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自尊心でものを考えるなと彼は言う
スタートレックの新作を観ていたら、ロミュランの艦長が血気に逸る部下に向かって「自尊心で判断を下すな」と言い放つシーンがあった。スタートレックは初期のころの作品群は再放送で、大人になってからはあらゆる方法で追いかけ続けている作品だ。示唆に富む言葉に溢れていて随分とお世話になり続けているが、今回もまた突き刺さる名言を頂くことになったわけだ。
Wikipediaによると「自尊心」とは、育み維持される自己評価や、あるいは「ありのままの事故を尊重し受け入れる」態度とされている。
ドラマの中では、自尊心の欠如を評価されるとされる結果や行動で埋めようとした副官への言葉だったので、要約すると「自分を満たしたいという欲求に誰かを巻き込むのは違うぞ」という諭しだったようだが、その矢は製作者の意図通りかどうかはわからないが、視聴者である私の胸に突き刺さった。何を隠そう私もまた自尊心に問題を抱えており、それを埋めたいという欲求を抑えられずに多くの大切な人を失ってきたからである。
過去の数々の反省と年齢的なものから、あの頃のように誰かを利用して自分を満たそうとする行為は意識的に抑えることができるようになってきたが、そこに「抑えている」という側面がある以上、本質は何も変わっていないような気もする。そのセリフを聞いたときに「あぁ、俺はちゃんと自尊心を抑えて判断することができているだろうか?」と思ったのも、自分の問題が解決しているわけではないことを何となく気にしていたからだろう。
さて、ドラマの中ではその艦長の忠告にも関わらず、部下は勝手に行動したし、そのせいで艦ごと爆破されてしまうので、何ともいたたまれない結末だったわけだが、一歩間違えば、私もまた自尊心でものを考えて誰かに爆破されるのだということを示唆されているように感じてしまった。
感情を理性で抑えることはできないという脳科学の研究にもあるように、いざとなったら私の理性など軽くあしらわれてしまうのは目に見えているので、やはり今からコツコツと自尊心貯金のようなものをしていく必要がありそうだ。
ちなみに、自尊心は幼少期の親との温かな接点で育まれるものとあるのだが、果たして既におじさんになっている自分にそのチャンスは訪れるのだろうか?(当然訪れない)
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