「うっかり」防ぐ組織とは
こんにちは。ぼーんぐんです。
みなさんはNHK総合バラエティ番組「チコちゃんに叱られる!」をご存じでしょうか。
「好奇心旺盛でなんでも知っている5歳」という設定の着ぐるみの少女・チコちゃんが、大人たちに疑問を投げ掛ける、クイズ形式のバラエティ番組です。
その疑問があまりに素朴でかつ当たり前過ぎるので、かえって答えられないでいると決めセリフが飛び出るのです。
「ぼーっと生きてんじゃねーよ」
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私たちは職場で毎日行っているルーチン業務(繰り返し作業)があります。
毎日当たり前のように繰り返していると徐々にその業務の目的や意義を忘れがちになります。
「何のためにこの作業をしているのか」「分業の意味は何なのか」
組織の入れ替わりに伴い、また、担当業務の引継ぎの際して「作業」のみが受け渡しされると、さらにこの状況は加速します。
そうすると次は「業務の効率化」の名のもとに目的を知らない次世代が作業自体の効率化と題して二人の作業を一人で、1時間かける仕事を30分でとわかりやすい見た目のスリム化に取り組むのです。
その結果どうでしょうか。ケアレスミス増大に繋がっていませんか。
・うっかり
・失念
・思い込み
・ルール違反
人はいい加減な生き物です。自分ルールで動いてしまいます。
大事な業務を疎かにして「作業」と捉えてしまうと幾らでも省力化ができてしまいます。
・作業の途中に電話で呼び出されたんだ
・もっと緊急の仕事が入ったから
・とにかく忙しいから
ミスした時の言い訳も準備しています。
どの職場も人手不足なんです。新しい有能な人材は容易に入ってはくれません。
さらに固定費がかかりますから企業も採用には慎重になり、チームに欠員(離職者)がでても補充せずに一人で何役もこなさないと回らない職場が増えてまいりました。
その結果ケアレスミスが増えることになり「リカバリー処理が増える」負の循環に入るのです。
「忙しいのにちゃんと仕事しろよ」
協力し合うべき職場の従業員間でお互いを非難しだす始末です。
「残念ですね」
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毎日行うルーチン業務(繰り返し作業)は、一人で完結させると一見効率が良いように見えます。しかし人は必ずミスを犯す動物なのです。
・うっかり
・失念
・思い込み
・ルール違反
体調不良、感情の起伏、繁忙日・・普段とは異なる条件が重なることで思いもよらないミスが起こるのです。
職種によっては「人命にかかわる」場合もあります。
医療にかかわる現場で「点滴の中身が隣の人と入れ替わっていた」「処方量が10倍違っていた」テレビのニュースで驚くことがあります。決して「ついうっかり」では済まされないケースですよね。
「何とかミスを事前に見つけられないか」
多くの職場ではケアレスミスの防止策として「ダブルチェック」「クロスチェック」を導入しています。二人一組で時間を決めて声出し確認を行うのです。またはチェックの視点を変えて二重にチェックするのです。
ダブルチェックの目的は「エラーを発見する」こと。
エラーを減らすことではありません。エラーを減らすには根本の対策が必要なのです。
例えば、ミスの根本原因が過度の効率化ではありませんか。
① 作業の制度が下がるから、ミスが発生する
② ミスが発生するから、チェック体制を増やす
③ チェック体制の増加から、多忙になる
④ 多忙になるから、作業の精度が下がる
以下①へ戻り循環する。
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どのような業種でも「取引先からの仕事(受注)」は勝手にはやってきません。
私たちの先輩社員が熱量をもって「仕事(受注)」を勝ち取り今に至っているのです。たとえ定期的に来る「仕事(受注)」であっても必ず来る保証はどこにもありません。疎かにしてはいけないのです。
たった一度のケアレスミスが、取引先からの信頼を失い「仕事(受注)」そのものを失うことだってあり得るのです。
新規取引先の開拓に目を向けすぎて、既存顧客の取引を疎かにしていては、きっと大きな痛手(取引停止)を負うのです。
「顧客満足の向上」の第一歩は約束事の履行です。
決められた納期に、決められた品質で、約束した価格で提供すること。
決して自社の都合で違えてはいけません。
そして「顧客満足の向上」の前には「従業員の満足」と「従業員のご家族」の支えがなくては成り立ちません。
自社の都合ばかりに目を配るのではなく、足元を固めることに注力したいものです。
「ケアレスミスの多い組織は従業員の仕事に対する気持ちの表れ」です。残念な「うっかり」を防ぐには、まず従業員を大切にする組織づくりから。
私はそのように思うのです。
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チコちゃんから素朴な質問が出ます。「なぜ従業員を疎かにして売り上げ拡大できるのか」っと。
そして叱られてしまいそうです。
みなさんは如何お考えでしょうか。
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