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私の関わった人ではないもの(バブちゃん)

今回は私と妹を1年にわたって苦しめてきたバブちゃんについてお話します。

バブちゃん

妹は昔から色々な霊を引っつけて帰ってきていました。そのため定期的に除霊師さんの元へ行き、成仏させてもらっていました。バブちゃんはそのうちの1匹です。

初めて霊を見た(前回のnote)時、実は並行してバブちゃん事件が起こっていました。
数ヶ月は妹だけにしか被害が及んでいなかったため、私の記憶にはありません。ですので前半のきっかけは両親に聞いたこと、後半は私の体験談になってきます。

いつも通り幼稚園から帰ってきた妹は酷く元気がなかったそうです。そして頑なに玄関に向かいたがりませんでした。母がどうしたのかと尋ねると、手足のない赤ちゃんが玄関の前に座ってると言い出したそうです。
妹はよく「2階に黒猫がいる(母も私も猫アレルギーのため猫など飼えない)」等といったことを言っていたので母も慣れてるつもりでしたが、さすがに怖かったと言っていました。
いやいやと泣きわめくものですから、妹を抱きかかえて私を玄関前に待機させ、裏口から母と妹は家の中に入ったそうです。玄関の鍵を開け、扉を開こうとすると妹は「入ってくるから開けないで!」とすごい剣幕で怒ったそうです。母は渋々私をリビングの横の大きな窓から家に入らせました。父にも伝え、裏口から家に入ってもらったそうです。

次の日、再び幼稚園から帰ってきた母は昨日のこともあり裏口から入ろうとしました。しかし妹は動こうとしません。

「今度はこっちにいる」

裏口を指差しそう言ったそうです。
仕方が無いので私たちは玄関から家に入りました。父にも、今度は玄関から入ってくるように伝えていたようです。父はその通りに玄関から家に入ってきました。

そんな攻防が1ヶ月ほど続いたそうです。

その日もいつものように父はどちらの入口から入った方がいいのか母に尋ね、それに父は従いました。
お父さん大好きっ子の私たちはいつも帰ってきた父に「おかえりなさーい」と飛びついていました。
その日もいつも通り、走って玄関に向かった私と妹。私はいつも通り父に飛びつきキャッキャと笑っていたそうです。
しかし妹は違いました。青ざめた顔で父を見つめ、「今ね、赤ちゃんが2階に行っちゃった」と。

妹はそれ以来2階に上がりたがらなくなったそうです。寝室は2階でしたがあまりにも妹がグズるので来客用の布団で妹と母は一緒に寝ていました。

しばらくはそれで落ち着いていたのですが、ある日から妹の様子がおかしくなりました。

「やだ!こっちに来ないで!」
「〇〇ちゃん(妹のこと)は1人で遊ぶの!」
「噛まないでー!痛いよー!」

と1人なのに怒ったり泣いたりすることが多くなりました。泣きながら私のところに来て、「バブちゃんがいじめるの」と助けを求めて来ていたことを記憶しています。

すぐにいつも通っている除霊師さんの所に行き、「さあきっともう居なくなったよ。ただどうもタチの悪い奴だから気をつけてね。」と忠告を受け、家に帰りました。1ヶ月は平和でした。ただ1ヶ月後、私に異変が起き始めました。

私は見えません。一時期ぎゅっと意識をすると見える時期がありましたが、まったくもって見えません。

だからこそ厄介でした。

気を引きたいのでしょうね、私の身の回りのものがカシャンカシャンと落ちるようになりました。別に殺そうとしている訳ではありません。構って欲しいのです。コップや色鉛筆、絵本やお箸がよく落ちるようになりました。(私は落としてないのに私が怒られるためすごく憤りを感じていました)

まあそれくらいならいいのです。

この行為に飽きたバブちゃんは私の身体に噛み付くようになりました。幼稚園でも家の中でも所構わず噛み付いてきます。それが痛いのなんの。

ホラー映画で手を掴まれた部分が痣に…という描写を見たことがあるでしょうか?まんまそれです。噛まれた所を見ると、蛇に噛まれたような痣が出来ていました。それが何箇所も何箇所も。

痛い!と叫んでも離れてくれません。楽しそうにバブちゃんは私に噛み付いてきます。

除霊師さんの所に行っても、数日は良いのですが数日するとすぐに戻ってきます。私の通っていた除霊師さんは、普通のサラリーマンの方だったので仕事が忙しくしっかり祓ってもらうことが出来ていませんでした。
とても優しくて温厚な方でした。が、この後にそんな優しい方をキレさせる出来事が起こりました。

それは幼稚園で起こりました。

私は砂場で遊んでおり、仲良しの女の子にアスレチックで遊ぼうよ!と誘われ走ってそちらに向かいました。
構って欲しかったのでしょうね。
バブちゃんは走っている途中の私の足に絡みつきました。そのまま私はバランスを崩し転んでしまいました。そこがただの砂だったらよかったのですが、ちょうど丸太が突き出た遊具付近で転んでしまい、頭を強打しました。
転けた私はケロッとしていましたが、私の目の前にいた子が青ざめています。どうしたのかと思うと、その子が少し離れた位置にいた先生に向かって大声で叫びました。

「ゾウキンちゃんの頭から血が出てる!」

その後の記憶は朧気です。抜糸が痛かったことと、除霊師さんがブチ切れて家まで来て何だか物凄いお祓い的なことをしていたのを覚えています。

その除霊師さんブチ切れ以来バブちゃんは現れなくなりました。除霊師さんのブチ切れていた姿が怖くて、果たしてあれがなんだったのかも聞けていません。ただ、あれは赤ちゃんではなく蛇だったとだけは言っていました。

今でも当時の傷がおでこに残っています。かなりの針数縫ったそうです。

最初にバブちゃんが現れて約1年
随分と長い間嫌がらせを受けました。

後日談

妹もバブちゃんに関しては少しだけ覚えているそうです。先日久しぶりにバブちゃんの話題があがり、「顔はない、手足がもげた赤ん坊の形をしていたよ。お姉ちゃんのこと大好きだったみたい。お姉ちゃんの傍にずっと居たよ。」と笑いながら言っていました。

大好きだからといって嫌がらせはやめて欲しかったです。

これでバブちゃんの話はお終いです。
次は過去最悪な事件を引き起こした自殺した地縛霊が妹に憑いた話をします。


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