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読んだ本の感想

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卍丸的な読書感想文集
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#フランス文学

『黒いチューリップ』 アレクサンドル・デュマ

『黒いチューリップ』 アレクサンドル・デュマ・ペール(大デュマ) フランス文学 1850年作 …

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Memoirs of Hadrian

回想とは、過去あるいは歴史における己の生への賛歌だろう。 誰かの頬をつたう涙はその讃歌の…

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僕にとってのエルノー文学の魅力

はじめに7作品を読んでみて、今感じているエルノー文学の魅力 ①欲望の蕩尽性 ②個の全体的な…

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場所 アニー・エルノー

ヨーロッパの長い貴族社会の歴史を振り返れば、だからこそナポレオンのフランス革命があったり…

8

善悪とr>gを超えたヒューマニズム

はじめに8月に、少し前に流行った本、フランス経済学者トマ・ピケティの『21世紀の資本』を再…

10

偶然と必然、偶然と運命 ②闘争領域の拡大

前回、書いたとおり、偶発的事象が必然あるいは運命として捉えられるには、僕の考えでは、ひと…

6

Liberté Paul Eluard

ダダイズム、シュルレアリスムをアンドレ・ブルトンらとともに牽引したフランスの詩人。 妻のガラとサルバドール・ダリを訪問した際、ガラとダリが惹かれ合い、ガラはダリの元へ。 彼女が生涯ダリのインスピレーションとなったエピソードは有名である。 エリュアールのこの詩が好きだ。 なぜか強く惹きつけるものがある。

空の青み

どうしてバタイユ読むと元気になるのか、 ずっと青空が気にかかってしょうがなかったのか 理由…

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太陽肛門

著者 ジョルジュ・バタイユ 訳 酒井 健 出版 景文館書店 久しぶりにメチャクチャに感性に…

3

服従

著者 ミシェル・ウエルベック 訳 大塚 桃 出版 河出書房新社 発行2017/05/15 ウエルベッ…

2

マダム・エドワルダ/目玉の話

著者 ジョルジュ・バタイユ 訳 中条 省平 出版 光文社古典新訳文庫 初バタイユ。 バタイ…

6

地図と領土

著者 ミシェル・ウェルベック 訳 野崎 歓 出版 筑摩書房 2013/11/25 第一刷 ウェルベック…

4

無知

著者 ミラン・クンデラ 訳 西永 良成 出版 集英社 2001年3月31日 第1刷 1968年のチェコ…

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中二病の俺の駄文の耐えられない軽さとGipsy Kings

縦書き版真面目な簡易的感想集英社文庫版とfolio 英語版を読んだ後の再読として、著者が最終版としたフランス語版決定版の翻訳である河出書房新社版を読んだ。 また、中欧の歴史やドゥプチェク元大統領、ハヴェル元大統領らの著書を併読。 キッチュとは切り離せられない人間の実存に迫るクンデラの想いを僅かに受け取れた気がする。 永劫回帰や偶然と必然を反キッチュとのコントラストとして取り上げているが、やはり、突き詰めると、二項対立的な境界は曖昧であり、曖昧だからこそ人生における重みや軽さ