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なぜ人間は白目の部分が白いのか?

人間に近い、類人猿であるチンパンジーやゴリラ、オランウータンの白目の部分は人間よりも茶色です。なぜ人間の白目は白いのだろうか?

人間以外の他の動物の白目が白くない理由は、自然界では白色が目立つということ。白い目が剥き出しになっていることで、敵に見つかりやすくなります。そして何より自分の視線が敵に察知されてしまうという危険性があるので、白目が白いというのは自然界で生きていくためには不利になります。

人間は、この「白目」の特性を生かし、お互いの目を見ることによって、いわゆる「アイコンタクト」というコミュニケーションを可能にしました。そのため集団で「狩り」をする場合に、敵に悟られないよう、音を発することなく、「アイコンタクト」で互いの意向を知らせあうことができるようになりました。ずっと昔は「黒目」だけだった人間は、こういう「進化」をして、狩りの技術を手に入れたと言われています。

つまり、言語だけでなく、目でコミュニケーションを発する必要性があったためにこのような進化過程を経たのだと考えられます。


また、日本人と欧米人では人の感情や表情を読み取るときに見ている部分が違うともいわれています。

例えば顔文字

(-_-) (>_<) (^_^) (*_*) 

このような顔文字を作るのは日本人特有で、口はそのままで目の部分だけを変えています。

ではこれは、

:)    :D    :(

これは、横向きでわかりにくいかもしれませんが、欧米人はこのように顔文字を作るそうです。目の部分はそのままで口の部分で表情を変えています。


このように、顔文字を比べてみると、日本でも欧米でも主に目と口を使って構成するところは共通しいますが、目のパーツに変化をつけて感情を表現する傾向が強い日本人に対し、欧米では口のパーツで表情を変化させることが多いようです。

このことから、日本人は感情を表現するときに口よりも目元を重視し、欧米人は目よりも口元を重視するという傾向があるようです。

アニメのキャラクターにおいても、日本は目が大きく、欧米は口元が大きいことからも、どちらの表現が重視されているかが分かります。

新型コロナウイルスの流行により、マスク着用に抵抗感を抱くことがない日本人は、目でコミュニケーションンをとることが無意識に根付いていて、マスク着用に対して抵抗感を抱く欧米人は口を隠すとコミュニケーションがとりづらいという無意識のストレスを感じているからだと思います。

そして、日本人がコミュニケーションをとるときに、相手がサングラスをかけていると少し抵抗を感じるのはそのような目を見てコミュニケーションをとるということが無意識に根付いているからかもしれません。

「目は口程に物を言う」ということわざも日本にはありますが、日本人にとって目を見てコミュニケーションをとるということは非常に大事なのかもしれませんね。

今回は白目についてのお話でしたが、ここでのキーワードは「ハンティング(狩り)」と「コミュニケーション」だと個人的には思っています。

自分の種を残すためには生存する必要があり、人が生存していくためには「ハンティング(狩り)」する能力が必要だった。そして、生存のためには一人で狩りをするには限界があり、協力をして狩りを行う必要があった。そのためにはコミュニケーションが必要で、相手の表情を読みとる必要があった。それが「人が人間になっていく」ための大切な過程なのだと私は思っています。

AI化が進み、コミュニケーションの必要性がなくなってきている世の中だからこそ、もう一度、コミュニケーションとは何なのかを見直す必要があるように思います。


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