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店主と、本のある暮らし August 2022

こんにちは。いどうほんやKOKOです。
Instagramにて連載中の、【店主と、本のある暮らし】を
noteにも投稿していきたいと思います。

本との出会いや、交流のきっかけになればとても嬉しいです。


北極サーカス

August 1, 2022

今日の札幌は雨ですが、このところ暑い日が続きました。
暑い夏の日に、涼を求めて絵本を読むのはいかがでしょう。

さむい季節に、氷のくにからやってくる、まっ白いサーカスのお話です。
サーカスに登場するのは、北極の、白い毛皮の団員たち。
青と白と黒で描かれた不思議な世界は、ひんやり涼しさを運んでくれます。
不思議で愉快で、なぜだか少し悲しみを帯びた、夢見るようなサーカス。
よく見ると、不思議なのはサーカスの団員だけじゃなさそうです。

サーカスを観たことがない人も、サーカスといえば思い浮かぶものがありますよね。
綱渡りや空中ブランコ、曲芸をする動物たちや、道化師。
巨大で怪しげなテントの中で、観客を非日常に誘い、魅了していくサーカスに、ちょっぴりかなしさやさみしさを覚えるという方も、少なくないのではないかと思います。

自分の知らない不思議なものに出会うと、不安になるからでしょうか。
その歴史や動物たちのこと、サーカスを題材にした切ない作品などに、思いが及ぶからでしょうか。
故郷を離れて移動するからでしょうか。

「どうしてサーカスが悲しいの?」と子どもに聞かれたら、なんて答えようか。
そうやって、一緒に考えるきっかけをくれるのもまた、絵本のいいところだなと思います。

さて、涼しくなっていただけたでしょうか。
やっと夏らしくなったと思ったら、もう数日後には立秋ですね。
立秋の前日、節分に、南幌町でイベントを行います。
その名も、「KOKOdeカクテルサーカス」

週末に駄菓子屋さんを開いている南幌ガレージさんに、バーテンダーと本屋が登場。
不思議で愉快な、でも、ちっとも悲しくない、サーカスです!
ショータイムもお楽しみに♫

詳しくは、ハイライトの出店情報をご覧ください。

***
『北極サーカス』
著:庄野 ナホコ
発行:講談社 2018年初版


キャンプでしたい100のこと

August 8, 2022

みなさん、キャンプで何をしますか?

ご飯は何にする?
何して遊ぶ?
タープって他の張り方できないの?
キッチンのレイアウトどうする?
忘れ物しちゃった!!

キャンプにはハプニングも付き物ですよね。

万年キャンプ初心者の我が家では、キャンプ関連の本や雑誌をついつい買ってしまうのですが、この本は、もしかするとこれ一冊で十分なのでは?と思える読みごたえです。

試行錯誤こそキャンプの醍醐味、キャンプに失敗はないと言い切るこの本。
すでに楽しんでいる方も、初心者の方も、キャンプの楽しみを見つけられていない方も、きっと楽しめる一冊です。
かわいいイラストも、わくわく記聞を盛り上げてくれますよ。

と、投稿しようと思っていたら、偶然、お客さまが買って行ってくださいました!
今年はまだキャンプに行けていないの、とのこと。
今度のキャンプで、楽しんでいただけますように!
嬉しい嬉しい!ありがとうございました。

気になった方、次の入荷までお待ちください。

***
『キャンプでしたい100のこと』
編集:フィグインク
発行:西東社 2021年初版


一緒に生きる 親子の風景

August 12, 2022

子育ての真っ最中のわたしが、密かに楽しみにしていること。

それは、いつか、子育てを振り返って、
「あっという間だったなあ」
「もっと一緒に遊べばよかった」
「あんなに悩まなくてもよかったよね」
と、懐かしく思う日を迎えることです。

子育ての先輩方はみんな、口を揃えますね。

だから、
そっか、そんなものなのだな。
今はそう思っている余裕はないけれど、苦行のように感じる日だってあるけれど、かけがえのない素晴らしい時間だったって、切なく思い出す日が来るのだろうな。
それって、すごく幸せなことなんじゃないだろうか。
と、思うのです。

一見、後悔の言葉のように見えるけれど、そうではなくて、かけがえのない思い出を味わえる、幸せの証の言葉として、言ってみたい。
その時々を一所懸命過ごしたことを、認めてあげられる自分でいたいと思います。

そしてきっと、その時わたしも、
「今しかないよ」
「それって大したことじゃないよ」
と、後輩にアドバイスするのだろうな。
ふうん、今はそんなの無理!って思いながら、聞いてもらえたらいいな。

この本は、そんな、子育ての先輩に出会える一冊です。

歌人・東直子さんが、子育て中の人の気持ちが少しでも楽になってほしい、子育てはもっと自由であっていいという思いを込めて綴られたエッセイには、子どもとの暮らしの中にある、優しさやあたたかさや切なさがふんわりと漂っています。
そして、引用される詩や短歌の味わいとともに、じんわりと胸に染み入ります。

今子育て中の方にも、もうひと段落したという方にも、きっと楽しんでいただける一冊です。

***
『一緒に生きる 親子の風景』
著:東 直子
イラスト:塩川 いづみ
発行:福音館書店 2022年初版


星どろぼう

August 20, 2022

綺麗な星空がみられそうな、空の広い場所にいます。
今夜は星が見られるでしょうか。

そんな日の一冊。

星にさわってみたくて仕方がない泥棒は、
ある日、空にはしごをかけて星をさわってみます。
そして泥棒は、全ての星を盗んでしまいます。
村人たちは、空にたった一つ残った月を守ろうと考えます。
さて、星泥棒を捕まえることはできるのか?
空に星は戻るのか?

空に星を戻す方法が、とにかく素敵です。
最後のシーンも、いいなあ。

アーノルド・ローベルさんが描く、星も、素敵です。

だんだん晴れてきました。
今日は星が、見られるといいな。

***
『星どろぼう』
文:アンドレア・ディノト
絵:アーノルド・ローベル
訳:八木田宜子
発行:ほるぷ出版 1978初版


月ようびはなにたべる?

August 22, 2022

第2、第4月曜日は、札幌市月寒にある商業施設、ブランチ札幌月寒に出店させていただいています。

飲食店も多く入っていて、お店番をしていると、いい匂いがしてきます。
ああ、おながかグウグウなってきました。
全部美味しそう!!

食べるのが好きな店主が選ぶ本は、食べ物に関するものも多くなりがちです。

『月ようびはなにたべる?』
これは、アメリカのわらべうたに、エリック・カールさんのユーモアが加わった、楽しい絵本です。

ごはんは楽しい!
好き嫌いがあったって、食べムラがあったって、遊び食べがあったって大丈夫!
おなかのすいたこ、みんなおいで!

さあ、なに食べる?

ついでに、なに読む??

***
『月ようびはなにたべる?』
絵:エリック・カール
訳:もり ひさし
発行:偕成社 1994初版


しぜんのかたち せかいのかたち

August 25, 2022

今日から、篠路駅東口にて、まちづくりの社会実験「シノロリビングvol.2(@shinoroliving )」が始まりました。

まちづくりと言っても、道路や建物だけではなくて、まちの空間をどのように使いたいか、使うことができるか、そんなことを考えるための実験です。

まちの設計、それは建築家のお仕事かもしれませんが、このような実験をとおして、まちをみんなで考えていく、みんなで作っていく、誰でも参加することができるというのは、とてもワクワクします。

そんな今日は、建築家の絵本をご紹介。

近代建築の巨匠のひとり、アメリカの建築家フランク・ロード・ライト氏の生涯をもとに生まれた絵本『しぜんのかたちせかいのかたち』です。

小さな頃から自然に親しみ、全てのものには美しいかたちがあると気づいたライト氏は、周りの自然を見て素晴らしいと感じるのと同じように、素晴らしい建築を作ろうとしました。
そして、自然から切りはなすのではなく、とけこむような建築を目指したそうです。

「さっぽろ・ふるさと文化百景」に選ばれている、「旧小熊邸」を設計した田上義也氏も、ライト氏に師事した建築家の一人です。
(「さっぽろ・ふるさと文化百景」といえば、シノロリビングは、百景の一つ「篠路駅周辺の倉庫群」前で開かれています。)

スイス生まれの建築家、ル・コルビュジエの絵本も入荷しています。

現代のまちは、彼ら巨匠たちの影響を受けています。
これからのまちはどうなっていくのだろう。
こんなまちがいい、こんなふうだったらもっといいと、巨匠たちも、あれこれ考えて試していくことから始めたのではないでしょうか。

試す機会があるというのは、
良いことだなと思います。

***
『しぜんのかたち せかいのかたち』
文:K.L.ゴーイング
絵:ローレン・ストリンガー
訳:千葉茂樹
発行:BL出版 2018年初版


あいうえおの本

August 27, 2022

心ひかれてやまない、安野光雅さんの『あいうえおの本』

木で組み立てられたように描かれた、あいうえおの平仮名と、その文字から始まる言葉の絵が描かれた、とても美しいデザインの絵本です。

でも、よく見ると、とても不思議な絵なのです。
安野さんご自身が、エッシャーに影響を受けたとおっしゃっている不思議な絵は、あっという間に非現実の世界に連れて行ってくれます。

シノロリビングでは、篠路駅前に、非日常の空間が出来上がっています。
今は非日常でも、いつしかこの空間が少しずつでも、どこか一つでも、形を変えながら日常になっていくのだろうかと想像しています。

***
『あいうえおの本』
作:安野 光雅
発行:福音館書店 1976年初版


たべられるしょくぶつ

August 31, 2022

野菜の日。
(なんとかすべりこみ投稿です!)

以前出店先で、「『食べられる庭図鑑』とか『たべられるしょくぶつ』とか、食べられる本が多いわね」と言われたことがあります。
その方がおっしゃいました。
「でも大事よね、食べられるって」と。

そう、大事!

実際に野菜を育ててみたり、収穫体験をしたりするのは、普段食べている野菜の生きる姿を知る、とても良い機会ですが、楽しい思い出だけで終わってしまうともったいないなと思います。
絵本は、そういった“体験”だけでは体験しきれないものを補ってくれることもありますよね。

この絵本、KOKOの中でも、よく手にとっていただいている絵本です。
食べものに興味をもち始めたお子さんから、家庭菜園をなさる大人の方まで、会話がはずんでいますよ!

***
『たべられるしょくぶつ』
文:森谷憲
絵:寺島龍一
発行:福音館書店 1972年初版

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