【100分de名著を語ろう】for ティーンズ① 人は何で生きるか(トルストイ)
こんにちは。
今月の「100分de名著」は、「for ティーンズ」として、4冊の著作が取り上げられます。著作と解説者は、以下の通りです。
第1回放送分については、8月4日(木)21時からのclubhouseでの定例ルーム「100分de名著を語ろう」で取り扱います。どうぞお運びください。
インタビュー 「運命の一冊」に出会う旅を(加藤シゲアキ)
①(見出しなし)
・「人にやさしくなれる」ということも、読書の――とりわけ物語を読むことの――効用の一つでしょう。
②本は頼もしい船になる
・「読書が楽しい」と思うようになったのは遅いほうだと思います。
・何より、「物語」のなかに自分がこんなに共感できるものがある、ということが大きな衝撃(略)言葉の力や物語の力を感じたことが(略)まさに運命の一冊となりました。
③まずは楽しむことから始めよう
・若いうちは自分が感じたことや考えたことを整理できなかったり、うまく言語化できなかったりすることもあるでしょう。そこに「言葉」を与えてくれるのが書物です。
・早く出会って、いかに感銘を受けても、人はやがてそれを忘れてしまいます。だから「読み続ける」ことも大切でしょう。
トルストイ『人は何で生きるか』
愛を分かち合う人生 解説:若松英輔
①非戦論者の小さな代表作
・生きていくうえで、かけがえのないものを探そうとするとき、何ものかが、内なる世界を見よと私たちを強く促します。
②「裸の男」と出会った貧しい靴屋の物語
・おいセミヨン、そりゃいったいなんのまねだい?
・一つは肉体が「死にかけている」こと、そして、もう一つは、心が「死にかけている」ことです。
・しかし、「裸」であるということは、新しく生まれ変わることができるということでもあります。それは「新生」の象徴でもあるのです。
③「おまえの胸には神様がお留守かね?」
・裸の男とセミヨン夫妻の出会いの場面で問われているのは、もっとも困難なときに人はどんな選択をするのか、という問題にほかなりません。
④恩寵の種子
・しかし、現実は違います。助けたつもりが、実は逆に助けられていたのです。
・私たちに与えられるものは、しばしば種子の姿をしています。種は、育ててみないと、それが何であるかわかりません(略)種子の姿をして訪れた「必要なもの」を自分で育むこともまた、求められているのです。
⑤ミハイルの微笑み
・(妻が食事を準備してくれたのは)愛と良心の芽生えだったこと(略)
・この世にあるすべての人は、生まれてからずっと「死につつある」という厳粛な事実です。
・つまり、私たちは「どう生きるのか」だけでなく、「どう死を迎えるのか」も考えなくてはならないはずなのです。
・人は誰も、自分の力だけで生きているのではなく、自分以外の誰かのはたらきによって「生かされて」もいるのだと、忘れないことなのではないでしょうか。
⑥支え、支えられる
・「ろうそくのろうのようなもの」とは、双子の存在が女性の人生に光を灯し、命の炎をつないでくれているということを意味しています。
・共に生きる相手がいることで、逆に支えられている(略)自分こそが弱き者に救われているというのです。
⑦「人の中に何があるか?」
・すると三つの言葉がわかるだろう。つまり
人の中には何があるか?
人に与えられていないものは何か? そしてまた、
人は何によって生きるか?
ということがわかるだろう(※改行を施しました)
⑧「人に与えられていないものは何か?」
⑨「人は何によって生きるか?」
・人は皆、誰かの愛によって「生かされている」のです(略)内にある愛は、他者に向けられてこそ豊かに花開き、それが「生きる力」になるのだとミハイルは言います。
⑩他者のために自分を生かす
・それができない人と分かち合うためにその力が与えられている、と考えてみてください。
・何かが瞬間的に劇的な変化をもたらしてくれることに期待をかけてしまいがちです(略)大切なものは自分でも気がつかないくらいゆっくりと変わっていく。
⑪受け取ることから始める
・それは自分の「弱さ」を認めることでもあるからです。
・あなたの知らない誰かが、あなたからの愛を必要としているのです。
⑫生活と人生の両軸を生きる
・生活とは、みんなと一緒というかたちでもあり得ます。人生は一人ひとりが、自分で向き合っていくほかありません。
⑬私たちの心の中にいるミハイル
・それぞれの人生で「経験する」ことが求められているのです。なぜなら、愛はいつも、語られる前に行われなくてはならないからです。
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今回の抜書きは以上といたします。最後までお読みくださり、ありがとうございました。それではまた!
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。ときどき課金設定をしていることがあります。ご検討ください。もし気に入っていただけたら、コメントやサポートをしていただけると喜びます。今後ともよろしくお願い申し上げます。