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パイチュー海鼠カスリメティー

気になっていた業務用のお店がある。アジア食品楽市。北15西4にあり、店頭を横切るたびに「次は入ろう」と決めて忘れてを繰り返していた。中央区にも分店があるのだが以前伺うと改装中のためお休みだった。今回はBOOKLABの帰り道でたまたま近くだったので意を決して来店。

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SPICE Gets In Your Eyes.
自動ドアが開くと同時に目に染みる程のスパイス臭。鼻に残る甘ったるい雰囲気、スターアニスに近いような香り。そういえば中央店の入り口でも似たような香りがしていた事に気付く。店内のBGMは最新のJpop、チグハグで混ざってワクワクするぜ、異国だ。

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ピカピカな店内にお客さんがちらほら。まず入ってすぐ横の冷蔵ショーケースを見てみると、すぐさま目に飛び込んでくる立派な青パパイヤ。ソムタムで食べた事しか無く、大抵激辛な味付けで舌がぶっ飛ぶイメージの青パパイヤ。生で食すとどんな味なのか気になるところだが、さすがに一人で食べ切る自身が無い。他にもトグロを巻いたサラミのような畜肉やトッポギなどスーパーで見かけない食材に心ウキウキ。

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めんまみたいな干豆腐・アイスヴァイン・豚頭・なまこに砂肝マリネまで見たことないもののオンパレード。

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スパイス類も豊富、小さめのポーションが沢山あるので趣味で料理をしている人にもおすすめですね。特にこの売り場はめちゃくちゃ香りが強い。小袋の上からでも激しく香る。

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最近スパイスカレーを作る事も食べるのもハマっていて気になっていたスパイス・フェネグリークことカスリメティーを発見、10g200円。随分前にカレーも提供している老舗の洋食屋で食事中に隣のお客の会話を偶然耳にした際に
やっぱりカレーにはカスリメティーが重要だね」と聞こえてきた。40代後半、食通らしい話口調のアベックの男性が口にしたその言葉をずっと覚えていた。

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カスリメティー?なにそれ!かっこいい名前!気になるー!!!」とずっと頭の片隅にカスリメティーがあったがここで初体験になるとは。匂いを嗅いでみるとなんだか懐かしいような不思議な感覚。記憶を整理していくとかつて幼少期に連れられて入った覚えがある黎明薬湯の香りに似ている。お湯に浸かっているとピリピリして、唐辛子の効用でポカポカになる薬湯に近い香りだ。甘くてほろ苦い香りが懐かしい。

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スパイス棚の裏には高級乾燥なまこ。4Lサイズ500g 17万円。たまーに北海道でも密漁のニュースが報道されグレーな方々の資金源となっていたりするなまこちゃん。あんま直視出来ない見た目だぜ。

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他に気になったのが臭豆腐。青・黄・赤と陳列していますが実は黄色は食べたことがあります。ほうれん草のニンニク炒めにちょっぴり入れるとコクと香りがプラスされて美味でした。ただ直接嗅ぐと「…やっぱ臭い」と毎回なります。食べると美味いんだけどね。

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しかしこの青色というか黒みがかった臭豆腐は多分食えないな…。食べ物の色と違う。

インドールという成分が臭豆腐の匂いの元らしいんですが、wikiを覗いてみると、

大便臭を発散する。実際大便の臭い成分にもインドールが含まれる。ところが非常に低濃度の場合はのような香りがあり、オレンジジャスミンなど多くの花の香りの成分でもあって、香水に使われる天然ジャスミン油は約2.5%のインドールを含む。現在では合成インドールが香水や香料に使われている。またコールタールにも含まれる。

オレンジもジャスミンも好きなだけに複雑な気持ち…。

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ジュースやスナック、乾麺、調味料がたっぷりあって本当に眼福。サンバルソースを購入しようか若干迷いつつお酒コーナーにて嬉しい出会い。

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人呼んで白酒パイチューと発っしやす。ざっくり説明するとアルコール度数が50度近くある強めな焼酎ですね。中国のお酒だと桂花陳酒や老酒はたまに味の確認に飲むんですが、白酒は中島らもの著書の中で知って昔からずっと飲んでみたかったお酒500ml 900円。写真上段の小瓶も度数控えめの白酒の様ですがパッケージが可愛い。くるっと反転させると日本語と中国語でメッセージが翻訳してあって切り替わるデザイン。ただなんかカタコトっぽいセリフ…。ビールもまあまあ種類ありました。

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そうだ、年末に地元に帰省する時のお土産に何か変なモノ買っておこう。冷蔵コーナーに戻って探していると飛び込んでくるパンチの効いた黒いブツ。な☆ま☆こ!値段も手頃だし話のタネになりそうだな。食べた事無いしコレにしよう!味付け即食なまこ塩味、賞味期限を確認するも空欄。 オッパーな雰囲気の店員さんに聞いてみると普段は冷凍だから記載してないのよ。冷蔵でも1週間は持つとの事。オーラーイ。カチカチに凍ったなまこをゲトってレジへゴー。レシートに先程の店員さんの名前が記載されている。苗字か名前か分かんないけどウィパウィーさんありがとう。

帰宅。購入した物を取り出そうとするもバッグがなんだか匂う。カスリメちゃんだ。食卓の上に置いたままにしてるとずっと匂いがリビングに充満している。キッチンのスパイスコーナーに移すもキッチンや洗い場に近寄るだけでめちゃくちゃ香りがする。しかも触った指先から匂いが全然取れない。とても香りの強いハーブだと知りました。密閉容器買ってこよう。

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さて早速実食タイムに入ろうと思います。まずはカスリメティーを楽しむ為のカレー作り。スパイスチキンカレー。投入する前に生を齧ってみる。香り通りのほろ苦い味わいだが他のホールスパイスをそのまま食べた際には味わえない旨味のようなモノを若干感じる。味がするっていうのかな。入れ過ぎると苦くなるようなので少量カレーに加えて火を入れ、仕上げにも少量全体的に振りかけてみた。

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カレーを食べてみて正直なところは「他の香りと混ざってよくわかんねー」です。テンパリングしてみたり、入れるタイミングを変えたりして香りを引き出したい。

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そんでこのカスリメちゃん、カレー好きの友達の家まで持って行こうかと思ったけど小袋とかに入れたら乾燥大麻チックで見た目がヤバい草。まぁ匂い全然違うだろうから大丈夫だろうけどね!職質されたら無理やりポリスメンの口に放り込んでやるか。美味しいよ!って。

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さてさてお次はパイチューだ。ストレート1発勝負。口腔に広がる印象は泡盛、しかしすぐに襲ってくる56%ハイアルコールの刺激。喉が焼ける感じ久しぶり。雑味が無いので美味い。嫌いじゃなーーーい!ふくよかな香りなので1対1のお湯割りも良いかもね。白酒を知るキッカケになった、らもさんに感謝。ご冥福を。

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最後はなまこ。解凍中のビジュアルで既に及び腰。ええーいビビりつつデカイやつを口に放り込む。

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美味いやんけ!!!コリコリしてて中華風な塩味の味付けが美味。ただよーく見ると気持ち悪くなるから複雑な気持ち。パイチューで流し込むと喉がまた焼ける。月並みですがキクラゲに近いです。生臭さとは違うんですが、何とも表し難い 芳香を感じる。突き出しの小鉢にピッタリ。お値段高いけど。

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1日に3つも初体験を済ませてしまうなんてイケナイ大人になっちゃったぜ。アジア圏の食文化に興味ある方に「アジア食品楽市」オススメですー!是非是非。

虜になっチャイナ?



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