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今週の全米アルバムチャート事情 #217- 2024/1/6付

皆さん明けましておめでとうございます!元旦の朝、ここ東京では快晴でとっても温かく、来る一年に大きな期待を抱かせるような、そんな穏やかな一年の始まりでしたね。ただ、元旦から北陸の大地震による被害情報、さらにはJAL機炎上事件など、新年早々大変な事件が続発して大変な状況なのはご存知の通り。ただただ、北陸・新潟の地震で亡くなられた方々、JAL機事故で亡くなられた海上保安庁の5名の方々の心からのご冥福をお祈りすると共に、北越の被災者の皆さんの一日も早い日常への回復を祈念するばかりです。

なお今年もこの「今週の全米アルバムチャート事情!」これまでどおり、毎週その週のビルボード誌の総合アルバムチャート、Billboard 200のトップ10を中心に、100位までに初登場するアルバムの解説を通じて、今のアメリカの音楽シーンの動向を解説する記事にしていきたいと思ってますので、引き続きよろしくお願いします。
また、こちらも例年この時期にやってますが、音楽評論家の吉岡正晴さんとのグラミー賞大予想DJ・トークイベント「ソウル・サーチン・ラウンジ」、今年も1月23日(火)19時からいつもの新宿カブキラウンジでやります。詳細はこの↓吉岡さんの記事をご欄ください。

"1989 (Taylor's Version)" by Taylor Swift

さて2024年最初の全米アルバムチャート、1月6日付のBillboard 200の1位は、先週の予想どおり年末近くのリリースが薄い中で、テイラーの『1989 (Taylor’s Version)』がポイントを98,000ポイント(うち実売61,000枚)と3割近くの対先週比減ながら、今週も首位をキープ、通算5週目の1位を記録しています。先週もお伝えしたように、今週の1位でテイラーの1位滞在週数合計が68週となって、エルヴィスの67週を抜いて1956年のBillboard 200スタート以来の首位滞在週数ランキングでビートルズ(132週)に次ぐ単独2位となりました。もうこのアルバムも5週目1位だし、年初であまりネタもないので(笑)、これまでのテイラーのナンバーワン・アルバムとそれぞれの1位週数を時系列でおさらいしてみましょう。アルバムタイトルの後のカッコ内は1位になったチャートウィーク、*は1位継続中のアルバムです。

  1. (11週)Fearless ▲10 (2008/11/29 & 12/27-2009/2/7 & 28-3/14)

  2. (6週)Speak Now ▲6 (2010/11/13-20 & 2011/1/1-22)

  3. (7週)Red ▲7 (2012/11/10-24 & 12/22-2013/1/12)

  4. (11週)1989 ▲9 (2014/11/15-29 & 12/13-20 & 2015/1/3-24 & 2/14-21)

  5. (4週)Reputation ▲3 (2017/12/2-16 & 2018/1/6)

  6. (1週)Lover ▲3 (2019/9/7)

  7. (8週)Folklore ▲2 (2020/8/8-9/12 & 10/3 & 31)

  8. (4週)Evermore ▲ (2020/12/26-2021/1/2 & 16 & 6/12)

  9. (2週)Fearless (Taylor’s Version) (2021/4/24 & 10/16)

  10. (1週)Red (Taylor’s Version) (2021/11/27)

  11. (6週)Midnights ▲2 (2022/11/5-12 & 26-12/10 & 2023/6/10)

  12. (2週)Speak Now (Taylor’s Version) (2023/7/22-29)

  13. (5週*)1989 (Taylor’s Version) (2023/11/11-18 & 12/9 & 30-2024/1/6*)

新作アルバムでも旧作の再録盤でも関係なしにナンバーワンに送り込んでくるテイラーのパワーはちっとも陰りを見せてないので今後も出せばナンバーワンは堅いでしょうね。彼女がどのくらいの間キャリアを積んでいくかは今は不明ですけど、彼女が過去15年ほどで68週積み上げたということは、次の15年で同じペースで積み上げていくとビートルズを抜いて歴代1位になる可能性があるということです。15年後テイラーは49歳。決して非現実的なシナリオではないような気がしますがどうでしょうか。

予想されたことではありますが、年末年始のリリースの薄さのため、今週はトップ10はもちろんのこと、100位までの圏外そして先週同様、200位までにも初登場は一枚もありませんでした!2週連続200位まで初登場ゼロというのは記録かもしれませんので、ちょっと調べておきます。

"The Greatest Christmas Hits" by Pentatonix

その代わり、今週のチャートの集計期間はまだクリスマス・ウィークエンドを含んでいるので、トップ10にはマイケル・ブブレや今回4位に上昇してこれまでの最高順位5位を更新したナット・キング・コールやこちらもこれまでの8位の最高位を更新して7位に入っているフィル・スペクターのクリスマス・アルバムなど、5枚のクリスマス・アルバムがランクインしています。中でも圏外60位から一気に10位にジャンプアップしているペンタトニックスの『The Greatest Christmas Hits』はこれまでの最高位13位を更新して初のトップ10入りを果たしてます。ただ、来週のチャート集計期間はクリスマスの後なので、これらのアルバムは来週のチャートではきれいに消えてるでしょうね。ということで今週のトップ10のおさらいです(順位、先週順位、週数、タイトル、アーティスト、<総ポイント数/アルバム実売枚数、*はHits Daily Double調べ>)。

1 (1) (9) 1989 (Taylor’s Version) - Taylor Swift <98,000 pt/61,000枚>
*2 (4) (117) Christmas ▲6 - Michael Buble <78,000 pt/4,381枚*>
3 (2) (3) Pink Friday 2 - Nicki Minaj <66,000 pt/7,790枚*>
*4 (8) (81) The Christmas Song ▲6 - Nat King Cole <64,000 pt/1,511枚*>
5 (5) (43) One Thing At A Time - Morgan Wallen <60,000 pt/4,808枚*>
6 (6) (12) For All The Dogs - Drake <57,000 pt/168枚*>
*7 (14) (38) A Christmas Gift For You From Phil Spector - Various Artists <56,000 pt/1,316枚*>
*8 (10) (124) Merry Christmas ▲9 - Mariah Carey <56,000 pt/2,504枚*>
9 (3) (62) Midnights ▲2 - Taylor Swift <53,000 pt/24,000枚>
*10 (60) (8) The Greatest Christmas Hits - Pentatonix <51,000 pt/2,457枚*>

クリスマス・アルバムが山盛りな最後の週になる2024年最初の「全米アルバムチャート事情!」いかがでしたか。最後にいつものように来週の1位予想ですが(チャート集計対象期間:12/29-1/4)、当然この時期なので目立った新譜もなく、来週は8万ポイントくらいまで下げるでしょうが、来週もテイラーの首位キープになりそうです。ではまた来週。

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