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精神科医としての得意分野は?

医局の医師全員が集まっている場で、若い先生が「精神科の得意分野を持つほうが良いのかなと思ってるんですが……」と相談した。
たとえば児童思春期、あるいは認知症、依存症といった領域。

その場では、こういう場末の民間病院では「なんでもみる」のだから、特になにかに絞ってできるようになるより、どんな人でもみられるようになるほうが良いのではないか、という話になった。

その後もつらつら考えるうち、以下のようなことを思いついた。

「得意分野」って、なにも児童思春期や認知症や依存症というような領域に限定する必要はないんじゃないか。

たとえば私の場合、「たくさんの患者さんをみる」ことと「ドロップアウト(病院に来なくなること)率が低い」ことが「得意分野」と言える。
院長は「指示的(支持的ではなく)に関わることが治療につながる患者さん」が得意だし、副院長は全体を見渡してスタッフの人柄や人間関係を見極めるのが得意だ。

こういうふうに、「得意分野」を疾患領域ではなく「院内での存在価値」としてとらえると、また違った見かたで自分の将来像を考えられるのではないかな。

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