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UDトークがすごすぎて内容が頭に入らなかったファイトソング最終回のこと

聴神経腫瘍の手術の後、失聴した主人公へのサポートツールとして我らが(笑)UDトークが大活躍!っていうことで、見始めたTBSドラマ「ファイトソング」

最終回前までイッキ見した興奮は先日、noteでも書きました。

ドラマ「ファイトソング」|ぶーみおちゃんぷ @boomio1919 #note #テレビドラマ感想文
https://note.com/boomiochamp/n/ne0b53e1250dd

「最終回でも、UDトークがチラッと出るらしい」って聞いたので、「これはきちんとレポートせねば!」と、放送が始まるのをテレビの前で正座して待っていました。

が!!

始まるや否や、UDトークフル回転で、私の興奮は、「狂喜乱舞」となり、FBで、「すごーい、すごーーい!!」って雄叫びあげることとなり、レポートどころではありませんでした。
正直、内容が全然頭に入らなくて、とりあえず、エンドクレジット流れる頃には、「とりあえず、みんなハッピーエンド?」っていう感じでした。

で!!

日は経ち、今さらですが、録画を見ながら、再検証!!

まず最初のエレベーターに閉じ込められたシーン。
使われてましたねぇ、UDトーク。
それまでは1対1みたいな使い方でしたが、ここでは、トークを共有。

閉じ込められたりエレベーター内の3人を上から見た画像。手元にスマホ画面
UDトーク画面


ここでキモだと思ったのは、慎吾が芦田さんに話しかける時もちゃんとUDトークを通して花枝が聞けて(見えて)ること。

エレベーター内の3人の様子画像

花枝に向けて話しかける時にUDトーク使うのは分かりますよね、そのために使ってるのだから。
で、聞こえる人同士なら、UDトーク使う必要はありません。
でも、ちゃんと使うことで、慎吾が話した言葉が花枝にも理解できる。
これって実はなかなかやってもらえないことなんです。
聞こえないAさんと、聞こえるB、Cさんがいる場合、Aさんに向けた話や関係してる内容だと通訳してもらえたり配慮してもらえたりするのですが、BさんとCさんのやりとりは通訳してもらえないことが多いんです。
Aには関係ないから、ってことなのでしょうが、でも聞こえていたら、同じ場にいる二人のやりとりをAさんは聞くわけですよね?聞いた上で、関係ないから聞き流す、とか、場合によっては口を挟むことだってできます。
でも聞こえないと、それができない。
「関係あるかどうか」を勝手に決められてしまう。

でもこのUDトーク使いの配慮で聞こえないAさん(花枝)もその場を共有できるんです。

そこまで考えてのシーンなのかどうかは分かりませんが、この3人のトーク共有が素敵だな、と思ったのは、この慎吾の「大ヒット、おめでとうございます!」の一言が大きかったです。

慎吾のセリフシーン画像

あとは、芦田さんが花枝に話しかけてる時、慎吾が自分のスマホを見ていたのにも目が止まりました。

花枝に話しかける芦田さん。慎吾はスマホを見てる

まさか、まさかだけど、誤認識修正とかしちゃってる?なんて。
スマホを口元に持っていって、お見本のような使い方だし、ゆっくりはっきり話してるから誤認識もほとんどなかっただろうけど、この、「トークに参加しつつ誤認識の修正もできる」ってUDトークのいいところ。
ふと、そんなことを思いました。

それと、UDトークとは関係ないですが、慎吾が防災センター?みたいなところとインターホン越しにやりとりするシーン。
やりとり終えて、慎吾が花枝に「OK!」、花枝が「ありがとう」
たったこれだけですが、花枝は自分でインターホンでやりとりすることができない、ってことがわかる人には伝わったかと。
私たち聞こえない人にとって、この「インターホン越しのやりとり」ほど不便なものはありません。
でも色々なところの無人化や遠隔化によって、こーゆーこと増えてるんですよね。
私的には花枝の「ありがとう」の後に、「私一人だったら、連絡できなかった」っていうセリフがあったら、「!」って気づいてくれる視聴者も増えたんじゃないかな、、なんて思ってしまいました。
(シナリオにまで口を出すのか!って感じですが 笑)

次は「あさひ学園」のメンバーが揃って話すシーン。
気づきましたか?テーブルの上の集音マイク!

5人がテーブルを囲むシーン
テーブル上の集音マイク

私も持ってる、複数人で話すときの大事なツール。
もちろん同時に話さない、などの配慮は必要ですが、一人一人がスマホに向かって話すより、自然におしゃべりできます。
ここまで出すかぁ、すごいな岡田恵和さん!
しかも、その後のこれ↓

どう、どう、どう、のところUDトーク画面

馬をなだめる時みたいな「どうどうどう」が「道道道道、、、」。
誤認識だけど、ふりがながあることで伝わっちゃう。
認識が完璧でなくても「伝える」という目的ははたせるのだってわかるシーンでした。

最後はもちろんクライマックスの告白シーン。

字幕を映したプロジェクター横に立つ芦田さんが花枝に話しかけるシーン

まさかのプロジェクター字幕投影!!
もちろん、花枝の他に聞こえない葉子さんもいたから、っていうこともありますが、エレベーターの時みたく、スマホのトーク共有でよくない?って思うかもしれません。(小っ恥ずかしいし)

でも、全然違うんです。
これだと、ちゃんと顔を見て話を聞ける(字幕を読める)じゃないですか!!
ちょっと視線をずらすだけで、芦田さんの顔や表情を見ながら言葉を読める。
これは花枝にとってサプライズだったから、花枝からのリクエストではありません。
「伝える」側の芦田さんが、ちゃんと伝えたい、という気持ちで準備したこと(もちろん慎吾のサポートで)。

ここでも、UDトークは「聞こえない人が話を聞くために使うもの」であると同時に、「聞こえない人に話を、思いを伝えるために使うもの」ということが伝わってくる気がします。
(そこまで考えてのシーンかどうかはわかりませんが。)

まぁ、この告白のログを残しておくことは、賛否両論あるかと思いますが(笑)、これもUDトークの正しい使い方だなぁ、と。
ほんと、UDトークの取り扱い事例集みたいなドラマでした(笑)

これまでの、聞こえない人のドラマ、といえば、やはり「手話」というイメージだと思います。
「愛してると言ってくれ」
「君の手がささやいている」
「星の金貨」
古くは
「名もなく、貧しく、美しく」ってところでしょうか。

でも今回は手話は出てきません(ジェスチャーはありますが)
そのことに対してネットでは「聞こえなくなって2年も経つのに、本人も周りも手話を習得してないのが違和感」というような声もありました。
でも、私なんて聞こえなくなって30年になるけど、日常で手話使うほど身についてないし、もちろん周りもそんなに使いません。
聞こえない人が多くいて、手話が共通語になるうる環境であれば、中途失聴でも手話の習得もアリでしょう。

でも花枝のように手話話者も周りにいない環境で、自分も音声日本語が母語、な場合、本人にも周りにも「真新しい言語」になる手話をわざわざ身につけるよりも、「音声日本語」を「音声」でない方法、書くとか、認識させる、とかして伝えることを考える方が自然なんじゃないかな、と思うのです。
ましてや時代は進化し、使えるツールもたくさんあるのですから。

もちろん手話を身につけることで、今までよりも世界が広がることもあるでしょう。
でも「伝える」「伝え合う」ことを第一義に考えるなら、この2年後のシーンで手話をペラペラ使っていたら、むしろその方が違和感を感じたんじゃないかな、と思うのです。
そんな意味でも、このドラマは、前クールの「恋です!ヤンキーくんと白杖ガール」が「弱視」などへの認識を広めたのと同じように、「聞こえない人=手話」のイメージを覆した、とも言えるかもしれません。
手話も音声認識字幕も、「伝える」ためのツールの一つなんだ、と、多くの人に伝わるといいなぁと思います。
(その点で、視覚障害者のための音声ガイド、副音声も欲しかったな、というのが残念ではあります。)

長くなりました。
最後の最後のおまけ。
ラストの花枝と芦田さんのデートシーン。

あれはうちから数分の和光樹林公園。(このnoteのタイトル画像も樹林公園。)
子供が小さいときはバーベキューやったり、犬たちと遊びに来たり、、馴染みの公園です。
そのシーンに、「美術協力」として練馬産アプリ「UDトーク」のテロップ。
地元民としては大満足のエンディングでした!!

皆さんもUDトーク、ダウンロードしてみてくださいね。
聞こえない人だけでなく、翻訳機能を使って外国人にも話しかけられますよ〜。


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