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#配合
(後日譚)ヘイローを配合した男 ~サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・14
ヘイローを配合した男今回はサンデーサイレンスの配合を語る前段階として、同馬の生産に至るバックストーリーをまず紹介しよう。
ジョージ・A・ポープ・ジュニアの忘れ形見ウィッシングウェルにヘイローを配合した男。それは「ヘイローを所有した男」でもある。
その名はトム・ティザム…とレイ・ポーリックの著書にはある。Tom Tathamで検索するとThomas P. Tathamという名前が出てくる。
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ウィッシングウェルの売却と、エルペコランチの終焉 ~サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・13
ここまで12回を重ね、約3万文字を費やして説明してきたわけだが、私はサンデーサイレンスと、その母ウィッシングウェルの血統を以下のように「読んで」いる。
セントサイモン St. Simon-ハイペリオン Hyperion-カーレッド Khaled
ザテトラーク The Tetrarch-ムムタズマハル Mumtaz Mahal
テディ Teddy - サーガラハッド Sir Gallahad
J.O.トビンとウィッシングウェルの「同質」 ~サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・12
前回ウィッシングウェルとJOトビンの配合における「異質」の存在について説明した。
今回は「同質」について説明する。
今回のキービジュアルは「リフルシャッフル」である。
リフルシャッフルとはこの代にまで至ると、ジョージ・A・ポープ・ジュニアの配合パターンが徐々に読めてくる。
記号化すると、
A ⇒ B ⇒ A" ⇒ B"
形態としては「積み上げ」ではなくシャッフル。それも「リフルシャッフル」で
J.O.トビンとウィッシングウェルの「異質」 ~サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・11
今回から2回に分けてウィッシングウェル(サンデーサイレンスの母)の配合コンセプトをジョージ・A・ポープ・ジュニアの代表生産馬J.O.トビンと比較しつつ説明する。
まず今回は「異質」の存在についてがテーマだ。
組織に異質性を加えるサラブレッドの配合はいかにあるべきか?
インブリード(クロス)を手がかりとして、完全なる統一感と美を追求する五十嵐理論(I理論)というものが一斉を風靡した事もある。
私
ヒラリー産駒の究極系ヒルシェイドによる挑戦と成功 ~サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・10
1961年にヒルライズを生産し、1964年に「(2代後に)世紀の大種牡馬サンデーサイレンス」を生み出すマウンテンフラワーを生産したジョージ・A・ポープ・ジュニアはそれから何をしたのだろうか?
今回は1965年に生産したヒルシェイド Hill Shadeを紹介する。
ヒルシェイドは、(ジョージ・A・ポープ・ジュニアが愛用した)種牡馬ヒラリーの「究極系」ともいうべき配合を持つ牝馬だ。
栄冠の後ジョ
コンセプトにコンセプトの追いがけスープ ~サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・8
鍋物の途中でだしの素を追加すると美味である、というCMがある。
今回はこれをサンデーサイレンスの祖母マウンテンフラワーの血統を「読む」キービジュアルとしたい。
前回はマウンテンフラワーの「父はなぜモンパルナスなのか?」を解き明かす試みを行った。
そしてモンパルナスを配合で使えるチャンスが1年のみだったことも判明した。
今回はそのモンパルナスとの配合で、どんなマジックが起きるか?という話になる
世紀の名馬と一騎打ち、ヒルライズ確信の配合 〜サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・6
長い歴史を持つ大レースだと「ああそんな馬いたよね」と言われるだけまだマシで、完全に忘れ去られる馬も多い。
2010年の日本ダービーはエイシンフラッシュが史上最速の上がり32.7秒で優勝したが、同タイム2着馬の記憶が薄れた人も出てきているのではないか…。
今回はアメリカ競馬の歴史に埋もれてしまったヒラリーという種牡馬と、その代表産駒ヒルライズという馬が、かなりこだわりを持った配合であるという事を解
単なるオマージュにとどまらないエーデルワイスの配合 〜サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・5
前回は、サンデーサイレンスの曾祖母エーデルワイスは不出走馬だが、同馬主&同期のケンタッキーダービー馬と配合コンセプトが同じであることを説明した。
今回は「3×4のクロスなら良い」「濃くなりすぎると良くない」といった、昨今まん延するフワっとしたインブリードの説明は全く何の意味もないという話と、エーデルワイスの父が無名種牡馬のヒラリーでなければならなかった、その必然性について説明する。
オマハ、ジ
愛馬デサイデッドリー Decidedlyでケンタッキーダービーを制覇 〜サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・3
謎多き人を類推するより、最大の業績を記す方が話は早い。
1962年(昭和37年)、ジョージ・A・ポープ・ジュニアはケンタッキーダービーを制覇する。生産者として、馬主として。
1962年のケンタッキーダービー。
本命はライダン Ridan(父Nantallah/全妹モカシン Moccasinは全米年度代表馬、全妹ソング Thongの直系子孫がヌレイエフ、サドラーズウェルズ)。2番人気はサンライズカ
アメリカ競馬の「魔術師」の業績 〜サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・2
まず断っておくが、いくつかの事実から推測するに、サンデーサイレンスの母を生産したジョージ・A・ポープ・ジュニアは遊び半分や惰性、無謀な蛮勇で競馬に関わっていたのではない。
こんなことは少し調べれば分かるのだが、日本で血統を研究している人にはあまり関心を持たれないようだ。
そもそも「ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは何者か?」という興味を持った日本人は私以外にこれまで1人しか見当たらないほどだ。
テシオの後継者 〜サンデーサイレンスの母を生産した男 ジョージ・A・ポープ・ジュニアとは・1
競馬の魔力巨万の富を生む。それが競馬というスポーツの魔力だ。
日本人の多くはこの認識が少しズレていて(それゆえ競馬の情報はそれと決まっているのが世間の常だが)、競馬の魔力の最たるものは馬券を当てる事だと思っている。
だが違う。その本質は馬を所有することである。
競馬は1頭の馬とともに、世界をこの手にする事すら可能にする。
そう信じて人々は競馬の世界に足を踏み入れる。それは魔界にも等しい。
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