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今週のおすすめ本 vol.17

店舗とオンラインストアで取り扱っている本から、おすすめのタイトルを紹介するマガジン「今週のおすすめ本」。

今回は、「sceneの定番本」というテーマで、店舗やオンラインストアでよく手に取って頂いている既刊本をいくつかご紹介します。


安達茉莉子『私の生活改善運動』

「これでいいや」で選ばないこと。「実は好きじゃない」を放置しないこと。

日常において何気なく使っている、タオル、ゴミ箱、本棚といった道具たちを、本当に自分の納得がいくものに選び直していき、選択肢がなければ自分で作る。小さなところから少しずつ、自分の暮らしをより良いものにしていくことについて綴られたエッセイ。
本屋生活綴方で刊行されていた、リソグラフ印刷のZINEを書籍化したものです。発売されてもうすぐ2年になりますが、今でもよく手に取って頂いています。


青木海青子『不完全な司書』

奈良県東吉野村にひっそりとたたずむ「ルチャ・リブロ」は、自宅の古民家を開いてはじめた私設の図書館。このルチャ・リブロの司書が綴る、本と図書館の仕事にまつわるエッセイ。

新刊本が再入荷した際にいつもSNSでお知らせしているのですが、毎週のようにラインナップに入っているタイトルです。この半年ほどで一番リピート注文している本かもしれません。
内容はもちろんですが、名久井直子の装丁の素晴らしさも、手に取りたくなる要因なんじゃないかと思っています。


永井玲衣『水中の哲学者たち』

みなが水中深く潜って共に考える哲学対話。 「もっと普遍的で、美しくて、圧倒的な何か」 それを追い求めて綴る、前のめり哲学エッセイ!

「なぜ人を傷つけてはいけないのか?」「働くとはなんなのか?」といった普遍的な問いについて、みんなで意見を交わしながら深く考えていく「哲学対話」を学校や企業など様々な場所で行っている永井玲衣さんのエッセイ。
「哲学」という言葉に、「頭の良い人が小難しいことを言っている」といったとっつきにくい印象を持っている人に、ぜひ読んでほしい1冊です。


長田弘『私の好きな孤独』

「孤独」はいまは、むしろのぞましくないもののようにとらえられやすい。けれども、本来はもっとずっと生き生きと積極的な意味だった。

詩人・長田弘さんが「孤独」をテーマに綴ったエッセイ。まずタイトルが惹かれますよね。手に取りたくなる気持ちはわかります。旅に出る時、バッグに忍ばせたいのはこんな本だと思います。
オリジナルの単行本が刊行されたのは1996年という、とても息の長い1冊です。


山田英夫(編)『書痴まんが』

ちくま文庫からシリーズで出ているオムニバスのまんが短編漫画集。他にも『貧乏まんが』『孤独まんが』などあります。
漫画家さんのチョイスが絶妙で、ベテランから実力派の若手まで、1冊で様々な漫画家さんの作品が読める、とてもお得なシリーズです。


宮地尚子『傷を愛せるか 増補新版』

たとえ癒しがたい哀しみを抱えていても、傷がそこにあることを認め、受け入れ、傷の周りをそっとなぞること。過去の傷から逃れられないとしても、好奇の目からは隠し、それでも恥じずに、傷とともにその後を生きつづけること―。

トラウマ研究の第一人者による、人の心の奥底に潜む「傷」についてのエッセイ。とても印象的な表紙の写真は、宮地尚子さん本人によるもの。
しばらく版元で品切れになっていましたが、最近増刷されてsceneの棚にも帰ってきました。



今回は「sceneの定番本」というテーマでした。内容については「間違いない」良作揃いですので、自信を持っておすすめします。
新しくなにか読み始めてみたいけど、次に読む本がなかなか選べないという方は、今回のラインナップの中からチョイスしてみるのはいかがでしょうか。


取り上げた本は、店頭、オンラインストアで販売しています。在庫数は限られているため、売り切れの際はご容赦ください。
本の取り置きや、在庫がない本の取り寄せも承りますので、お気軽にお申し付けください。それではまた次回。


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