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プッシュアップと腕立て伏せ

みなさんも一度は経験したことのある「腕立て伏せ」、米国や英国では「push- up」または「press-up」という言い方をするようです。最近は日本でも「プッシュアップ」と呼ぶようになってきていますね。

外から観察された運動としては、同じ運動ですが、欧米では「押して体を持ち上げる」「起き上がる」運動という認識で、日本では「腕を立てた状態から伏せる」という認識のようです。

「押して持ち上げる」つまり「起き上がる」運動なのか、それとも、「腕を立てた状態から伏せる」運動なのか。外から観察された運動でも、観察者によってその運動の捉え方は変わる。
これは私の勝手な私見ですが、この背景には、意識に上らない無意識な各国の思想や文化、社会的な背景が隠されていると思います。
その国の歴史、文化が思想をつくり言語をつくる。それによって運動の捉え方も変化するということだと思っています。

「push-up」は欧米の文化とその思想の中でつくりあげられた言語であって、日本人には日本特有の文化、言語があることを考えると、トレーニングも全て欧米の言語に合わせる必要があるのかと思ってしまう。

世界的な共通言語としての英語で、「push-up」という言語を用いることで、「腕を立てた状態から伏せる」という日本人が持っていた特有の感覚、感性というものがなくなってしまうように思う。グローバル化によって、世界の情報を取り入れながらも、やはり日本語は大切にしておきたい。

欧米の言語を日本人が取り入れたとき、その言葉の背景である歴史、文化、思想を理解していないと、本当に理解したことにはならないようにも思う。

グローバル化が進む時代だからこそ、欧米の「押す」「起き上がる」という認識でトレーニングをするだけでなく、日本人の感性である「伏せる」という認識で「訓練・鍛錬」をすることも大切なのかもしれないですね。




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