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『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』日本人のための「カタカナ英語」マスター本!

池谷裕二さんの『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』を読みました。英語学習に悩む多くの日本人にとって、まさに救世主のような一冊と言えるでしょう。

著者は、アメリカ留学中に偶然編み出したという「カタカナ英語」。それは、日本人の発音の特性を考慮し、ネイティブにも通じるよう工夫された発音法です。たとえば、"animal"は「アニマル」ではなく「エネモウ」と発音するのだとか。一見、意味不明な音の羅列に思えますが、そこには「日本人に最適化された法則」が隠れているのです。

本書の特徴は、著者自身の赤裸々な体験談にあります。留学当初、カタコトの英語では日常生活にも困難を極めたそうです。「話す」「聞く」はおろか、「読む」「書く」すべてにおいて、英語はまさに七面鳥の敵。しかし、悶々とした日々の中で、ふと閃いた「カタカナ英語」のアイデア。それを実践し、ネイティブとの対話を重ねる中で、実用的なメソッドへと昇華させていったのです。

「英語の発音なんて、日本人には無理ゲーでしょ」と嘆く人も多いはず。しかし、池谷さんの体験は、そんな私たちに希望を与えてくれます。「日本人の脳は、英語向きに作られていない」のではなく、「カタカナ英語なら、私にもできる!」と勇気づけられる思いがします。

英語学習の常識を覆す「13の法則」

本書の白眉は、「カタカナ英語13の法則」の提示でしょう。母音・子音の発音から、アクセント、文章の組み立てまで、日本人が陥りがちな英語の落とし穴を、著者独自の視点で分析。そこから導き出されたのが、この「13の法則」なのです。

たとえば「『l』の発音は、舌を歯で軽く噛む」「『o』の発音は『オ』ではなく『ア』に近い」など、一見すると "ありえない発音" に思えるかもしれません。しかし、実際に声に出して練習してみると、その法則の正しさに唸らされます。今まで教わってきた発音とは真逆のことをするのは勇気がいりますが、それこそが「カタカナ英語」のミソなのです。

また、「リエゾン(単語と単語の音が融合すること)」や「子音の脱落」など、英語特有の発音ルールも丁寧に解説。日本語には存在しない発音だからこそ、意識的に学ぶ必要があるのですね。池谷さん曰く、こうした「変化球」にもしっかり対応できるようになれば、リスニング力も飛躍的に向上するのだとか。

笑いと驚きに満ちた実例集

本書のもう一つの魅力は、ふんだんに盛り込まれた「カタカナ英語」の実例の数々です。

「ナイス トゥ ミーチュー(Nice to meet you)」 「レッツ テイキットゥ イージー(Let's take it easy)」 「ワッツ ゴーウィン オン?(What's going on?)」

一見、意味不明に思える言葉たち。でも、声に出して読んでみると「あれ? 通じる!」という感覚を味わえます。最初は頭で理解するのが難しくても、口を動かしているうちに自然と身についていく不思議。まるで、魔法にかかったようなワクワク感が味わえるはずです。

時折、思わずクスッと笑ってしまうようなユーモアあふれる表現も登場。「英語の勉強」というと、ついつい身構えてしまいがちですが、本書なら楽しみながら学べるのが嬉しいポイントです。アメリカ人の友人から「君のカタカナ英語、すごく自然で心地いい!」と絶賛された著者。私たち読者も、きっとそんな喜びを感じられるに違いありません。

発音の秘訣は「なまり」にあり!?

ただし、いくらカタカナ英語が画期的だからと言って、むやみに濫用してはいけません。本書では、日本人の英語の特性を分析した上で、「こういう場合は、このカタカナを使うのが効果的」という「使いどころ」が丁寧に解説されています。

たとえば、日本人が苦手とする「L」と「R」の使い分け。英語教師からは「舌の位置を意識して」などと言われますが、そんな指導で身につく日本人は稀でしょう。そこで池谷さんが提案するのが「Lは舌を噛む、Rは舌を丸める」という具体的な方法。なるほど、こうすれば混同せずに発音できる! と膝を打つアドバイスの数々には、思わず唸ってしまいます。

また、「完璧な発音」にこだわるあまり、かえって不自然になってしまう危険性についても指摘。母語のクセを完全に捨て去るのではなく、「日本語なまり」を逆手に取ることこそが、自然で通じやすい英語への近道なのだそうです。

脳科学から探る「バイリンガル」の謎

さらに、巻末の「理論編」では、言語習得と脳科学の関係についても踏み込んだ考察が展開されています。日本語脳と英語脳の違いから、バイリンガルの脳のメカニズムまで、言語を使うことの不思議に、改めて目を見張る思いです。

特に印象的だったのは「言語は声に出していなくても使っている」という指摘。私たちは英語を「学習」していく中で、無意識のうちに母語の影響を受けているのだとか。だからこそ、意識的に「カタカナ英語」に切り替えていく必要があるのですね。

また「バイリンガルは、使う言語を瞬時に切り替えている」という事実にも驚かされます。まるで、脳内にスイッチがあるかのように、状況に応じて言語を使い分ける。そんな達人技を支えているのが「運動系の脳」だというから、またビックリ。言葉を操るのは高度な知的作業だと思い込んでいましたが、意外にも体を動かすのと同じメカニズムが働いているようです。

落ちこぼれ英語オンチの再起をかけた物語

「英語の本なのに、涙も笑いもある人生ドラマ!」というのが正直な感想です。著者の壮絶な体験談は、まるで一篇の青春小説のよう。英語の壁にぶつかり、挫折を味わいながらも、諦めずに道を切り拓いていく姿に、思わず胸が熱くなります。

何より、「私は英語とは無縁の人間なんだ」という意識から解放される読後感が心地よいです。英語習得は一朝一夕にはいかず、地道な努力の積み重ねが肝心だと頭ではわかっていても、なかなか行動に移せないのが悩み。そんな中で「カタカナ英語」という新しい視点を得て、「もう一度チャレンジしてみよう!」とやる気が湧いてくるから不思議です。

日本人だからこそ伝えられる「英語の面白さ」

英語を学ぶ楽しさ、そして英語でコミュニケーションする喜び。それを日本人の視点から伝えてくれるのが、本書の大きな魅力だと感じます。単なるハウツー本ではなく、「こんな風に英語を使ってみたい!」というワクワク感を呼び起こしてくれる一冩です。

英語を使えば、世界がグンと広がります。アメリカ人の友人との会話はもちろん、ちょっとした海外旅行のシーンでも、「カタカナ英語」さえあれば臆することはありません。むしろ、片言の英語で必死に話す日本人に、現地の人は親近感を覚えてくれるのだとか。著者の体験談を読むと、「英語を使って世界を旅してみたい!」と思わず心が躍ります。

一歩踏み出すための「勇気」をくれる一冊

日本人にとって、英語習得の道のりは決して平坦ではありません。しかし、「カタカナ英語」という新しい地図を手にした今、私たちはもう進むべき方向がわかります。たとえつまずいても、この本を開けば「もう一歩前に!」と背中を押してもらえる。そんな頼もしい道しるべとなってくれることでしょう。

勇気と希望、そして何より「英語を学ぶ楽しさ」を教えてくれる一冊。英語学習に悩むすべての人に、ぜひ手に取ってもらいたい本です。使える「カタカナ英語」の例文が満載なので、明日からすぐに実践できるのも魅力。私も練習を重ねて、いつか池谷さんのように「ペラペラ」を目指したいと思います!

すぐ使えるカタカナ英語20選

  • It's on me. (イッツ オンミー) : おごりよ

  • I'm home! (アイム ホーム) : ただいま

  • Hang in there. (ハング イン ゼア) : しっかりね、元気出して

  • What a bummer. (ワッタ バーマー) : ガッカリだね

  • No way! (ノー ウェイ) : ありえない!

  • Let me see... (レッミ スィー) : えーと、ちょっと考えさせて

  • It's up to you. (イッツ アップ トゥ ユー) : 君次第だよ

  • I can't believe it!(アイ キャント ビリーブ イット) : 信じられない!

  • I'm all ears. (アイム オール イアーズ) : 話を聞かせて

  • It's a piece of cake. (イッツ ア ピース オブ ケイク) : 朝飯前さ

  • Back to square one. (バック トゥ スクエア ワン) : 一から出直し

  • Don't push your luck. (ドント プッシュ ユア ラック) : 調子に乗るな

  • What's the catch? (ワッツ ザ キャッチ) : 何か裏があるんじゃ?

  • That's the way the cookie crumbles.(ザッツ ザ ウェイ ザ クッキー クラムブルズ) : そういうものさ

  • I'm keeping my fingers crossed. (アイム キーピン マイ フィンガーズ クロスト) : 祈ってるよ

  • Let's call it a day. (レッツ コール イット ア デイ) : もう今日はおしまい

  • He is a hard nut to crack. (ヒー イズ ア ハード ナッ トゥ クラック) : 扱いにくいやつだ

  • Break a leg! (ブレイク ア レッグ) : ガンバレ!

  • There is no such thing as a free lunch.(ゼア イズ ノー サッチ シング アズ ア フリー ランチ) : ただより高いものはない

  • Speak of the devil. (スピーク オブ ザ デビル) : 噂をすれば影

本書を片手に、ぜひカタカナ英語の実践を楽しんでみてください。最初は戸惑うかもしれませんが、体が覚えるまで繰り返し練習することが肝心です。そうすれば、いつの日か「英語が口をついて出てくる!」というステキな体験ができるはず。私も含め、英語オンチの皆さんにエールを送ります!


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