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私はここにいるのに…半人前?透明人間?

ちょうど1ヶ月くらい前、ある整形外科の先生が、難聴の患者さんがスマホの音声認識で説明を聞いてた、ってツィートが話題になりました。さ

そのことが「まいどなニュース」に取り上げられ、

私の激推しアプリ #udトーク  が詳しく紹介されました。

元ツイートのコメントにも難聴当事者からの「こんな場面で使ってます」などのコメントがたくさん載ってま
した。

で、私。
病院での診察は、自分の受診、家族の付き添い、、常にUDトークと共に、です。
わざわざ手話通訳さんに来てもらうほど、手話がよくできるわけでもなく、お話を文字で見れる安心感。
ドクターや看護師さんがマスクしてたって、ノー問題。

ただ、ここで実は「障害者あるある」が発生することが多いのです。
それは、、
ドクターや看護師さん、いろんな方が、そこに私がいるにも関わらず、「聞こえる」人に向けて話す、ということ。

通訳さんがいれば、私にでなく、通訳さんに。
家族がいれば、私にではなく、家族に。
例えそれが、子どもだったとしても。

私たちは耳で相手の言葉を聞く代わりに、手話通訳や音声認識を通して、話を「聞きます」
話の内容を理解する方法が、音声なのか、手話なのか、文字なのか、の違いだけなのですが、音声で伝えることしかイメージできないと、音声で伝えることのできる相手だけを相手にしがちです。
手話通訳さんの場合は「私(通訳)にではなく、ご本人に向けて話してください」と言ってくださる場合もありますが、家族の場合、なんとなくそのまま、家族が私の代わりに聞く、ということが多くなります。

「誰が聞いたっていいやん、後で教えてもらえれば」って思われるかもしれません。

でも、ちゃんと理解する能力はあるのに、「音声」が聞こえないっていうだけで、なんだか、一人前と認められず、説明をする価値のない、半人前扱いをされているような気持ちになってしまうのです。

とはいえ、「聞こえる娘にではなく、聞こえない私に向けて話してください!」とはお願いしづらいのが現状。
だから、「私の病状を娘に向けて説明をするドクターの話を音声認識アプリで盗み聞き?して、内容を知る私」になるのです。

でも、このツイートされたドクターは、「こういう方法で話を聞く人がいる」ことを驚きと共に知ったわけで、、。つまり、方法さえあれば、ちゃんと伝えられる、ということも理解されたわけです。
そして、そのツイートから話が広がり、それを読んだ人も、そういう方法があることを知っていく、、素晴らしいこと!!

で、実は私の身近にはすでにそれを実践してくださってるドクターがいらっしゃいます。

かなり前に、noteでも書きました。

伝えるツールは誰のため?|ぶーみおちゃんぷ @boomio1919 #note
https://note.com/boomiochamp/n/nc4fefe5f2d51

補助犬啓発動画「どこでも行こう!補助犬たちとのインクルーシブな社会」
https://youtu.be/gplaume2fJk
にもご協力いただいた、自宅近くの耳鼻科クリニック。

ほじょ犬ウェルカムシールも貼ってくださってるクリニック入り口

先生は、私が1人で受診する時はもちろん、聞こえる家族が一緒にいても、ちゃんと私に話してくださいます。
先日、発熱外来を受診した時も、同行した主人に説明しつつも、ちゃんとポケトークも使って、私が蚊帳の外にならないようにしてくださいました。

そう、その「蚊帳の外にしない」
これって、私たちが一番望んでいることなのです。

職場で同僚とランチをしている時
休憩時間に何気ないおしゃべりをしている時
家族でご飯を食べている時
わざわざ伝える「べき」話なんて、ないかもしれません。
だけど、私たちはその「何気ない会話」から取り残され、蚊帳の外に置かれがちです。

「えっ、なに??」と割り込もうとも、
「別に、なんでもない」と言われてしまうことも。
もちろん悪気はないでしょうし、本当に大したこと話してないのかもしれません。わざわざ聞き返されても、何話してたっけ?みたいな感じなのかもしれません。

でもやはり、寂しい。

自分に向けられた時だけしか、
自分に向けられた話だけしか、
分からない、というのはやはり寂しい。

いつも書いているのですが、UDトークやポケトークは私たちが話を聞くツールである、と同時に、話を伝えるためのツールです。

耳鼻科クリニックの先生は、自ら「伝える」ツールとして使ってくださってます。

ツイートの整形外科の先生も、患者さんが「聞く」ために使ったツールを、次は「伝える」ために使ってくれるかもしれません。

コミニュケーションツールは双方向のためのもの。
だからこそ、聞こえる人たちももっともっと知ってもらって、使ってもらいたいのです。

そのためにも私はあちこちで使いまくってます。
先日も合鍵作製を頼む時、カウンターの上にスマホ置いて、UDトーク。
受付時は「??」だった担当者、受け取り時はスマホを意識して話してくれ、誤認識してるのに気づいて、ちゃんと言い直してくれました。

「知ってる人」増量ミッションクリア!

ドラマなどでUDトークを使うシーンがあったりしたことで、画面を見てすぐに「あれだ!」という人も増えましたが、こうやって、地道に使うことで「知ってる人」を増やしていくことはとても大事。

ツールそのものを知ってもらうことももちろんですが、そういう方法もある、ということ、そういう方法を使ってる人もいる、ということ。それを知って欲しいのです。

多くの人は、自分たちと少し違う特性を持った人を前にすると、どうしたら良いか分からなくて、つい、見ないふりをしたり、いないかのように振る舞ったりしてしまうことがあります。
そんな時、私たちは透明人間になった気持ちになるのです。
「私は、ここにいるのになぁ」って。

どうか、目を瞑らず、耳を塞がず、気がつかないふりをせず、知って欲しいと思います。
そういうことが、「多様性理解」ってことなんじゃないかな、と思うのです。

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