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【100分de名著を語ろう】『存在と時間』まとめ
こんにちは。5月になりました。1日(日)07:08です。今月もよろしくお願いいたします。
4月7日から28日の毎週木曜21時から、clubhouseにて「100分de名著を語ろう」ルームを開催して、戸谷洋志さんが解説なさったハイデガー『存在と時間』について語らってまいりました。先月は4回ともレジュメを作成できましたので、このnoteではそのURLをまとめて総括をしておきたいと考えています。おつきあいください。
レジュメまとめ
公開してきた4本のレジュメのURLは、添付の通りです。適宜ご参照ください。
第1回放送分(4月4日オンエア、7日開催)
第2回放送分(4月11日オンエア、14日開催)
第3回放送分(4月18日オンエア、21日開催)
第4回放送分(4月25日オンエア、28日開催)
感想のまとめ
以下は、ぼく個人の感想です。会で出た感想をまとめたものではありません。お含みおきください。
ひと言で言おうとすると、「難解をもって知られるこの大著に、不思議なタイミングで、最良の解説者を得て接することができて感謝」ということになります。
解説してくださった戸谷洋志さんは、既に著名な著作も数点ある気鋭の哲学者の一人ですが、恥ずかしながら「戸谷? Who?」という状態でした。戸谷さんを知ることができたことが、この放送を見た最大の収穫だっただろうと考えています。
あと言えることは、
①ぼくにとって、哲学書を読むとはどういうことかを考えさせられたことと、
②このclubhouseでこのルームを開き続ける意義を考えるきっかけとなった
の2点があると思われます。以下にまとめます。
①ぼくにとっての、「哲学書(などの本)を読む」とは?
今回の放送を見て、ルームを開催しながら考えついたのは、ぼくは哲学書(などの本)を読む際には、あくまでも「自分にとっての意義」を見出そうとして読んでいるんだなという点でした。ただし、それは「正しい」であり、人さまに勧められるものとは考えていないと申し添えておきたいと思います。
今回の『存在と時間』について言えば、当然このテキストは「存在論」についてのものであるのですが、ぼくにとっては、「人生論」であり、「生き方」を深めるきっかけとなるものだろうということです。
会の席上で、ぼくは「今日の暖をとり、明日の灯火とするために、『本を焼く』(=読む)」と申し上げました。あえて「焼く」と言う刺激的な表現をしたのは、「消費する」という意味合いを込めたかったからです。別の言い方をすると、「生を支える」ということです。
この『存在と時間』(の解説)から得たものは以下のようになります。ハイデガーは存在「そのもの」について考えようとした時、人間(=現存在)を通して、人間「から」考え始めたと理解しています。人間とは、過去と未来へと「開かれた」存在であることが固有であって、そこから時間論も展開されるのだと思っています。そこから得られたのは、人間とは「世人」を介して「非本来的」な自分を生きざるを得ないものだということです。
そこで、生の本来性を再獲得するために、死を考え、良心の声に耳を傾け、不安のなかに踏みとどまろうするのがハイデガーだったと考えています。言い換えると、「責任を引き受ける」主体の確立、あるいは主体性の獲得ということなのではないでしょうか。
しかし、「そもそも」人間は、責任を引き受ける主体足りえるのでしょうか。どうすることが、責任を「引き受けた」と言えることになるのか。そう言ったことにも踏み込んで考えていきたいです。つまり、ぼくにとって書を読むとは、「よき問いのドミノ倒し」を誘発することなのだと考えついた次第です。
②clubhouseでこのルームを開き続ける意義とは
2021年3~4月期にオープンさせたので、かれこれ1年が過ぎました。「100分de名著」という番組には、一部批判があるだろうと思いますが、これからもこのルームは継続していきたいです。できれば、「私的・100分de名著論」を完成させたいのですが、集中力が尽きましたので、今回はここまでとさせてください。
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最後までお読みくださり、ありがとうございました。5月度は、山本芳久さん解説によるアリストテレス『ニコマコス倫理学』を扱います。どうぞお楽しみに。ぜひ遊びにいらしてください。それではまた!
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