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新千歳空港国際アニメーション映画祭


新千歳空港国際アニメーション映画祭に行ってきた。バス停が家の近くだった。バスもJRも大きく値段は変わらず片道1,100円程度。自宅から1時間程度すると到着。朝10時のパンダコパンダ無料上映には間に合わなかった。インターナショナルコンペティション1 まで3時間ほど空いていたので一先ずフレッシュネスバーガーを食べた。隣の席のアメリカ人的見た目の男性は1人で日本に来たようで期待と不安を携えた目で味噌ラーメンが乗ったトレイを恐る恐る運んでいた。すぐ隣で日本人がハンバーガー食べて、アメリカ人がラーメン食べてなこの感じ。なんだこの感じ。彼は美味そうに食べてた。自分はフードコートの中でただ安いものを探して食べたに過ぎなかった。味は普通だった。強いて言えばかけ放題の調味料がワールドワイドなラインナップでトリュフオイルが美味しかった。それ以外は普通でしかなかった。隣り合わせで全然違う。

上映まで入湯料1,800円の温泉の前のベンチに座ってひたすら新作音源を聴き漁りつつ漫画「コーポアコーポ」を読み飛ばして時間を消費した。Beatlesの新曲に新しさは感じなかった。Daichi Yamamoto「sol」は新鮮だった。そうして時間が通り過ぎていった。

「インターナショナルコンペティション1 」
全6作品。共通して「水」モチーフな描写が多かった。中東のヒジャブについて描かれた「Our Uniform」ジーンズや布地の質感の上でクレヨンやチョークの様な絵が動いていて目を惹いた。中年女性の葛藤についての「The Miracle」中途半端なロマンスなんて不要。中指立てて放尿。ミドルエイジクライシスな物語に最近惹かれる。齢ハズcome. 本作も実写とアニメと異なる質感の組み合わせが光っていた。男性は惨めで女性は強い的な雰囲気の作品が多かったのはたまたまなのかもしれないが現代って感じがした。


続く「日本コンペティション」は全10作品。こちらはかなりバラエティー豊かでした。「
来世 ユニコーンの首筋後ろのホクロになりたい」推し活・同担物語。日本のアニメ、ボカロ、ラノベ経由後のテンポ感が幕開けにちょうど良い。絵柄がネクライトーキーっぽい。
マイスクール」舞台は札幌の小学校。「日常の学校生活を記録した映像の中から子供達が自ら選び出した1コマのトレースの集積と作者の観察的な視点とが交差する。」実写に子供たちの描いた絵と声が重なって変化し続ける作品。ざっくり言うと口ロロっぽさを感じた。(例えが全部音楽になってしまうな)大島 慶太郎監督は同郷・釧路生まれ。「月見ごこち」祖母との交流と、その死を見つめる孫娘の物語。色鉛筆とクーピーで書いたような淡いパステルカラーな色味の絵柄と中国語との組み合わせがとても好きだった。飼っていたオタマジャクシの死から始まる回想。監督の次の目標が「犬飼いたい」なのなんかウケる。

ロビーに実物がありました

HIDARI」木彫り人形のコマ撮りアクション活劇。この日唯一鳥肌の立った作品。江戸時代に活躍していたと言われている彫刻職人を題材にしているので武器がノミやチェーンソー。木製のチェーンソーで敵を薙ぎ倒していくのがめちゃくちゃかっちょええの。テンポが良くヒップホップを感じていたらエンディングで日本語ラップが流れて完璧に持ってかれた。「Low High / 狼徘 (from 246911) Shing02 & SPIN MASTER A-1」


ぼちぼち友人達も空港に集まり始めてきた。酒を飲みつつ時間をやり過ごす。ラーメンブースは決め手に欠けていて優柔が不断になったためローソンで思い思いの晩餐。1,000円のラーメンより300円のカップ麺。そう俺たちは貧困の中を泳ぐスイミー。カレーパンはいつも小腹を満たしてくれる。

お次は個人的な目玉「劇場版パンダコパンダ雨ふりサーカスの巻」昔地元で一緒に演奏していた奴が主題歌にハマって歌っていた。ずっと気になっていたが後回しにしていたので念願だった。「パンダコパンダパパンダ〜♫」前方の芝生で子供達が揺れている。もしこの子供が自分の子だったとしたら今以上の多幸感なんだろうなと想像しつつサッポロクラシックをちびちび舐めた。定期的にミミちゃんが逆立ちしてポーズをキメる。音と動きがツボにハマって終始笑いながら鑑賞した。宮崎駿イズムが詰まっていた。幼年期の女の子をママとし大きなパンダをパパとし小さなパンダを子とする設定については若干ノイズだったが無視出来るくらいのものだった。コパンダがいちいち同じ単語を2回連呼するがその振る舞いは「ほぼ俺」だった。おふたろうaka MCコパンダとしてやっていく。よろしくな。

画像はcoyote

〆はエログロ祭り「クリーピーアニメーションナイト」ディレクターのミハイ・ミトリチャ氏のインタビューもそこそこに本編開始。『Flying Lotus: Ready Err Not』いきなりフライングロータスの首チョンパMVからスタート。そういえば彼の撮ったクソ映画「KUSO」いつか観たい。『MRDRCHAIN』顔が渦巻きのクリーチャーが地獄めぐりする不気味なアニメ。湿ったテクスチャーが好みだった。『Coyote』Lorenz WUNDERLE監督。トータルでは1番好み。唯一映画っぽい構造の作品。(他のラインナップはカットアップ気味で意味を重要視していないという意味で)大切なものを奪われてやさぐれるコヨーテのバッドトリップ。Netflix「ミッドナイトゴスペル」好きなら必ずハマるので是非観て欲しい。アーシーな色味最高。『Farce』
Robin JENSEN監督。富裕層が食べてる挽肉の正体は…って感じのストーリーなんだけど全て見終えた後でグロッキーになり「今日は肉食えない、うどんとかがいい…」と言っていた友人が打ち上げでとろたくユッケを食べていて「それはええんかい!!!」となったサイドストーリー。帰りは泥酔してバスを降り過ごすところだった。

今年初めて参加したけれどめちゃくちゃ刺激的な体験になりました。この機会を逃すと見れない作品も多いので是非行ってみて欲しい。

「今日の予定は変えられないけど、明日はそうじゃないでしょう?」

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