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私に影響を与えた著者10選 ①~⑤

 こんにちは、すたんど(@stand_00)と申します。よろしくお願いいたします。

 今回ともう一回に分けて、「私に影響を与えた著者10選」という、Twitterでのハッシュタグをつけたてツイートしたことを元に、簡単な記述を行います。まず①から⑤までの5人について。なお、これは順不同で並んでいますので、お含みおきくださると幸いです。

■10人のリスト(以下、敬称略)

①大塚久雄
②宮本輝
③内田樹
④若松英輔
⑤ミヒャエル・エンデ
⑥竹田青嗣
⑦河合隼雄
⑧村上陽一郎
⑨内田義彦
⑩清水眞砂子

①大塚久雄(1907~1996)

 「大塚史学」と呼ばれて、一時代を築いたのが大塚久雄でした。カール・マルクスと、マックス・ウェーバーの理論構築の手法をもって歴史に切り込んだものと理解しています。

 氏の著作である『社会科学における人間』(岩波新書)に私が触れたのは1982年のことです。この著作では、ウェーバーの宗教社会学の方法を広く駆使して、諸地域の人間の行動パターンを解析しようとするという壮大な試みを展開していました。この本で、啓蒙的・入門的な書籍を読み始めたという意味では、私にとって忘れられない一書となりました。


②宮本輝(1947~)

 私がまだ20代の時に読んだ『錦繍』や『二十歳の火影』、『優駿』といった作品で「ハマった」作家です。一時は、新刊が出る度に、ほとんど毎度のように買っていました。

 実は大学在学中に、『青が散る』がテレビドラマ化され、周囲の友人がこぞって見ていたということがあったのですが、極めてへそ曲がりな私は、見るのを拒んでいたという経緯もありました。

 作風ともいうべき共通して見受けられるものは、いま振り返ると、「人間の再生」「人間としての再生」ということでしょうか。その「再生」には、多くの場合、女性が重要な役割を果たしています(とは言っても、「かつて」は、なので今はどうだかわかりませんが)。改めて読み始めたいと思っている作家さんです。


③内田樹(1950~)

 この、多面的な活躍をされている「思想家」について、一言程度で説明することは難しいと思います。氏の著作のうちでは、以下に紹介する『先生はえらい』(ちくまプリマー新書)が最初に読んだものと記憶しているのですが、もしかすると、新書大賞を獲った『日本辺境論』(新潮新書)の方が先だったかもしれません。

 主著と思われるのは、一連の「街場の◯◯」シリーズや、フランスの現代思想についての著作だろうと思います。

 主な主張としては、
・教育は、その評価に20年以上が経過しないと、その制度設計を評価できない。これを含めて、重要な社会的なインフラについては、むしろ「変えない」方がよいものがある。
・「これを学ぶと、これこれのことが身に付きます」という、予め提示を行うことには「教育」本来の成果が期待できない。
等があると記憶しています。

 一時期は、かなり力を入れて(=文庫になったものなどは極力購入して)読んだものですが、今はその熱も、少し冷めてしまったようです。


④若松英輔(1968~)

 若松さんを最初に知ったのは、著作よりもテレビ出演を拝見したときだったと記憶しています(「100分de名著:『苦海浄土』」の回)。残念ながら、そのときの印象を復元することができないでいます。

 しかしながら、その後は継続して若松さんの著作に親しんでいきました。いや、むしろ「求めて」いったのではないかと思います。

 若松さんの「方法」の一つとして(と言ったら、ああそうですかと素通りされてしまうでしょうが)、言葉を丁寧に腑分けしていって、その本来的な意義・意味をすくい取り、再度「現実」を吟味するということがあるのではないかと考えています。例えば、「言葉」と「コトバ」、「悲しみ」と「哀しみ」(に至っては、もっと多くの表記で書き分けようとされています)。

 この、「言葉(ないしはコトバ)」を大切にするということは、「生」を大切にし、慈しむという姿勢として顕れるのだと思っています。ぜひ、著作をお読みになっていただきたいと思います。


⑤ミヒャエル・エンデ(1929~1995)

 これもつい最近まで「100分de名著」で取り上げられていた『モモ』や、あるいは『はてしない物語』の作者として広く知られている作家です。

 私は彼の作品を、2作しか読んでいません。その印象が決定的であったのは、やはり『モモ』でした(大島かおり訳)。この書に学んだことを2つ挙げると、


1)モモの聴く力はカウンセリングに通ずる。それは、人間には本人の問題を解決する「力」が本源的に備わっているという、揺るがない信頼感に裏付けられている。
2)時間の源、時間が流れ出るところは、「生命」である。生命なくしては時間はなく、時間なくしては生命はない。

ということです。もちろん、「我流」の読みでしかありません。

 この本を、現代文明「批判」と読むことは容易いことですが、その中に閉じ込めてしまうのは、エンデは嫌がるのではないでしょうか。

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 今回は、10人のうちの5人についてご紹介いたしました。次の機会には、6~10人めについて紹介させていただきます。最後までお読みくださり、ありがとうございました。ぜひ次回もご講読ください。ではまた!

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