古寺と須賀敦子と室生犀星
気付けばホテルの部屋は暗闇に包まれ、窓の外の高層ビル群は光彩を放ちはじめていた。
冬の上海は寒暖差が激しいように感じる。
この数日あまり天候も冴えない。
どんよりとした雲が空を覆い、時には冷たい霧雨が街に立ち込めるときも増えた。
下に見えるアスファルトに所々まだ水たまりが残っていて、時々ビルのネオンや行き交う車のランプを反射させている。
少し歩かないといけないけれど、静安寺が行ける距離にある。
空海も遣唐使として訪れている寺は3世紀の三国時代に由来するほどの歴史を持つ。