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「〝買いたい〟を売るな」

まだ、新人営業のときの話。
ある時期になると今でも部下に話す 自分の〝失敗談〟

あれは〝年末〟のある営業日のできごとだった。

閉店まぎわの店に飛び込んできた1人の 〝女性客〟
「いま、車をぶつけてしまったんです!」と
その女性客の〝叫び声〟が
閉店まえで静まりかえっている店内に響きわたる。

かなり、テンパった状態でのご来店だった。

そしてその車は、外装の状態からみてもわかるくらい
塗装の色褪せもひどく、年式も型も古い
おそらくかなり走行キョリもいっているだろうと
思われる車だった。

車の前面から右側面にかけてかなり大きな損傷......。
誰もが〝修理〟の選択はしないだろうというくらいの
状態であった。

幸い、相手がいる事故でも人が絡んでの事故でもなく
単独によるもので
この女性客の姿からもケガなどは見受けられない。

もちろん、当時の自分の〝胸のうち〟はこうだった。
「ラッキー!売れるかもしれない!」
なんて思っていた。

同じような状況で〝ラッキー!〟
思ったことのある営業の方にはぜひ読んで頂きたい。

〝状況を整理しておきます〟
・ご来店の時間も閉店まぎわという時間だった
・車は修理を選択するほど、新しい状態ではない
・なにより車での移動や利用率が高くなる 〝年末という時期〟
・〝きっと納車も急ぐだろう〟 さまざま状況を考えても
これは〝チャンスだ!〟

という未熟な自分の〝営業心〟が同時に動き出していたのは事実だ。
当時の営業としての自分の〝未熟さ〟を
この時期になると今でも思い出し、恥ずかしくなる。

〝この時期〟は事故が増えて似たようなケースの商談が増える。
その度に、部下にこの〝失敗談〟を話し
本当にベストなジャッジなのかを営業に問う。

そして気になるこの商談の行方に戻りますが…….

【以下〝ぼ〟→ぼす 〝客〟→お客様 で書いていきます。】

「修理されますか?いかがされますか?」

「車も古いし修理するのはもったいないですよね.....
  結構かかりますよね?」

「おそらく査定額より修理代の方が高くついてしまうと思われます。   ちなみに車両保険に入られてますか?」

「車も古いし車両保険はかけてません」

「そうでしたか….年末年始はお車ご利用されますよね?」

「はい!ないと困るんです!修理代くらいで買える車ありませんか?」

「それでしたら、即納車可能なものも含め
  何台か御座いますので、ご案内させて頂きます!」

案の定、この流れのまま商談はスムーズに進み、
淡々と〝ご成約〟という運びになった。

言ってみれば〝営業要らず〟の商談ということです。

商談後、1人の先輩から声がかかった。
当時、だれも超えることができない存在で
唯一無二のトップセールスの〝先輩A〟

そして、この時の〝先輩A〟の方からの言葉が
自分の今後の営業人生をを大きく変えることになるとは
想像もしてなかった。

そのとき言われたこととは
「お前のその親身な姿勢と、状況判断能力、素早い提案、
  何より〝なんとかしてあげたい〟
  この気持ちで決まった商談だったな。お疲れさま。」

(内心)あら?褒められた?と一瞬の喜びも束の間、
話はこう続いた。

「でも、お前の中のゴールが〝売ること〟じゃなくなったら
  お前は絶対に化ける。
  俺なら今のお客様には 〝売らない方法〟
  今後も自分のお客様にしてたな。
  早くちゃんと〝営業〟になって楽させてくれよ」と。

このときの〝先輩A〟からのこの言葉がなければ、
営業とは〝売ること〟が仕事!

という考えの未熟な営業のままだったかもしれない.....
この話の〝意図〟がわかってしまったあなたは
〝営業〟に向いてるかもしれません。

ヒントになる過去の〝Xのポスト〟のリンクを下に貼っておきます。
この商談、どのような形で終えるのが〝理想的〟だったのか……
がきっとわかるはずです。

最後まで読んで頂きありがとう御座います。

※注意※
これは、あくまで私個人の経験に基づく話です。
〝商談〟とは正解不正解のあるものは御座いませんので
ご理解頂ければ幸いです。

【 ↓〝ヒント〟になるXのポストです↓ 】


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