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わずか10ヶ月で黒字化した新卒起業家が語る「ボーダレスで起業」のリアルとは?

池田将太
初期費用0円の太陽光発電「ハチドリソーラー」代表取締役社長
入社4か月目に新卒同期二人と開業資金1,000万円でハチドリソーラーをゼロから立ち上げ、わずか10ヶ月で単月黒字化を達成。現在は日本の自然エネルギー普及率を上げることで持続可能な社会をつくるため、事業拡大に奮闘中。

事業プランを書いてベンチャーキャピタルを回った学生時代

――池田さんはどんな学生時代を過ごしていましたか。

池田: 高校までは、本気でプロ野球を目指していたんですけど、叶わなくて。大学に入ってからは、人生をかけて本気で情熱を傾けられるものをずっと探していました。

その時、JICA出身の教授に誘われて、ミクロネシア連邦の島に訪問することになったんです。現地の人は確かにお金や物はなかったけど、めちゃくちゃ幸せそうで豊かで、その姿を見て国際協力の考え方や幸せの価値観が180度変わりました。

でも調べていくとやはり問題はあって、世界で一番人口流出が多いことが分かりました。島に仕事がないために、働き手が国外へ出て行き、その先で自殺してしまう人もいると聞きました。そこで、島に仕事を作りたい、具体的にはミクロネシア諸島での自然エネルギー事業をやりたいと思っていました。

ミクロネシア連邦で環境教育活動をしていた学生団体(通称:Japanesia)に入団

――国際協力というテーマに出合ったんですね。

池田: 国際協力というテーマは大きくて、人生をかけるにはちょうどいいと思いました。困っている人のためにあったほうが良いことは何でも作ろうと、ミクロネシアのごみ問題のためにクラファンをしたり、留学生と一緒に団体を立ち上げて柏市の小学校に英語教育を提供したり、本当にいろんなことをしました。

活動の一つで、大学の仲間とミクロネシアで環境教育を行っていたのですが、2年目に突然大学からの補助金が打ち切られ、渡航する費用がなくなる事態に陥りました。人の役に立つ社会貢献の活動だとしても、ボランティアや寄付金に頼るのは持続的じゃないと痛感する出来事でした。

困っている人のために継続的に活動するには、自由にお金を動かせるようになる必要がある。それも、仕事自体が問題解決にもつながって、きちんとお金を生む、そういう事業を自分で作るしかないと思うようになりました。

それからは、「国際協力×ビジネス」って検索して、めちゃくちゃ調べました。そのなかでソーシャルビジネス」という言葉に出合い、自分がやりたいのはまさにこれだ!と興奮しました。

――大学卒業後は、どんな仕事をしようと思っていたんでしょう?

池田: 学生時代、僕の周りには、国際協力の学生団体の代表をしたり、すごい先輩がたくさんいたんです。国際協力のために起業する、そのためにビジネスの力をつけると言って就職していきましたが、数年後には国際協力の話をしなくなっていたし、だれも起業に戻って来ませんでした。

だから、僕は就活はしませんでした。就職しても2,30万円の給料では起業資金はすぐに貯まらないし、本当にやりたいわけじゃない仕事をして、数年で起業の力が付くと思えなかったんです。だったら借金してでも起業してみた先にわかることがあると思って、事業プランを書いて銀行やベンチャーキャピタルを回っていました。

でも実際には、八方塞がりでした。やりたいことがあるのに、手持ちのお金はないし、銀行やベンチャーキャピタルを回ってもだめで…。お金もノウハウもないけど、どれだけでも動くし、なんでもするという覚悟はありました。とにかく何から始めたらいいのか知りたかったんです。

社会問題に全力。ボーダレスにヘッドはいない!?

――そんなときにボーダレスを知ったんですね。

池田: たまたま、YouTubeで代表の田口さんが出ているTEDxの動画を見たんです。

「稼ぐことと社会貢献は両立できる」「お金、社会貢献、やりたいこと、家族…。何かを選んで何かをあきらめるんじゃなくて、難しくてもやりたいと思うことを全部やったらいい

僕が思っていたことが、全て代弁されていました。

ソーシャルビジネスという道でたくさんの事業を立ち上げた実績がある、この人に会いたい。会って、自分がやりたいことをやるためにまず何から始めればいいのか聞きたい。そう思って、すぐにボーダレスへメールしました。

ソーシャルビジネスという道でたくさんの事業を立ち上げた実績がある、この人に会いたい。会って、自分がやりたいことをやるためにまず何から始めればいいのか聞きたい。そう思って、すぐにボーダレスへメールしました。

――実際に会ってみて、どうでしたか?

池田: 僕の場合は最終面接でたぐっさんに会いました。オフィスに来てみたら、社長室もないし、みんなの中に普通に座っていて、めちゃくちゃフラットでまず驚きました。

「何の社会問題を解決したいの?」という質問から始まって、僕が関心のある問題について、どうしたら解決できるかとアイデアをたくさん出してくれました。面接っていう感じは全然なくて、面談の間ずっと真剣に向き合ってくれていた印象です。

それは入社してからも変わらない。相談したいときはいつでも時間を取ってくれるし、全力で向き合ってくれます。しかも、その人の考えや方向性を尊重したうえで、そこに近づけるようなアドバイスをしてくれます。また、それを長い間ずっとやり続けていること自体がものすごいことだなと思っています。誰よりも仕事しているけど、偉そうなところもないし、だから人がついてくるんだなと思います。

たぐっさんや副社長の鈴木さんだけでなく、ボーダレスの社長会という場でも、社長全員がイチ起業家として、その人を尊重したアドバイスをしているという共通点はありますね。命令や指導ではないし、意見を押し付けられることも絶対にないです。アドバイスを選択するかどうかは、起業家自身が決めることというのは一貫していますね。

――ボーダレスという仕組みについて、入社後のギャップはありますか?

池田: ギャップはないです。働き方にも進め方にもルールは無くて、インパクトを出すためにやるだけというのは、イメージ通りでした。

入社してみて分かったことは、ボーダレスは本当に起業家のためのプラットフォームだということ。ボーダレスにヘッドはいない。事業立ち上げ支援の機能を持つスタートアップスタジオにたぐっさん、コーポレート部分の支援をするバックアップスタジオに鈴木さんがいて、それぞれのメンバーが役割を果たしている。本当にバランスが良いなと思います。

オープンな雰囲気で、相談したいときはいつでも相談に乗ってくれます。アドバイス全てが本当に重要なことばかりで、1言われたら10吸収するつもりで聞いていて、それだけは誰にも負けない自信があります。創業者のたぐっさん、鈴木さんからは経営するときの心構えを教わることが多いかな。実際の経営に関する細かいこと、財務諸表とかマーケティングは、自分でめちゃくちゃ勉強しました。

あとは、自分が経営するようになって、どうやったらこういう良い会社が作れるのかという点でも二人から学ぶことが本当に多いです。社員がみんなワクワクしていたり、自走していく組織にするために、どんな視点で考えているのか。メンバーにどういうタイミングでなんて声をかけているのか。今もよく質問していますね。

ボーダレスじゃなくても起業はできた、でも…

――ボーダレスはどんな起業家に合うと思いますか?

池田: 本気で社会を変えたい、早くインパクトを出したいという人の集まりなので、実は「ただ自分の会社を持ちたいだけ」という中途半端な気持ちなら、ボーダレスは合わないと思います。

僕自身はこの社会問題だけを解決したいという強いこだわりがなくて、気になったものは全部解決したいので、取り組みたい社会問題が明確かどうかは関係ないです。もちろん、明確に決まっているならそれは強みになります。

それよりも自分が決めたことに100%コミットできる人、自分で決めて自分で行動できる人にとっては、めちゃくちゃいい仕組みだと思います。反対に、手取り足取り、教えを請いたい人は辞めたほうが良い。誰にもそんな余裕はないし、学ぶ意思のある人にしか時間は取らないです。自分が本気なら相手も本気で返してくれる、自分の熱量がそのまま返ってくる環境だと思います。

いろんな仕組みが整っているけど、ボーダレスだから他の起業よりも楽ってことはないです。

――自走できる人なら、あえてボーダレスでなくても起業できそうです。

池田: できるとは思いますが、スピードに圧倒的な差が出ると思います。

僕も仮にボーダレスに入らなかったとしても絶対に起業していました。ただ、事業をゼロから立ち上げて、今と同じ単月黒字のステージに持ってくるまでに3年以上はかかったんじゃないかな。でも社会問題を解決するソリューションなら、早く実装された方が絶対に良いですよね。

僕たちは開業資金1,000万円を受け取るところからスタートしましたが、ここでなければ経営資金を集めるために奔走して事業推進に時間をさけなかったかもしれない。ほかにも、業務提携の契約書一つとっても、行政書士さんに有料で依頼しなければいけないような内容だったところを、ボーダレスのバックアップスタジオが事業の意図を汲み取って、すごい早さで作成してくれます。

事業のアイデアを相談できる環境も整っているし、事業のためにどうすれば実現できるか、一緒に考えてくれる経理や法務の人がいてくれる。スタートアップスタジオやバックアップスタジオの機能って本当にありがたいんですよ。業務委託という関係性ではなくて、事業を一緒に作っている本当のワンチームだと感じます。

池田(左)と採用担当の日野(右)

――良い環境で仕事ができているんですね。池田さんの今後の目標を教えてください。

池田: 一人の社会起業家として、生きてる限り、できるだけたくさんのソーシャルビジネスを立ち上げたい。社会問題に出合ってから解決まで、最短の道筋をたくさん作りたいです。

それも自分たちの事業で出した利益を使って、次のビジネスを作る。たくさん作ったビジネスから出た利益で、これから社会問題に挑戦する起業家たちが、自分と同じようにチャレンジできるように恩送りしたい。本気で挑戦する社会起業家の仲間がたくさん増えたらいいなと思っています。

ハチドリソーラー株式会社 代表取締役社長
池田将太
初期費用0円の太陽光発電「ハチドリソーラー」代表取締役社長
入社4か月目に新卒同期二人とハチドリソーラーをゼロから立ち上げ、わずか10ヶ月で単月黒字化を達成。現在は日本の自然エネルギー普及率を上げることで持続可能な社会をつくるため、事業拡大に奮闘中。

転載元:ボーダレスマガジン


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