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今週の全米No.1アルバム事情 #30- 2020/6/6付

とうとう月も変わって6月。駅ビルのデパートとか行くともうめっきり気分は平常時ですね、皆さん。一応レジの列はソーシャルディスタンスを意識して間を開けてるのがポストコロナを実感するくらい。引き続き兜の緒は締めなきゃですね。

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さて今週末のBillboard 200の1位は、あーやっぱそうかーって感じでThe 1975ではなくてガンナ(本名:セルジオ・ジャヴァンニ・キチンズ)の『Wunna』が111,000ポイント(実売4,000枚)というかなり薄いポイント数で1位初登場。前作の『Drip Or Drown 2』(2019年3位)に続いて2枚目のアルバムで見事初の1位を獲得したガンナ、「ガンナのワンナ」って言葉遊びかよ、って感じなんですが、彼はここまで客演がかなり多いのが特徴で、先週までで32曲のHot 100ヒットの中で一番有名なのがリル・ベイビーとの「Drip Too Hard」(2018年4位)だったりします。でもガンナって基本的に誰にでも好かれる奴っていうか、シーンであまりネガティブな評判を聞かない奴ですね。今回のアルバムの曲も、トラップキツすぎず、ほどよい今風ヒップホップって感じで。そんな感じで先月末からのジョージ・フロイド事件以来全米各地で起きている騒ぎでコロナからの日常復帰の苦労とあいまって社会的な不安がただようアメリカでは、一方でこういうゆるーい感じのヒップホップが求められてるのかも。

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そして先週から言ってるThe 1975の『Notes On A Conditional Form』は今週54,000ポイント(実売39,000枚、当然今週売上ではトップ)で初登場4位でした。本国UKでは4枚目の連続1位をマークして、ビルボードのアルバムチャートでも3枚連続のトップ5、というわけですが、シーンでのこの前2枚の手放しの評価の高さに比べると、今回は賛否両論のようで。何しろアルバムオープニングの曲「The 1975」が基本あのグレタ・トゥーンベリ嬢が今の世界の経済や政治の問題を指摘するスピーチだっていうだけで、うーん、って感じでしょ?
それでもこのアルバム、あの「Helter Skelter」みたいな「People」とか、ゴシック・ポップな「The End」とか、様々な音楽スタイルの楽曲を取り敢えずいろいろぶち込んでみました、的なこれまでのアルバムトータル感をきちっと持っていた彼らのスタイルからはちょっと違う感じ。多くの人が言ってますが、ビートルズの『White Album』的なアルバムっていうのはある意味言い得て妙かも。僕は個人的には過去の2枚を多くの音楽メディアの中でも最も手放しで評価してたロッキング・オン誌がこのアルバムをどう評価するのかな、というのが興味ありますが(笑)。

てなことで今週のトップ10、おさらいしましょう。やっぱり未だにポスティは無印ですね(順位、先週順位、週数、タイトル、アーティスト)。

1 (-) (1) Wunna - Gunna
2 (3) (13) My Turn - Lil Baby ▲
3 (1) (2) High Off Life - Future ●
4 (-) (1) Notes On A Conditional Form - The 1975
5 (2) (2) The Goat - Polo G
6 (4) (4) Dark Lane Demo Tapes - Drake
7 (5) (6) Blame It On Baby - DaBaby
8 (7) (10) After Hours - The Weeknd
9 (6) (12) Eternal Atake - Lil Uzi Vert
10 (8) (38) Hollywood’s Bleeding - Post Malone

さて来週の1位予想ですが、5/29-6/4リリースのラインアップはなかなかエキサイティングですね。今回ヒップホップ系ではめぼしいリリースがないので、ポップ系ではレディ・ガガの新譜、ロック系だとキラーズの新譜あたりが激しくせめぎ合うのでは、と予想してます。特に今週末のHot 100ではレディガガとアリアナの新曲「Rain On Me」が初登場1位らしいので、レディガガ、強そうですね。では来週。

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