。

 さて、ハーフタイムでどんな修正をしてくるかと思っていましたが、シュタルフ監督の答えは船橋に代えて和田を投入。なるほど、攻撃にギアをシフトするためにいじってきたんですかね。

 後半が始まると、序盤5分ほどこそ圧倒的に沼津のペースだったものの、それ以降は互角にチャンスをつくるようになってきました。とりあえず敵陣でパスを繋ぎ、ボールを持ち始めます。

 そして前半で選手や監督・スタッフも僕と同じことに気づいたのか、後半はパスを繋ぎながらもディフェンスラインの裏を狙うボールが増えてきました。特に左サイドに張る音泉、彼の飛び出しとエリア内での動きが沼津のディフェンスラインを引っ掻き回します。

 それにしても音泉、ペナルティーエリア外からすんごいシュートを狙うわ、積極的に相手の背後を狙った動きをするわ、恐ろしい。これで去年まで関東1部でプレーしてましたとか信じられないですよね。ありがとう東京23FCさん。

 なんやかんやで展開が早くなり、さらに中盤でお互い激しい潰し合いが始まりました。シュタルフ監督が主審に抗議し注意される場面もあり、試合のテンションが一気に高くなります。それにしても講義する姿も絵になる監督ってなかなかいないと思うんですよね(超絶私見)。

 やや沼津ペースながら互いに裏を取るボールからチャンスを創り始めるものの、オフサイドやディフェンスの対応、さらに両者の中盤の激しいプレスやタックルで潰され続ける中、半分ちょっと経ったタイミングでおみずごっきゅんタイムを挟みます。その前に沼津が3枚替えしていたこともあり、若干流れが沼津寄りになってきたかと思ったこのタイミング、またしてもシュタルフ監督が動きます。

 拓弥と和也を下げ、オニエと尾身を投入。

 来ました、オニエタイム。今日も今日とてレッツダンシング。そろそろ得点も見たい。

 そしてこれが試合を分けた采配になったと思います。投入そのものではなく、投入によってオニエを左に回し、トップに音泉が入ったことがターニングポイントです。

 ここまで左サイドを活性化し、裏取りを狙っていた音泉が今度はど真ん中に来たわけです。しかも彼は一番前で自由に動きます。しかも音泉の動いた左サイドにはオニエが入るという、沼津からすればただの地獄絵図です。

 オニエ、入るや否やドリブルからシュートを撃ち、沼津ゴールを脅かします。うーん、これが高卒ルーキーなんて知らない()

  この2枚替えと配置転換の効果を確認するまでに、5分もかかりませんでした。PCR検査よりも圧倒的に早くてコスパがいい。

 沼津のディフェンスラインに前線が圧をかけ、音泉中心に激しいプレスをかけていました。そしてあっという間にミスを誘発。

 抜ける音泉。GK長沢、抜かれるや否や両腕を伸ばして音泉を引っ掛け・・・PK、アゲイン。

 さてこれもエース拓弥・・・既にベンチに下がってた()

 というわけで、ここはキャプテンマークを巻いた孝一が。

 決めれば逆転。キャプテンならやってくれる。

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 エモーショナル。見てくださいこの波打つネットの美しさ。絶景かな。

Y.S.C.C. 2-1 沼津

 なんと今季初の逆転!この瞬間、自分も叫んでしまいました()

 それでも時間はまだアディショナルタイム含めておよそ15分程度はあるでしょう。まだ2点取られる可能性も十分あります。

 5分後には立役者の音泉と明生を下げて、柳と峻太を投入。ここで峻太を入れるのは、リードしたシチュエーションでやたらとバタつきやすいチーム全体が落ち着くのでいいですね(耳が痛くなる教訓)。

 とはいえ、逆転後は圧倒的にY.S.C.C.ペースに傾きました。途中から入った尾身が強烈なシュートをお見舞いしたり、交代直前に音泉がプロ初ゴールを逃したり(あのループはアイデア良かっただけに決め切って欲しかった・・・)、柳が10番らしい巧妙な仕掛けを見せたり・・・ってほとんど交代投入の選手が躍動しまくってるやないかい。シュタルフ監督の采配当たりすぎだろ。

 オニエがいいシュートを放った直後に最後の最後で立て続けに2度も決定的なシュートを撃たれましたが、ディフェンスの決死の対応で瀬戸際で防ぎきり・・・

 94分38秒、タイムアップ。

 今シーズン初勝利の瞬間。

 泣きました。マジで泣きました。

 1勝の重みは思っていたよりも重かった。これは試合後の選手やスタッフ、サポーターの様子を見ていれば分かると思いますが、今シーズンのドタバタした開幕からこれまでの3週間の間、どれだけチームが苦労し、悩み、もがいてきたかが描き出されたのではないでしょうか。

 特に後半のテンションが高い中盤の潰し合い、前線から徹底して沼津の最終ラインに牙を剥き続け、最後には遂にミスを誘発したところから逆転につないだという点では、まさに11人、いやベンチやスタッフ、サポーターも含めた水色の全員が闘犬のように戦い続けた証だと思います。

 本当に素晴らしい試合で、全員を褒め称えたいところですが、なんと言ってもまずは音泉翔眞の名を口にしないわけにはいきません。

 彼はこの試合で先発に抜擢され、得点こそなかったものの2つのPKを獲得し、途中のポジションチェンジも含めて、左でも中央でも結果を残せることを証明しました。

 しかしさらに言えば、この証明に繋がるオニエの投入を図ったシュタルフ監督の手腕を絶賛すべきではないでしょうか。

 音泉が素晴らしかったことは自明です。なんなら今季は音泉の年になるとさえも周りに言い続けていました。

 しかしそれだけでは不十分だったでしょう。むしろ、このオニエ投入だけではなく、攻撃に転じる打開策としてのハーフタイムの和田の投入、オニエと同タイミングで投入した尾身、そしてリード後に前線をうるさくする柳と、チームを冷静にさせる峻太の投入、この全てが徹底して的中したことを、どうして取り上げずにいられるでしょうか。

 ベンチから全力で闘志を燃やすシュタルフ悠紀リヒャルトという男こそが最も牙を剥きながらも冷静に隙を伺い続ける闘犬であり、音泉というヒーローを誕生させ、チームに今季初勝利という甘美な実をもたらした最大の立役者と言っても過言ではないでしょう。

 また中5日で今度はアウェイの長野パルセイロ戦を迎えます。連勝を目指し、そして少しでも上位に行く、ここから優勝を狙うために、若い青年指揮官のもと、この1勝でチーム全体がさらにハードワークを続け、新たなヒーローが次々と生まれることが必要です。

 しかし今は何よりも、僕らに勝利の味を思い出させてくれたチームの全員に感謝し、Y.S.C.C.サポーターの仲間とこの勝利の喜びを今しばらく分かち合いたいですね!

※試合前にY.S.C.C.柄のマスクした見覚えのあるお方が映って、よく見たら我がコルリ様でした!

※893みたいなシャツの人が映って誰だろうって思ったらシュタルフ監督で驚きでした(笑)

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