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真珠の耳飾りの少女

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言わずと知れたフェルメールの名画。
その名画を題材にスカーレット・ヨハンソンとコリン・ファース主演で作られた同名の映画。
まず映像がすっっごく綺麗!計算されつくされた陰影、ぽってりとした質感の衣装やセット、巧みな遠近感、フェルメールの絵の世界がそのままそこに存在してます。構図的にもかなりフェルメールファンをニヤリとさせるシーンがたくさん。1665年のオランダを舞台に、天才画家フェルメールと使用人としてやってきた少女グリードの恋を描いた、すごくシンプルでどちらかというとありがちなラブストーリーなんですが、極力説明を排した簡潔な台詞と俳優陣の繊細な演技でぐいぐい引っ張りこまれます。なによりスカーレット・ヨハンソンの透明感のある無垢な美しさが印象的!コリン・ファースも芸術家らしいエゴイスティックさとか、グリードに惹かれていく心の動き、不器用さをすごく丁寧に演じてました。
全てを見通すようなフェルメールの刺すような視線や、恐れながらも惹かれずにいられないグリードの戸惑い。夫婦の間に入り込む者、二人の間に漂う微妙な空気に苛立ちをつのらせていく妻、カタリーナ役のエッシイ・デイビスも力演です。なぜモデルに自分ではなくグリードを選んだのか、と感情を爆発させるシーンは秀逸です。
特にすごい盛り上がりがあるわけではないんだけど、登場人物それぞれの関係性が危うさ脆さをはらんでいるから奇妙な緊張感があります。
直接的な表現はほとんど無いのにものすごく官能的。少女が持つほんの一瞬の青っぽいなまめかしさがあります。
薄暗い部屋の中に浮かび上がるスカーレット・ヨハンソンの静謐な美しさはまさにフェルメールの絵の少女そのまま!
思わずうっとりしちゃう映画でした。


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