【オンラインショップ更新】特集 わたしの好きなかわいい絵本
おはようございます!
今日のオンラインショップはいつもと少し趣向を変えて……
「わたしの好きな絵本」をピックアップして掲載してみました♩
出店しているとよくきかれる「おすすめはどれですか?」「お姉さんはどういう絵本が好きですか?」という質問。
絵本のお話ができて嬉しいので、お客さまの好みをお聞きしながらいろいろとお話させてもらうのですが、春のイベントを控えた今、一度わたしの好きな絵本についての記事を書くのもいいかなあ、と思って。
倉庫から発掘したお気に入りの絵本たちを紹介します♩
「お茶においでになった女王さま」
ヘレン・ブラッドレイ 文・絵
暮しの手帖翻訳グループ 訳
1984年9月10日 暮しの手帖社 発行
一冊めから変わり種というか、絵本らしい絵本ではないのですが、まさにわたしのタイプなので紹介します。
英国の画家ヘレン・ブラッドレイによる、自身が子どもだった19世紀はじめの古きよき英国の暮しと風景をお孫さんに見せるために描いた絵が収録された、画集のような雰囲気の絵本。暮しの手帖社「暮しの絵本」のシリーズです。
ヴィクトリア女王が亡くなり、あたらしい女王、アレクサンドラ女王が生まれたロンドン。マンチェスターの市場の賑わい、女性参政権運動、移動遊園地……ブラッドレイさんが生きたイギリスを体感できるような、いきいきとしたすばらしい絵の数々が大判の絵本でたのしめます。
「スティーヴンソンのおかしなふねのたび」
ナンシー・ウィラード 文
アリス&マーティン・プロベンセン 絵
ひらのけいいち 訳
1990年9月10日 ほるぷ出版 発行
花のみやこの ロンドンも
スコットランドの ふるさとも
これでおわかれ グッドバイ
ふねのおやつは マトン・パイ
ふなあしかるく ふねはゆく
バターミルクいろの 空のした
めざす港は ニューヨーク
1887年の夏、ロバート・ルイス・スティーヴンソン──「宝島」や「ジーキルとハイド」を書いた、わたしの大好きなイギリスの小説家です──は、貨客蒸気船「ラッドゲード・ヒル」号に乗り、ロンドンからニューヨークへと旅をしました。
この絵本はスティーヴンソンの船旅を題材に、子どもの本に限らず小説や詩やエッセイを書いて高い評価を受けているナンシー・ウィラードが節のついた歌のような文をつけ、「かえでがおか農場シリーズ」でしられるプロベンセン夫妻が絵をつけた、物語というよりかは旅先からの絵葉書を冊子に綴じたような──ふしぎな雰囲気の作品です。
内容ももちろんですが、わたしは絵本の最後に添えられているスティーヴンソンがニューヨークのアディロンダックス、サラナック湖で書いたいとこへの手紙が本当に大好き。
そこには、スティーヴンソンが思う、幸福とはなにか、充足とはなにかがかんたんな言葉で綴られているのですが、読むたびに頷いてしまいます。
偉大な小説家スティーヴンソンの、幸福な船の旅。
彼の内面を身近にかんじられる、たのしい一冊です。
「THE YELLOW HOUSE きいろい家」
ブレイク・モリスン 作
ヘレン・クレイグ 絵
清水奈緒子 訳
1990年1月 初版発行 第2刷(1990年)
セーラー出版
とくに意識したわけではなかったのですが、三冊連続でイギリス人作家の絵本になってしまいました……たぶんイギリスが好きなのだと思います。
毎日通りかかる古ぼけた「きいろい家」が気になった女の子が、ある日こっそりと庭に忍び込んでみるところからはじまる不思議な物語。
写真家ヘレン・クレイグによる銅版画がうつくしく、文をつけたブレイク・モリスンはサマセット・モーム賞を受賞した詩人とのことで、絵・文ともにやわらかで叙情豊かな雰囲気を感じられます。
隠れた名作というか、こういう雰囲気のある絵本をたくさん並べられるような古本屋になりたいです。
「ウサギのいえにいるのはだれだ?」
ヴェルナ・アールデマ 文
レオ・ディロン、ダイアン・ディロン 絵
やぎたよしこ 訳
1980年5月15日 初版発行 第4刷(1982年)
ほるぷ出版
あまり詳しくはないのですが、アフリカ民話は気になるジャンル。
マサイ族に伝わる「Long One」という民話をヴェルナ・アールデマが再話し、レオとダイアンのディロン夫妻によって目を惹くかわいい絵をつけられた本作は、内容の良さもさることながら絵本の構成にあるしかけがあり、絵本ってこんなふうにたのしめるんだ!とびっくりした一冊です。
あらためていうことでもない気がするけれど、絵本って子どものためだけのものじゃないですよね。絵本の古本屋は、わたしにとって本当にたのしい仕事です。
「フルリーナと山の鳥」
ゼリーナ・ヘンツ 文
アロイス・カリジェ 絵
大塚勇三 訳
1974年12月6日 岩波書店 発行
最後はわたしにとって外せない絵本作家、カリジェの作品を紹介します。
安野光雅さんが紹介したこともあり、日本でも人気があるのでしっている方も多いと思いますが、彼は1966年に第1回国際アンデルセン賞画家賞を受賞したスイスを代表する国民的画家のひとりです。
同郷の女性作家、ゼリーナ・ヘンツと組んで出版した絵本作品は今も世界中で読まれ、愛されつづけています。
本作はカリジェとヘンツの代表作「ウルスリのすず」の主人公、ウルスリの妹であるフルリーナを主人公にしたファンタジー。
うつくしいスイスの夏の自然を背景にフルリーナと山の鳥の交流が描かれます。
彼の故郷トゥルリには、街中に彼が手がけた壁画があるそう。
いつか行ってみたいです。
新商品の販売開始は今夜21時から◎
お買い物をされたお客様には購入特典として、わたしの個人的な読書記録をまとめた小冊子「なにかよむもの」を一回のご注文につき一冊同封してお届けしています。(ありがたいことに残りわずか!なくなり次第終了です。)
最後に、春のイベント情報です!
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、一年ほどイベントでの出張販売をお休みしていましたが、3月より感染予防対策をおこなったうえで各イベントでの販売を再開することにしました。
★3月28日(日) たちばな大木戸ひなた市(愛知県名古屋市日置神社)
★4月18日(日) 美殿町 本 通り2021春BOOK MARKET(岐阜県岐阜市美殿町の古本屋「徒然舎」さん前)
★4月24日(土) 名古屋アンティークマーケット(愛知県名古屋市東別院境内)
お近くの方は無理のない範囲でぜひ遊びにいらしてください◎
ほかにも調整中のイベントがありますので、情報解禁次第告知していきます!
今週末もご注文お待ちしております!
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