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『夜明けのすべて』健康な人を基準に働かされる我ら

私の中で「小説」ブーム到来(?)
今回読んだのは、瀬尾まいこ『夜明けのすべて』。

読んだ感想をちょこっと書きます。

みんながみんな、健康優良児ってワケじゃない

この本は、PMS(月経前症候群)に悩む主人公と、20代半ばでパニック障害になった職場の男子を中心に話が進む物語です。

病気を抱えているため、二人とも「ちゃんと働く」のが難しく、会社をやめています。悩んだ末に小さい会社に転職し、この二人は出会います。
この小さな会社で、二人はいろいろなことにもがきながら、自分らしく働く方法を一生懸命見つけ出そうとしています。

最近、つくづく思うんですよね。
会社で働くルールって、「超」健康な人を基準に作られてるよなーって。

私は健康そうに見られますが、非常に疲れやすい体質です。
夫と比べると、驚くほどすぐ疲れます。
年を追うごとに8時間働き続けるのも、しんどく感じています。
「ほとんど在宅勤務」なのにです。

「なんで疲れるの?」って思います。

「20代、30代と同じリズムで働くのはしんどいわよ」と言いたくなりますが、60歳過ぎのシニア社員が元気そうに働いているのを見ると、やっぱり私は体力がないというか、気力がないというか…。

健康な人には何でもないかもしれませんが、1日8時間、週5日働き続けるって、体が丈夫でないとツライです。

「大企業の部長以上の人」と「大物政治家」に聞いてみたい。
激務でも倒れない秘訣、なんですか?
あなたがたの武勇伝より、「健康維持の秘訣」を教えてほしい。

管理職に就く女性って、体の不調に見舞われないの?

今の日本社会は、女性管理職の割合を増やそうと躍起になってますよね。

でも、中高年女性と言えば、更年期障害で悩んでいる人も少なくないはず。

私の職場でも、女性管理職の人はとても増えていますが、女性管理職の方々は、体の不調を抱えてないんだろうか…と思ったり。

日経新聞の記事によれば、50代の約4割の女性が更年期障害の可能性があるとのこと。

「更年期障害」の可能性があると考えている人の割合が50代女性で38.3%に上る

「更年期障害「ある」、50代女性38%・男性14%」日経新聞2022年6月17日

更年期障害の説明として、以下のように書かれてありました。

女性の場合、主に40~50代の閉経前後10年間ほどが更年期に当たる。ホルモン減少などで動悸(どうき)や発汗、頭痛、疲れやすさ、意欲の低下といった症状が出る。男性も同様の症状が表れるが、ホルモンの減り方が女性より緩やかなため、加齢に伴う体調不良だとして見過ごされるケースも多いとみられる。初期の症状はだるい、寝付けないといった曖昧なものが多い。日常生活に支障が出るほど症状が重い状態を「更年期障害」と呼ぶ。

「更年期障害「ある」、50代女性38%・男性14%」日経新聞2022年6月17日

日常生活に支障が出るほど症状が重い状態が「更年期障害」。
そんな状態で働くのは、相当辛いと思います。

コロナが終わり、出勤を求める企業も増えています。
一方で、さまざまな病気を抱え、通勤がつらい人もいます。
フレキシブルな働き方がスタンダードになるといいな、と思います。

おわりに

この本は20代の男女が主人公の物語なのに、感想が中高年目線になってしまいました。

新しめの小説を読んで感じるのは、小説は「現代社会の課題を教えてくれる」ということ。

自分の価値観がアップデートされていく感覚があります。

もうちょい小説を楽しみたいと思います。

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