時代が変われば求められるものも変わる

ウォークマンのイヤフォンがお亡くなりになった。

今時ウォークマン使ってる人も、有線イヤフォン使って人も珍しいんだろうけど、何となく、携帯で音楽聴くっていうのが嫌で。
今はサブスクの配信サービスとか沢山あるけど、iPhoneが発売された頃は音楽入れてデータ容量が圧迫されるのが嫌だったし、充電も脅かしたくなかった。
ウォークマンのソフトに沢山蓄積されたデータもあったし、それぞれに専門性を持たせてあげないと可哀想って思ってた。
実家離れてからはあんまり頻繁に新曲をダウンロードすることもなくて、基本的にずっと同じ曲ばっかり聴いてる。
たまにこのアーティストいいなーと思ったら、ごそっとアルバム1枚分入れるくらい。

イヤフォンは基本的に純正品のノイズキャンセリング対応のやつ。
ノイズキャンセリングは素晴らしいね。
有線イヤフォンでも不足はないんだけど、いつからかコードが延長コード式になってしまった。
短いままだと微妙にズボンのポケットまでは届かないし、延長コードつけるとジョイント部分が結構ゴツくて邪魔だし重い。
まあでも、そうなってしまったなら仕方ない。

2年くらい前に完全ワイヤレスのイヤフォンも気になって色々調べた。
欲を言えばSONYのノイズキャンセリング付きが良かったけど、25,000円もする。。。
有線イヤフォン6回買い替えても足りない。
ワイヤレスイヤホン自体使ったことないし、果たしてそこまでの対価を払う価値があるのか?
結局色々考えて、まずはお試しに10,000円弱のJVCのワイヤレスイヤフォンを買ってみた。

音質はそれほど悪くない。
元々別にそこまで音楽好きでもないし、細かい重低音の違いが、とか言われてもよくわからない。
心配してた充電問題も、ちゃんと帰ったらコードに繋ぐようにしておけばほとんど問題なさそう。

ワイヤレスイヤフォンは基本的にBluetoothと接続して使う。
これがちょっと馴染まなかった。
いちいち接続するのもめんどくさいし、朝の満員電車ではちょこちょこ途切れてその度になんか気分を害された、
あと、なんとなく機械が一生懸命耳にしがみついてる感じで、長時間してるとだんだん耳が痛くなってくる。

そうして結局、なんとなーーく、確実に繋がるすぐに繋がる有線イヤフォンに戻ってしまった。

有線イヤフォンが壊れる1週間前に、ちょうど展示会のノベルティで余ったパイオニア製のワイヤレスイヤフォンをもらった。
こちらはイヤフォン同士がコードで繋がってるやつ。
前回の経験があるから使うことないかなーと思いつつ、もらえるならもらっておこうくらいの感覚でもらった。

さて、有線イヤフォンが突然、片耳だけ聞こえなくなった。
今までも何回かあった。
有線イヤフォンの欠点、しばらく使うと断線する。

今代わりに使えるのはパイオニアのコード付ワイヤレスと、JVCの完全ワイヤレス。

せっかくなのでパイオニアの方を使ってみようと思った。
接続は思ったよりスムーズにいった。
しかし、ノイズキャンセリングはやっぱり偉大だな。
なんとなく耳元でシャカシャカ言ってるだけで、全然音楽が耳に入ってこない。
電車に乗ってもなんとなく気が散るというか、没入できない感覚。

そこで気がついた。
ああ、私は音楽が聴きたかったんじゃなくて、外部をシャットアウトするために音楽を聴いていたんだな、と。
ノイズキャンセリングがあると、耳元で何か話されてもほとんど聞こえない。
音楽を再生すると一気に周りに誰もいないような感覚になる。
その中で自分の思考に思いを馳せる。
だから、曲はなんでも良かったんだ、と。
自分でも発見だった。

それから、久々にJVCも試してみた。
音質は確実にこちらの方がいい。
たしかノイズキャンセリングは無かったはずだけど、外部の音もそこまでは気にならない。

あと、久々にBluetoothを繋いだけれど、確実に通信性が良くなっている。
全く途切れない。
きっとこれは時代が進んで、周囲の通信環境が良くなったからだろう。
製品自体は変わってないのに、時代が変われば価値も変わるんだなぁ。

あともう一つ、時代が変わったこと。
マスクだ。
前も確かにコードのストレスから解放されるメリットはあったけれど、今のマスク生活だと食事などマスクを外すたびにイヤフォンを外さなければならない。
この手間がなくなるメリットは、以前はなかった。
また、時代のおかげで製品の価値が上がった。

以前の価値観で君の価値を決めつけていてごめんよ、ワイヤレスイヤフォン。
君は確実にこの時代にあった製品だったよ。
でもね、まだ有線の安心感とノイズキャンセリングへのこだわりがあるので、また有線イヤフォンを買うのか、思い切ってSONYのワイヤレスイヤフォンを買うのか、もう少し思案してみるよ。

たったイヤフォンが壊れたってだけで、意外と気付きがあったよっていう話でした。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?