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とるにたらないこと

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覚書のようなメモのような日記のような、とるにたらないこと
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#あらゆる戦争に反対します

とりとめのないこと2024/04/20 追憶

俯く寒芍薬──尊厘と儚さを纏う控えめなその姿に見惚れていた。 花言葉は〈追憶〉だそうだ。…

卍丸の本棚
2か月前
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とりとめのないこと2024/02/24

僕の両親は少し変わっていて、僕が子どもの頃、別居、離婚、紆余曲折の末になぜか再婚した。 …

卍丸の本棚
3か月前
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とりとめのないこと2024/01/25-02/02

 見渡す限り、山々が連なり、氷河の名残とともに牧歌的でのどかな風景が広がる。見通しのつか…

卍丸の本棚
4か月前
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とりとめのないこと2024/01/17

吐く息は白く、街灯が点々とする夜の中へと消えていく。 夜を見上げると、灯りと灯りのあいだ…

卍丸の本棚
5か月前
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とりとめのないこと2023/11/01-11/03

 古くからの都市計画に沿って区画整理された街、バルセロナを一望するかのような教会、サグラ…

卍丸の本棚
7か月前
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とりとめのないこと2023/09/24 夕べに

日曜日。日が暮れ始める頃、妻が一昨年から育てているいちじくにひとりごとを言いながら水をた…

卍丸の本棚
9か月前
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とるにたらないこと2023/08/01

満月の一日手前、さよなら28歳、こんにちは29歳───今年は単身赴任先でひとり誕生日を迎えた。 誕生日の前日、僕は家族の平穏を頼みに友人の眠る場所へ行ったりもした。 運がいいのか、これまで、祝ってくれる誰かと常に一緒に居たのだが、こうしてひとりで粛々と迎えるのも悪くないものだ。 これから一年、どう最後の二十代を走るか。 25歳の時、結婚する一年前、遠距離恋愛だった当時の妻にフラれそうだった僕は、彼女に偉そうな目標をいくつか語っていたような気がする。 私の辞書に不可能という文

とりとめのないこと2023/07/10 故郷を想うひと

時々、雨の音が聴きたくなる。風なんて吹いていないんじゃないかと思うほどに湿気がまとわりつ…

卍丸の本棚
11か月前
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とるにたらないこと2023/06/08

「寄り添う、共感」に懐疑的になる。 不幸マウントなんて言葉があるのを知った。何だかな。人…

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とりとめのないこと2023/06/03

中欧文学者、須藤輝彦さんの文章を紹介したい。 須藤さんはヨーロッパ周縁、主に中欧の歴史文…

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とりとめのないこと2023/05/20 マルテの固有の死とヤスパース

昨日、久方ぶりにヤスパースの『歴史の起源と目標』を読んでいた。 産業革命以降、利便性の一…

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とりとめのないこと2023/03/20 185日目の一日一篇須賀敦子───須賀敦子さん没後25年…

一通のメッセージ───「おはよう。 ご存知かもしれないんだけど、今日は須賀敦子さん没後25…

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とるにたらないこと2023/02/25

あらゆる存在における恒久的非暴力による共存可能な思考交流ネットワークモデルをぼんやりと考…

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とりとめのないこと2023/02/11-13

ここ数日、ある方に教えていただいた坂口ふみさんの本を家族にも教えてあげたくて、じっくり読んでいる。 ちょうど、エマニュエル・トッドさんの新刊を読み進めていたり、トッドさんの過去の論を読み返してみたりしていたせいか、そこと繋がる。 ヨーロッパとヨーロッパ周縁の歴史とそこに横たわる宗教、そして家族構造といまのヨーロッパとその周縁、ひいては日本とその周縁。 日本とその周縁、というよりも、中国とその周縁とした方がいいのかもしれない、と思わなくもない。 日本社会は、臭いものには蓋