「カジムヌガタイ」「砂の剣」などで高い評価を得た漫画家・比嘉慂、初の写真集。
〈カメラを構えずにはいられない。そうすると「私はここよ」「僕はこっちだ」と家々が手招きするように誘ってきた。〉
〈年月を重ねた家のかもしだす風情は、真っ当に暮らしたいと願う人々の誠実な温もりが感じられ、この不条理な沖縄にあっても芯はぶれない、変わらない、まさに風土の心を私は見ているのだと立ち尽くす。〉
幾度も歩いた赤瓦、トタン屋根、アメリカ住宅、墓、U字路、そしてコロナの街。静かに語りかけてくる家並みの風情に深く魅了されていく。
これらの写真を撮影しているのは、「カジムヌガタイ」「砂の剣」「マブイ」など国内外で高い評価を得た漫画家・比嘉慂である。那覇の家並みを撮った、はじめての写真集が登場した。
那覇を歩く、出会う、見えてくる。懐かしい家並みと新しい風景。
「風土の家」をもとめてさまよう、圧倒的存在感を体感してほしい。