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PLAN75 極私的批評

あるいは誰も避けて通れない食道を通じてクリンリネスについてホットコーヒーを再加熱しながら見た夢。こと皆様。ありがとうございます。連日うるせえわたくしめのセルフプレジャーの時間です。司会はもちろん私。普通の映画批評しないマンこと、おふたらんぎぶっこっふです。ら。ら。


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75歳で自らの生死を選べる制度を取り入れた日本が舞台。全然ファンタジーではなくて、めちゃくちゃあり得る話。貧困・孤独死・移民・戦争・搾取に慣れてちゃいけないんだけど、取り囲まれていて逃げ場が無い昨今。解放という意味で「死」を選択する民が増加する一歩手前な現代。(あるいはもう踏み込んでいるかも)

ほら最近めちゃくちゃ「結婚」させたがって来るじゃん政府。孤独とマッチングと新時代への共振の裏にばっちり隠した世間体への目配せで人を煽ってさ。とんでもねーよ。全く。

俺は自死も結婚もやんわりとした反対派。自死については「人間の不可侵領域」とでも思ってないとやってられないから。結婚についてはそれで幸せになった人々より悲しい思いをした人々の方が多いじゃん。って思うから。でもこないだ初めて友達の結婚パーティーというか結婚飲み会に参加して思ったんだ。

男女が出会って永遠を想像して、結婚を誓い、友人たちに祝福されている姿は、あまりにも幸福そうだった。脆く、壊れそうなものがまるで無い瞬間だった。

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映画に話を戻すね。本作は長編デビュー作にして、多くの魅力に溢れた作品だと言えるでしょう。特に気になったのが「光」と「動き」

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終始画面内に揺れるオブジェクトや人物の動きがあるため、暗い質感のトーンで揃えられているのに視覚的な飽きが来ないように感じた。そしてその暗いトーンにグラデーションを生み出す光を使った画作りが多く、荘厳さや悲壮感を生み出していたのは巧みだなと感じました。

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ポストディストピアとしての世界観の魅力を過不足無く引き出したキャスティングもとても上品。人物の背中を静かに収めるシーンが多いのも個人的なツボに刺さった。音楽は若干凡庸気味だけど、気になる程じゃない。ただ気になったのは「何かが足りない」感じだ。それは「批評性」とも言えるかもしれない。作品自体は批評的な側面を多分に持っていると思うが、その批評性の指し示す先が「分からない」あるいは「あやふや」な気がしました。この映画が穿ちたかったものは何なのか。

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河合優実さんが演じるキャラクターの葛藤や憤りがとても良く、この画像のシーンなんかは本作の白眉とも言える演出だったけど、まだまだ掘り下げて効果的に出来たのではないかと思った。ただデビュー作でここまで出来ているなら上出来じゃないのとも思う。

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1%の恋 著 榎屋克優 

童貞がアセクシャルに恋する漫画を最近読んだ。

アセクシャル(無性愛とは、他者に対する性的な惹かれの欠如、すなわち性的な行為への関心や欲求が少ないか、あるいは存在しないことである)

その中で印象的だったのがアセクシャルの女の子がこれから先の未来を想像して、自分がずっと孤独で死んでいくのではないかと思い、絶望を募らせていくシーン。

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PLAN75 倍賞千恵子演じる主人公は矍鑠としていて、年齢の割に逞しい人物として描かれていた。しかしあるキッカケで職を失い、静かに追い詰められていく。そこに忍び寄る孤独という呪いが彼女にPLAN75の選択肢を与えることになる。

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或る終焉 ミシェルフランコ監督

終末期の患者ばかりを担当する看護師が主人公。家族以上の親密さで患者と向き合い続ける男の過去と、孤独な魂の交わりから、命の意味を問う映画です。PLAN75を観ながら思い出したのはこの映画。死とは避けようがない。その死にどんな形であれ人間が介入してはならないのではないだろうか。



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孤独と死の雰囲気に満ちているのに、悲壮感ばかりではなく、生と死の意味を観客に問う「PLAN75」は優れたデビュー作と言えるでしょう。ただし何かがまだ足りない。

これからに期待したい、見逃すことの出来ない監督がまた一人増えたことが嬉しい。監督名は「早川千絵」重ためな題材が好きならマストシー。


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孤独という呪いから人は解き放たれる事が出来るのかは人生を通じて見つめていこうと思う。


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