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「信長の野望・全国版」という夢


#自己紹介をゲームで語る

私はいわゆるファミコン世代です。

子どもの頃、ファミコンを買ってもらえませんでした。目が悪くなるとか勉強の妨げになるとか、そんな理由です。友達の家には必ずと言っていいほどあったのに。でもなぜか父の書斎にパソコンがあったんです。まだ80年代前半ですよ。たしかFM77AVだったかな? パソコンでゲームをするのはOKだったんです。意味がわからないですよね。だから父の好きな「信長の野望」とか「三国志」「水滸伝」などの歴史シミュレーションゲームばかりをやっていました。

今思うと、当時パソコンがある家なんてそんなになかったのだから、もっと有効活用するべきでしたね。プログラミングの勉強をするとか。アナログの権化みたいなウチの父がなぜあの時代にパソコンを買おうと思ったのか、今でも謎です。仕事に使っている形跡はなかったし文書もワープロで作っていましたから。本当はファミコンが欲しかったのかな?(笑)

そんなわけで、子どもの頃にいちばん家で遊んだゲームは光栄の歴史シミュレーションゲーム「信長の野望・全国版」でした。あれは難易度がすごかったです。弱い大名で始めると(私はなぜか九州の城井とか大和の筒井順慶が好きでした)、開始直後に攻め込まれるか謀反が起きて即ゲームオーバー(笑) 一度もターンが回ってこないんです。ウチの父は伊達輝宗で全国統一していた記憶があるんですが、私には無理でしたね。

でも大人になってからPS版を入手して、今度はしっかりクリアしました。大名は上杉謙信です。一度老衰でゲームオーバーになったんですが、リセットしたらなぜか死ななかった(笑)。ちなみにあのゲームのコツは、部隊編成で騎馬隊に全兵力の90%を集めることなんですよね。敵部隊の出現場所を予測して大将部隊の近くにその騎馬隊を配置しておけば、総兵力では劣っていても勝ててしまう。そして敵と接していない領地を手に入れ、委任してコンピュータに統治させる。すると人間がやるよりもずっと収穫が上がるので、そこからバンバン金と米を前線へ輸送させる。その繰り返しです。

最初は次の土地を得るのに十年以上、下手したらもっとかかりますが、ひとたび好循環のターンに入ってしまえば、毎月のように領土が広がっていく。連戦連勝。ほとんど倍々ゲームです。金や米や兵士が飽和状態。笑いが止まりません。ちょっとホリエモンとかのビジネスモデルと似ている気がします。

私が何度落選してもめげずに小説を書いて新人賞に送っているのは、あるいはこのゲームの影響かもしれません。まずは何度ゲームオーバーになっても諦めず、次の領土を手に入れるまで粘り強く自国を鍛え上げること。領土を得たら、敵に攻め込まれる心配のない安全圏=兵站基地を確保すること。その上で大きな戦いへ踏み出すこと。そうすれば一気に飛躍できるんです。今まで報われなかったのが嘘みたいに。だから今はせっせと開墾し、治水し、町を開発し、兵を雇い、訓練し、忠誠度を上げるのです。そういう地味な国作りも楽しいですからね。




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