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今週、読み終えた本 『NOISE 下巻』 『テクノ・リバタリアン』 『「感情」は最強の武器である』

ノイズには、システムノイズ、パターンノイズ、機会ノイズの3種類がある。
裁判官を例にすると、厳しい判決を出しがちな裁判官、逆に甘めな判決が多い裁判官と混在するのがシステムノイズ。同じ裁判官でも、「高齢者にはつい甘くなる」「黒人には厳しい」みたいなのがパターンノイズ。また、同じ裁判官もその日の体調や気分によって判断が変わる。これが機会ノイズ。
それぞれ気づかれにくいが、それでもシステムノイズやパターンノイズは統計をとれば表に出やすい。ところが、機会ノイズは本人も他人もたいてい気づかない。自分の判断に何らかの「合理的理由」をつけてしまう。たとえ心理学実験をしたとしても、その結果に本人が心から納得することはない。それが良いか悪いかではなく、人はみなそういうものだ。だから、アルゴリズムやガイドラインを導入することが望ましいのだが、「判断すること」を仕事の中心に置いている人からは抵抗が強い。
少し難解だったが本当に良書。


全てを理解するほどには集中して読まなかったが、なんとなくの聞きかじりで触れた知識を頭に置いておくと、同様の議論へのアンテナ感度が高まるので、そういう役割の本だったと割りきる。
リバタリアンについて、すごく浅く上澄みだけ抽出したような本(たぶん)。


これまでの読んできたムロディナウの本が面白かったので期待したが、本書は星4つ行くか行かないかといったところ。
洋書ノンフィクションの型どおり、チャプターごとにまず具体的事例を挙げて読者の興味を引きつけ、そこから少しずつ掘り下げていく。
まったくのハズレではなかったものの、多くの人に勧めたくなるような本ではなかった。

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