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理系の勉強が全くできなかった人におススメしたい「マンガと図鑑でおもしろい! わかる元素の本」

古本屋のカウンターで「こづち」を手にカシャンと値段を貼り、品出し作業しているときに「ふ」と手が止まりました。今、まさに手にした本が、店主の苦手分野を克服するのを手伝ってくれる本だと直感的に感じたからです。その本の名は「マンガと図鑑でおもしろい! わかる元素の本」という本。

以前より、店主は人体や科学の本を読んでいて、分子や原子についての基本的な知識な備わっていないことに気がついていました。だからそれらの本を読んでも内容を本当には理解できない。これに悩んでおりました。悩みを解消するために化学や科学の入門書を読んでも、なぜか分子や原子の知識が頭の中には入ってこない。テニスにおいてラケットの複雑な動きを見分けることはお医者さんよりもできるのに、理系の勉強で必要な基本的なことが中学生よりもわからない。これを何とかしたかった。しかし、その店主が理解できなかった分子や原子についての基礎的な知識を、この本がわかりやすく簡単に補完してくれました。

この本の雰囲気は脱力系「ゆるふわ」マンガ。記憶喪失になった宇宙人と人柄がいいおじいちゃん博士が元素記号を集める旅に出るというストーリー。宇宙人が地球に来た目的は元素記号を全て集め本に記載するという如何にも学習漫画的な展開ですが、なにせ「ゆるふわ」な展開なので、理屈っぽい店主も疑問を挟むことなくその世界観にハマれました。ただし、その肝心の元素についてはしっかり学べるところが素晴らしく、このギャップが魅力のひとつとなった事は間違いありません。

この本で学べることは、物(気体も)は分子でできており、分子は原子でできており、原子は陽子と中性子と電子でできており、陽子と電子の数が同じで中性子の数だけが違う原子をまとめて元素という。元素には名前がついており、それらを周期表として並べることができる。

理解してしまえば何でもないことでしたが、店主はそもそも原子と元素の違いも理解できていなかったんですよね・・・。どうしてこんな簡単なことが頭に入らなかったのか今となっては本当に謎ですが、おそらく原子と元素という名前が似ていることも混乱する原因だったかもしれません。

ただ、この件では過去の自分を責めるよりも、この本の素晴らしさを紹介したいと思いました。深く考えることが好きな人に哲学的思考を導いてくれる本も素晴らしいですが、勉強が苦手な人が学問の基礎を理解できるよう手助けしてくれる本も貴重です。学生時代の勉強をやりきらず、人生において後悔している人にぜひ読んでもらいたい一冊です。

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