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【櫻坂46】"As you know?"ツアーの感想と、藤吉 夏鈴について、言いたいこと言ってやる。

前書き

櫻坂46 2nd TOUR"As you know?"が11月9日の東京ドーム公演で全公演が終了した。
9月29日の大阪に始まり、日数で言えば42日、とにかく濃い期間であった。

今回のツアーでは前回の前半戦感想noteでも触れたように、ツアー初日でのキャプテン・菅井 友香のサラッとした「ネタバレ禁止」という一言により、皆が思うことをブチ撒けられない中公演が進んで行った。

「言葉を飲み飲むのは絶対体に良くないんだ
胸のどこかにつっかえてむかむかしてくるよ
言いたいことは消えてなくならない」
摩擦係数/櫻坂46

こう歌うアイドルの感想を言えないのはただでさえ感じる気持ち悪さを、余計気持ち悪く感じざる負えなかった。
消えるはずのない、多くの刻まれた感想が42日間胸につっかえ続けた。

その為公演が終わり、数日が経った今日でも各々が溜めていたツアーの感想を呟き発散する現象が起きている。
シン・エヴァンゲリオン劇場版を見て、感想を呟きたいけど見てない人がいるから呟けなかった去年の春を思い出したのは僕だけでしょうか。
そんなこんなで僕も感想をTwitterに残せない為、iPhoneのメモ帳に印象に残ったことを箇条書きでメモしていた。


ただツアーの感想なんて言っても、映像化されているのは千秋楽だけであり、今ここで「大阪の○○が良かった!」なんて言ってもしょうがない気がする。そういう感想は極力減らしながら、今回のツアーを振り返って行きたい。
そして自分の推しメンである藤吉 夏鈴もこのツアーでもまた語りたくなるストーリーを作ってくれたので、この2点について振り返っていこうと思います。

※大阪・宮城・福岡両日、東京最終日の計7公演を観賞。
毎度ですが、基本メンバー名は敬称略になります


ツアー感想~印象に残った曲~

本編セトリ

M1. 条件反射で泣けてくる

”Do you know who we are ? 
I don't know a lot about you yet. 
But today, I can get to know you better.
Even if you don't know us now.
We want to get etched into your memories today. 
As you know ?”

As you know?という挑戦的なアルバムタイトルをどうツアーで活かしてくるかと期待していたら、初っ端からカマしてくれた。

"Even if you don't know us now. We want to get etched into your memories today."(今は私たちのことを知らなくても、私たちは今日、あなたの記憶に刻まれたい)というメッセージからの”As you know ?”。
「私たちこれからやっちゃうけど準備できてる?」的な狼煙をあげるには最高のメッセージだった。

そんな"As you know?"というタイトルにちなんだメッセージで開幕の狼煙を上げたところで、勝手に一曲目は"Nobody's fault"か”摩擦係数”だろうなと予想していたので、”条件反射で泣けてくる”というチョイスは裏をかかれた。

「昔のことなんかどうだっていいのに
やけに最近 思い出すようになった
後になって振り返ると あの頃ってあれはあれで楽しかったなって
思えて来るもんなんだな」
条件反射で泣けてくる/櫻坂46

ツアーが終わった今歌詞を見ると、キャプテン・菅井 友香のラスト&欅坂時代以来の特別な地・東京ドームというのを予め計算してこの曲を頭に持ってきた気がしてくる。

この曲の作曲は欅坂時代、"危なっかしい計画"や"避雷針"を手がけたナスカ氏が手がけている。

この"条件反射で泣けてくる"、「麻布十番」や「十番祭り(麻布十番で夏に行われる祭りらしい)」「ピーコックで買い物して 浪花家でたい焼き食べて」という地名が出てくる。
ナスカ氏の欅曲で歌詞に地名というと、"危なっかしい計画"の「渋谷で生まれ変われ!」「全部渋谷で学ぶんだ」というのがあり、1部のファンは「関連性あんじゃね?」と勘ぐっていたので個人的に考えてみた。
超無理矢理紐付けするなら"危なっかしい計画"でバカやってた子が、渋谷から離れて麻布十番なんてアダルトな場所で作った思い出辿って条件反射で泣けるようになった…みたいな欅坂=「昔のこと」から大人になった今、というストーリーが作れるわけですが…。無理あるな。。。ただ今回はそういうことにしておきましょう。

条件反射で泣けて来る 黄昏の坂の途中
何で?何で?何で? 地平線へと誰かの背中が消えてくから
景色が滲んで泣けて来る 愛なんてほんの一瞬
永遠のしあわせはないんだ どんな1日も終わるように…
元気でいるか?
条件反射で泣けてくる/櫻坂46

「黄昏の坂の途中」、「地平線へと誰かの背中が消えてくから」、「永遠のしあわせはないんだ どんな1日も終わるように…」という歌詞が菅井を送り出すのにリンクしていたのは偶然なのだろうが、ノスタルジーに浸らせてくれた。


M9.制服の人魚

4thミニライブで"最高"と称して以降間違いなく2022年一番聞いている曲になっているこの曲はやはり期待を裏切らなかった。というかこの曲が流れていれば歌唱メンバーの4人がいなくても最高まである(元も子もない)

まず演出が最高すぎる。歌詞に出てくる「LEDの水槽の中」をライトアップされた箱状のゴンドラ、シャボン玉で水の中であることをちゃんと表現できている。このツアーではDead end等含め、小道具で色々なことが表現されているのも良ポイントである。

歌は歌で森田 ひかると武元 唯衣のパートが低すぎて、ミニライブから歌いづらそうにしてたのを完全にその日のテンションに任せ歌い上げていたのが「あぁライブだなぁ…」と毎公演LEDの水槽の中のようななんだかいい気持ちになっていた。個人的には宮城2日目の森田ひかるの「な⤴︎んか前⤵︎髮決まらな〜い」の音のハネ方が最高に気持ち良かった。

回数を重ね慣れが出てきたのか、福岡の1日目から山﨑 天と森田がパート終わりにウインクを入れてきたり、千秋楽で守屋 麗奈の「IDを見せてください チェックをされたって」に歌の成長を感じたのもこの曲の良さをより高めていた。


M10.五月雨よ

個人的に今ツアーを通う中で、毎回楽しみにしていたのはこの曲だった。
渡邉 理佐の卒業後、代わりのポジションに入ったのは4枚目、ミュージカルと被り不参加だった菅井である。
この菅井が表現する"五月雨よ"に大阪の1日目で完全にやられた。

最初、パッと聴いた感じは好きな人のことを思って歌った、恋愛の曲なのかなと感じました。
でも、何度も聴いているうちに男女の恋愛だけではなくてもっと広く、大切な人を思い浮かべて聴いても当てはまる曲なのかなと思うようになって。
櫻坂46 原田葵&松田里奈に聞く、『五月雨よ』で伝えた優しさと穏やかさ
引用:https://realsound.jp/2022/04/post-1002362.html


松田 里奈が"五月雨よ"についてこう語っている。
歌詞自体を見て、菅井の卒業と何か関係するところがあるかと聞かれれば何もないかもしれない。
確かに恋模様を五月雨と重ねて書かれた曲かもしれないが、何故か見ているとそれ以上の意味合いを感じ、我々の心に訴えかけてくるのが今回のツアーの"五月雨よ"だった。

ずぶ濡れに なってもいい
不安の中 飛び出すべきだ
その勇気が 僕にあったら
雨だって きっと怯むだろう?
何もせずに 厚い雲に
覆われていちゃ 君に伝わらない
五月雨よ/櫻坂46


五月雨式に 降り続いてる (Wow…)
五月雨式に 好きになってく(Wow…)
雨よ止むな (Wow…)
五月雨よ/櫻坂46

「切なくなる」「苦しい」と思っていたところから自分自身に問いかけ勇気を持って前に行く主人公が、最後の最後雨さえ受け入れて前に進んでいく。
なんかこの辺が去る菅井と重なって、メンバー全員が背中を押すような。
菅井自身が自分に言い聞かせながら前に進んでいくような。
菅井が笑顔で歌う姿・最後にみんなが菅井と顔を合わせる姿が今も頭から離れない。元々大好きだったけど、もっと大好きになった曲。
これからも大切に歌ってほしい。

ツアー総感

他にも"断絶"の東京公演の田村 保乃が地方公演からさらに一皮向けた表現を見せてくれた話や、"Dead end"の森田がツアー通して圧倒的だった話や、ツアー前あまり聞いていなかった、"タイムマシーンでYeah!"の「失ってやっと分かるものさ そうホントに大切なもの」という歌詞がエモーショナルに感じ大好きになったり。。。

話題は尽きないが、個人的にツアー通して印象に残った3曲だけにしておこう。他の曲がこの3つと同じ熱量で書ける気がしないな、うん。

とにかく今回のセットリストは曲順含め非常に好きなので、僕は大阪の帰りの飛行機から永遠にこのセトリのプレイリストを作り再生している。

特にサイリウム無しパート(~流れ弾)までの上げ方や、ユニットゾーン、その先の五月雨よ+なぜ恋+Nobody's faultの流れなんか堪らなく好きである。
これで諸々の事情でできなかった"無言の宇宙"、"ジャマイカビール"、これまで定番だった"偶然の答え"、”ブルームーンキス”が選曲外となっているんだから嬉しい悩みである。

まあ強いて言うなら2回目のMC後、「後半戦、盛り上がっていきましょう!」の後に来る、これまでの曲をイイトコ取りした神ダンストラックの後の2曲が"車間距離"と”恋が絶滅する日”というのがなんか物足りなさを感じた。もちろんいい曲ではあるんですけれども。
"無言の宇宙"、欲しかったな。個人的にはW-KEYAKI FES2022で過去最高のパフォーマンスだった"ブルームーンキス"でも可。

ともかくどれも満足度の高い公演だった。お腹一杯。色々な席から違った見え方があったのも、7公演通ったが故に生まれる感想ですね。

宮城公演。"Buddies"で真横に藤吉さんが来てくれました。
福岡2日目。地方集大成ということもあり、皆の気合が全然違った。
東京公演。コロナ禍以降、ドームに来るのは初めてだったので色々変わっててビックリした。


藤吉 夏鈴の"As you know?"ツアーを振り返る

~宮城公演までを見て 

今回の感想noteではあえて披露された"欅楽曲""については触れず、ここではより熱を持って話せる推し・藤吉 夏鈴にスポットを当ててみたい思う。
欅坂についてネタは正直あります。1つのnoteでは収まらないと思うので、また今度やります。必ずきっちりやります。(ガーシー風)


まず彼女のセンター曲"なぜ恋をして来なかったんだろう?"がどの公演も1日目と2日目で全く違う表情で見せてくれることに驚かされた。

これが顕著に出たのが一発目の会場である大阪公演である。
これまでも2日間"なぜ恋"をやることは何度もあった訳だが、大阪ほど日により全く違う表情でパフォーマンスをしたことは無かったと記憶している。

大阪1日目の"なぜ恋"はこれまで見たことないくらい笑顔が多かった。
これまでも「微笑み返してあげる」のところで笑顔になることは何度もあったが、大阪の初日は通して笑顔でパフォーマンスをしていたので面食らったのを今でも覚えている。

それが2日目になると全く違う表情だった。
Aメロのソロパートから前日のような笑顔はなく、100%曲に集中し入れ込んだような表情で。
これがライブを両日見に行く意味だよねと。彼女が魅せるパフォーマンスの価値を改めて分からされたなと。大阪2日目の終演後はそんなことをずっと感じていた記憶がある。

そんな大阪は地元だからかいつもより「ライブ」というお祭り空間を楽しんでいるように見えた。
その中でも"Nobody's fault"ではしっかり決め、その次の宮城公演でも今回のアルバムから追加された森田とのユニット曲、"One-way stairs"では大阪より動きが合ってきたことを感じたり、MCで井上 梨名が「盛り上がっていくぞ〜!」と煽り皆が手を上げる中、1人だけ観客の盛り上がりを静観しているという、成長の中でいつもと変わらない様子を見せてくれていた。

「アイドルとは?」が微かに見えた福岡公演

折り返して後半戦___。
10月21・22日で愛知公演、そのあと中2日で10月25日から福岡公演というこれまで見たことないほどタイトなスケジュールで公演が組まれていた。 
想像でしかないが、こういうスケジュールにせざるを得なかったのはW-KEYAKI FESが一度延期になったというのが影響しているのだろう。

これまでの公演と同じように藤吉はゴンドラでメインステージへ向かっていく。
福岡初日は上手側の最前列だった為直接は見れなかったが、モニター越しで見ても本調子でなさそうなのはすぐに分かった。

「あぁ、何も無ければいいけど」と思ったら嫌な予感が的中した。
5曲目の"流れ弾"。2番サビ前。
小池の「だってやらなかったら」に続く藤吉の「きっとMy turn」はなんとか絞り出したような声だった。

案の定次のMCパートではいなくなった。
武元がTiktokの話題で藤吉に振ろうとしてたのでアクシデントなのは会場にいた誰もが察知しただろう。
僕はそのMCから"タイムマシーンでyeah!"の後の"One-way stairs"と"なぜ恋"が不安で仕方なかった。舞台に立てるのかと。

いや、強いて言うなら"なぜ恋"はなんとかなっただろう。BACKSで大園がセンターやってるし。そんな簡単なもんじゃないが「なんとか」はなる。ただOne-wayはヤバい。
2人しかいない曲で1人が欠けるなんてどうしようもない。森田のとてつもなく不安な心中が容易に想像できた。

"タイムマシーンでyeah!"が終わる。1期生の笑顔で終わるが、藤吉推しとしてはもう曲が頭に全く入ってこないわ一切笑えないわという状況だった。
どうなるのか...と思ったらなんとかステージに立ってパフォーマンスを披露していた。
ただ上手と下手、距離は離れているものの森田が藤吉を引っ張っていることは見ていて分かる。

結局その後は離脱することなく公演を終えた。
最後の"思ったよりも寂しくない"と"櫻坂の詩"で走る姿を見てちょっと安心したが、「明日は出来るのか」と途轍もなく不安になった。


という半端ない不安がありながら始まった2日目。
地方最終日ということもあり、メンバー皆"条件反射で泣けてくる"から動きの大きさと決め方が違う。
藤吉も皆に負けず魅せていたが、ここからのパフォーマンスは凄まじいものだった。
"One-way"も前日のように森田が引っ張るのではなく、2人とも本気で魅せに行く。お互いが片方に負けないようにという意識がどんどんこのユニットのヤバさを高めていく。
"BAN"、"流れ弾"のシングル曲はもう圧巻だった。
上の写真の通り、福岡2日目は全体を中央寄りから見れる素晴らしい席だったわけだが、そんなことも忘れて以降視線が藤吉に引っ張られ続けた。

前日は本当に何だったのか。
そして彼女にこの1日の間にどういう心境の変化があったのだろうか。
これはまたミーグリ、いや、それよりもっとマンツーマンに感じるサイン会でしか聞けそうにないことである。今から聞くのが楽しみで仕方ない反面、またあの地獄のようなヒリつきを味会わなくてはならないと思うと今から胃がキリキリしてきた。


そんなこんなで、結果なんとか乗り越えた福岡公演を改めて振り返ると、藤吉 夏鈴が「アイドルとは?」という問いの答えに少しでも触れることできたのではないかと思う。

このツアー期間、主演を勤める「あざとくて何が悪いの?」のセリフ覚え、ガルアワ出演などとにかくマルチに活躍した。中でも「あざと連ドラ」は彼女の表現力がもたらした仕事であり、彼女だけに与えられたものである。何足の草鞋か分からないくらいの草鞋を履いただろう。


彼女だけに与えられた「試練」と言ってもいい。
そんな試練は今まで起きたことのなかった途中離脱を起こした。

山﨑がオーディションCMで「アイドルとは?」を問われ、「何にでもなれるのが強み。一つのものに嵌らない。」と答えたが、それは結局どれだけ考えても、辞書を引いても定義が分からない現代の「アイドル」を一言で語るなら一番近しい答えのように感じる。

藤吉も今回のツアー期間、様々な者になりながらこなし続けてきた。それはアイドルの強みである反面、体力的消耗はこなすものが多くなるにつれ激しくなる。

そんな「アイドル」に求められることを出し続けることで来た限界、それをなんとか繋ぎ止めた福岡公演1日目。
そして何かがきっかけで突き抜けた2日目。

彼女は福岡公演で「アイドルとは」なにかを身を持って体感したのではないだろうか。
突き抜けた2日目は彼女自身では「何か分からない」アイドル像を体現したものであった。

あの初日をなんとか繋ぎ止めたことは間違いなく今後に繋がるだろう。もしかしたら2日目に圧倒的だった彼女にもう影響を与えてるかもしれない。

7公演、そして福岡公演を両日見て。
まだまだ藤吉 夏鈴には伸びしろがある。
そしてその伸びしろに手がかかった時。
福岡公演2日目で初っ端から視線を全部持ってかれたあれ以上のパフォーマンスができると考えると、まだまだ応援しがいがあるなと強く感じた。

最後の東京ドーム。今でも凄いけど今が頂点だとは全く思わない。もちろん藤吉だけに限った話じゃないけど。
色々考えていたら公演から1週間も経ってしまった。
「アイドルとは?」という問いはいつまで経っても埋まらないかもしれないけど、一緒に探して行きたいな。

以上になります。

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