#473 読書論20|はつ恋(ツルゲーネフ)
前作で日本文学を代表する、幼き日の青年の恋を描いた名著「友情」を紹介しましたが、本日は洋モノでいきましょう。
ドストエフスキーと並び、ロシア文学を代表する作家、イワン・ツルゲーネフによる中編小説であり、半自伝的小説であり、性格を持ち、作者が生涯で最も愛した小説と言われている「はつ恋」について本日は紹介しましょう。
僕の中では「はつ恋」と「友情」はかなりリンクしており、一緒に読みたい作品ですね。
はつ恋 あらすじ
主人公は16歳で、モスクワ市内のとある湖の近くに住んでおりました。
そんなある日、家の近くにとある一家が住んできたんですけど、そこの娘さんは主人公の5個上、21歳のジナイーダというチャンネーでして、主人公は恋に落ちるんです。
このジナイーダは性悪ビッチで、この主人公のようにジナイーダに一目ぼれした連中を家に集めて「可愛い!」「可愛い!」とチヤホヤされて喜ぶクソメスだったりしたんです。
で、主人公も主人公なので、このジナ公にキスできる(してもらえる?)権利をゲームでGETしたときは「ウオオオオ―ッ!」と興奮するような、どうしょうもないクソエロでしたね笑
で、主人公はこの初恋に苦悩するんですが、それは実はこのジナイーダもでして…このアマも恋に苦悩していたんです。
この件で主人公はショックを勿論受けるんですが、このジナイーダが恋をした相手が、まさかの主人公の父親なんですね。どうしょうもないワルです。
元々、財産目当てで今の奥さん(主人公の母親)と結婚し、奥さんより10歳年下でイケメンだったようなので…
完全に逆タマ狙いの、ツルモク独身寮でいう杉本みたいな感じだったのでしょう。
父親と息子で同じ女性を取り合うなんて、ミナミの帝王で素直(女性名)を取り合う展開くらいしか記憶にありませんが、父親はジナイーダをカキタレとしか思ってない辺りも通じるものがあります。
とにかく、そんな感じで恐らく稀にみる辛い初恋だったりするんですが、そんな青春の物語です。
はつ恋 との出会い
はつ恋が世に公開されたのは1860年。
日本では桜田門外の変があった時期なので、隔世の感がありますが・・・
もうかれこれ150年以上の間、青春小説として愛されている本作は、やはり色々なシーンで引用されています。
一番有名なのは、下記「愛と誠」において、影の番長こと高原由紀が校舎脇で読んでいるシーンではないでしょうか。
サイコメトラーEIJIでも、最後に立花がこの小説を読んでいるのもクールで良かったですね。
ちなみに僕が初めて読んだのは多分大学の頃です。
大学時代に英米文学を読み漁っていた時に読んだ記憶がありますね。
その頃はもう初恋も客観的に見れるくらいの年齢ではありましたが、やはり結構印象に残った記憶がありますね。
結構お薦めの小説を聞かれることがあれば、年齢が若くて読書ができそうな人にはけっこうこの作品を薦めたりしてますね。
はつ恋 まとめ
確か愛と誠の作中で、高原由紀さんも話していましたが、このはつ恋が名作であるのは、作者自身が40歳で初恋を事実として振り返られる年齢になっていたからと言っていた気がします。
そういえば僕も40歳なので初恋を振り返ってみたら名作を生み出せるかもしれませんが、僕が覚えてる初恋は幼稚園の先生だったので、クソチープな400字くらいで終わる作品しか書けないですね笑
やっぱ惚れた女が父親の女だったというのはエグイですし、どこからどこまでがこのツルゲーネフの体験談なのかも謎ですが、この経験があったが故に、こうして150年後も名作として語り継がれているので、それだけ辛い恋をしてる人は多いという事ですね。
てなわけで久々に読みたい、そんな限りです!
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