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#549 蹴球論52|2004年 アジアカップ 〜重慶の奇跡〜

2024年はあっさり負けてしまいましたが…2004年のアジアカップはドラマティックで、メチャクチャ面白かったです。
2000年大会で優勝し、2連覇の期待を受けての大会でしたが、激動で、波乱万丈で、傷だらけに、がけっぷちに立ちながら、期待に応えて連覇した日本代表。
アジアカップ史上、一番盛り上がったのはブッチギリでこの大会ですね。


アジアカップ2004 日本代表登録メンバー

  1 GK  楢崎 正剛(名古屋グランパスエイト)
  3 DF  田中 誠(ジュビロ磐田)
  4 MF  遠藤 保仁(ガンバ大阪)
  5 DF  宮本 恒靖(ガンバ大阪)
  6 MF  中田 浩二(鹿島アントラーズ)
  8 MF  小笠原 満男(鹿島アントラーズ)
10 MF  中村 俊輔(レッジーナ)
11 FW  鈴木 隆行(鹿島アントラーズ)
12 GK  土肥 洋一(FC東京)
14 DF  三都主アレサンドロ(浦和レッドダイヤモンズ)
15 MF  福西 崇史(ジュビロ磐田)
16 MF  藤田 俊哉(ジュビロ磐田)
17 DF  三浦 淳宏(東京ヴェルディ1969)
18 DF  松田 直樹(横浜F・マリノス)
19 FW  本山 雅志(鹿島アントラーズ)
20 FW  玉田 圭司(柏レイソル)
21 DF  加地 亮(FC東京)
22 DF  中澤 佑二(横浜F・マリノス)
23 GK  川口 能活(FCノアシェラン)
24 MF  西 紀寛(ジュビロ磐田)
25 DF  茶野 隆行(ジェフユナイテッド市原)
26 MF  山田 卓也(東京ヴェルディ1969)

この同時期、次回の蹴球論で紹介するであろうアテネ五輪があり、アジア予選を勝ち抜いたアテネ世代のメンバーはもちろんオーバーエイジの小野と高原はアテネを優先させるため招集外となり、直前のテストマッチの背番号的に「2 DF 坪井」「7 MF 中田英」「9 FW 久保」「13 FW 柳沢」が怪我とかで不出場。稲本もいないですね。
そんな感じで飛車角抜き、満身創痍で挑まなければならなくなったのが2004年アジアカップでした。
命運を託されたエースは俊さん。残りはほぼ国内組という布陣でした。

ジーコジャパンも直前の欧州遠征で少し評価されつつあったものの、何としてでもこのタイトルは欲しいところでした。


予選リーグ

第1戦|日本 1〇0 オマーン

日本のグループリーグの相手はオマーン、タイ、イランという中東包囲網でした。

スタメンは3-5-2でGKは能活、DFは田中誠、宮本、中澤。MFはボランチが福西&ヤット、右が加地、左が三ちゃん、トップ下が俊さん。そしてFWは師匠と玉田ですね。
ジーコさんは選手交代が苦手なので、基本このフォーメーションでした。

オマーンとは2006年ドイツW杯2次予選でも対戦しており、その試合は俊さんがPKを外し、かろうじて竜っちゃんのゴールで勝ってる相手ですが、俊さんがそのリベンジの気持ちもあったのでしょう。
ドリブルからのアウトサイドでシュートという、スーパーゴールで先制し、その1点を守ってウノゼロで勝利。
幸先良いスタートです。


第2戦|日本 4〇1 タイ

そして第2戦のタイ戦、日本はあっさり先制されてしまいます!Shit!
しかしその直後の俊さんのFK、もうここしかないというピンポイントでゴールネットに突き刺さる俊さんのスーパーFKで同点!そこに痺れるゥ、憧れるゥ!
その後もスーパーアグレッシブDFの中澤が2点取り、福西も決めて4-1で圧勝。


第3戦|日本 0△0 イラン

そしてこのイラン戦は正直覚えてないですが…
金持ち喧嘩せず的な感じでスコアレスドローに終わった気がします。
そしてジーコさんがターンオーヴァーをするわけもなく、主力が出るという状況に笑


決勝トーナメント

準々決勝|日本 1(PK4)〇(PK3)1 ヨルダン

そしてこの試合は、歴代日本代表の試合でもBEST10に入る位、劇的な試合でしたね。友達と見てましたが、マジで興奮した記憶がありました。
先制されるも、師匠がこぼれ球を押し込んで1-1の同点に追いつき、そのままPKとなりますが…

先行は日本だったんですが、絶対決めてくれるであろう俊さんがまさかの宇宙開発!俊さん、何してくれてはるんすか!そしてヨルダンは決めて0-1。
そして続くFKの名手、三ちゃんも俊さんよろしく豪快な宇宙開発!
僕らはこの時点で敗戦を確信した記憶がありましたが…

ここでキャプテンの宮本がレフェリーに言い寄り、「芝がエグれているからサイドを変えてくれ」と打診し、異例のサイドチェンジ!
PKでゴールが変わった試合を見たのは、後にも先にもこの試合が最初で最後ですね。
宮本は「リズムを変えたかった」という意図があったようですが、ヨルダン2人目も決めて0-2。そして福西がようやく決めて1-2にするも、ヨルダン3人目も決めて1-3。この時点で日本の勝ちは無くなってしまったのですが…ここからGK川口が奇跡を起こします

4人目のキックをセーブして、5人目もその圧で外させ、6人目もセーブして、7人目も外させるという!まさに守護神
そんな鬼神のようなゴールセービングで、日本が奇跡の逆転勝利!

これほどテンション上がったPK戦は後にも先にも記憶に無いですね!


準決勝|日本 4〇3 バーレーン

そしてこのバーレーン戦も熱かったんです。
前半早々にヤットが中東の笛で退場に追い込まれ、先制されるも中田浩と玉田のゴールで逆転!しかし追いつかれ2-2!というかなり互角のシーソーゲームも!
残り時間わずかのタイミングで、バーレーンのエースのA・フバイルに決められて3-2とリードされ、私はこの時点で敗戦を予想したのですが…

後半ロスタイム、三ちゃんのクロスをオーバーラップしたボンバー中澤、奇跡の同点弾!
このゴールも最高にテンションあがりました!

なにより解説のセルジオ越後の浮かれっぷりが最高に可愛かったです笑
「ヤッター!ヤッター!ヤッター!ヤッター!ヤッター!ヤッター!ヤッター!ヤッター!ヤッター!ヤッター!ヤッパリ、中澤ダ!!」と、最高に可愛かったですね笑

そして延長戦で玉田が決めて4-3の逆転勝利!この試合も良かったです。


決勝|日本 3〇1 中国

そして決勝は開催国のホーム・中国。
この大会、とにかく中国が圧倒的なホーム力を駆使し、更には時期的に尖閣諸島問題などで揺れており、とにかく日本へのブーイングがひどかった
とにかく日本人達は「日本鬼子」の時代のように嫌われており、とにかくまぁ酷かった。
この大会を機に僕等の周りはみんな中国が嫌いになりましたね笑

これまで死闘だった準々決勝、準決勝に比べると割とイージーな感じで、得点力のあるボランチの福西が先制すると、得点力のあるボランチの中田浩が手で追加点を取り笑
そして最後は俊さんのビューティフル・スルーパスを抜け出した玉田も決めて、タイムアップ!優勝!!!

本当にテンション上がりましたね!


最後に

そして今大会、俊さんが大会MVPに選出され、川口・宮本・中澤・俊さんがベスト11に選出されました。まさにMVPに相応しい、俊さんの大会でした。
ジーコも念願の初タイトルであり、そしてこの大会がベストメンバーじゃない中で、かなりドラマティックに勝ってしまったというのが理由で…
ジーコが延命したのが唯一のマイナスポイントでした笑

サッカーが一番盛り上がっていた時期に見た、というのもありますが、これまでのアジアカップの歴史でブッチギリで一番盛り上がったアジアカップは、やはりこの試合ですね。

今思えば、ジーコジャパンもこの時がピークでしたね…


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