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【オンラインショップ更新】特集 植物の絵本

おはようございます◎
金曜日!
古本とがらくた paquet.オンラインショップ更新のお知らせです。

今週の特集は「植物」
日差しが春めいてきたこのごろにぴったりな絵本を紹介します。

「根っこのこどもたち目をさます」
ジビレ・フォン・オルファース
 絵
ヘレン・ディーン・フィッシュ 文
石井桃子
 訳

2003年3月10日 童話館出版 発行

今回のテーマにぴったりなタイトル。
帯にも書いてありますが、オリジナルは1906年出版。ドイツの絵本の話になれば必ず名まえが挙がる、オルファースの古典絵本です。

表紙ではシルエットになっている、彼らが「根っこのこどもたち」
春が近づくころ地面の下でおこなわれる春のしたくの物語ですが、わたしは一読してどうして表紙の彼らがシルエットになっているのかに気づき、あらためてこの絵本が大好きになりました。

彼らといっしょに、たのしい春を迎えてね。


「ちいさいタネ」
エリック・カール
 作
ゆあさ ふみえ
 訳

1990年12月 偕成社 発行

みんな大好きエリック・カール。
彼が得意とするコラージュの技法を使ったカラフルでたのしい一冊です。

このおはなしの主人公は「ちいさいタネ」
秋、風に乗って旅に出たタネたちのなかに、とくべつ小さいのがいました。
仲間といっしょに氷の山や海や砂漠をこえて、どこに花を咲かせるのでしょう。

エリック・カールの作品が優れていることはだれもがしっていますが、わたしは彼の著作について、本当のことがシンプルに描かれてある作品が際立ってすてきだと思います。
「ちいさいタネ」もそのひとつ。カラフルでたのしい世界観ですが、タネが危険をおかして旅をし、その地に宿って花を咲かせ、やがて散り、またあたらしいタネが風に乗って旅立っていく。そのことをこういうふうに描ける人を、彼以外に思いつきません。
大好きな作品です。


「花むすめのうた」
フランチェク・フルビーン
 作
イジー・トウルンカ 絵

ちの えいいち 訳

1984年7月20日 ほるぷ出版 発行

チェコを代表する芸術家であり、絵本、人形、アニメーションと多岐にわたる分野で活躍したイジー・トウルンカ。

絵本作家としては60タイトル以上の絵本を出版し、1968年には「ふしぎな庭」で国際アンデルセン賞を受賞した彼ですが、邦訳された作品は意外にも少なく、現在ではそのほとんどが絶版となっています。
本作「花むすめのうた」も数少ない邦訳絵本のうちの一作。

人形作家としての顔を感じさせる絵柄の「花むすめ」を主人公にしたおとぎ話は、おなじくチェコで詩人・童話作家として活躍したフルビーンの文章によって文学的な雰囲気に仕上げられています。

独自の発展を遂げたチェコアニメや東欧の文学がお好きな方にはとくに響く作品だと思います。


「葉っぱのきもち」
ヨゼフ・グッゲンモース
 文
イルムガルト・ルフト 絵

ひらの きょうこ 訳

1989年12月25日 ほるぷ出版 発行

本物の「葉っぱ」が使われた、デザイン性の高い絵本。
主人公は「葉っぱ」です。
物語のなかで、葉っぱは「おさかな」になって海を泳ぎます。

「タンポポの葉はさかなのからだに、いちょうの葉っぱはしっぽになりました。きれいなさかなが、これまでどこにもいなかったすばらしいさかなが、うみをおよいでいます。」

ナチュラルな色使いの絵にしずかな文章が添えられた、シックな雰囲気の良書。
こういう雰囲気の絵本はめずらしいと思うのですが、どうでしょうか?


「木のうた」
イエラ・マリ 作
1997年12月10日 ほるぷ出版 発行

イタリア・ミラノ生まれのグラフィックデザイナー、イエラ・マリ。
彼女は1967年からの十数年間に8冊の絵本をつづけて出版し、その後人前に出ることなく、しずかに暮らしました。
代表作は「りんごとちょう」「あかいふうせん」そして「木のうた」
すべて文字のないことが特徴とされる絵本たちです。

本作では、一本のおおきな木がすべてのページのおなじ位置に据えられ、季節の移り変わりとともに木そのものや木をおとずれる動物たちの行動が変わっていくようすが描かれます。

あの木は今どんなふうかな?これからどうなっていくんだろう?
読者は絵本のページをめくりながら、公園や道にある身近なお気に入りの木を思い浮かべるはず。
いつまでも古びることなく読み継がれていく名作だと思います。



「じめんのうえとじめんのした」
アーマ E.ウェバー 文・絵
藤枝澪子 訳
1968年3月1日 福音館書店 発行

最後は物語ではなく、科学の絵本の名作を紹介します。
オリジナルは1943年。アーマ E.ウェバーというアメリカの植物学者の方が描いた、長い間世界中で読まれているいちばんやさしい自然科学の本です。

愛らしいイラストにのせて語られる、地面の上と下に住む動物と植物──つまりすべての生き物と、太陽と土からつくられる栄養の関係性について。
まだ自然界のしくみがわからない小さな子でもたのしく読むことができ、やがてわかるときが来るまで、本棚で待っていてくれるような一冊になると思います。

オンラインショップでお買い物をされたお客様には購入特典として、わたしの個人的な読書記録をまとめた小冊子「なにかよむもの」を一回のご注文につき一冊同封してお届けします。

残り少なくなってきたので、気になる方はぜひ!
新商品は今夜21時に販売開始です。

今週もご注文お待ちしております◎

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