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連載・3 オンラインでの対話力:対話の実際編①「話す」ことについて

オンライン、特に顔が見えない時のコミュニケーションには「特性」がある。

1)対話の実際編①「話す」ことについて

この回からは、「話す」ことについて考えていきたいと思います。まず、オンラインでの通話について、その特性、つまり対面で行われる話し合いとの違いを考えた上で、開かれた「対話」を目指す話し方を考えていくことにしましょう。

その後で、回を改めて「聴く」ことの意味合いとコツなどについて、お話しをいたします。お一人お一人の「話し方」「聴き方」をチェックしてみてください。

また、ここでのお話しは、対面でのコミュニケーションででもお役に立つだろうことが含まれていますので、役立てていただけるようですとうれしく思います。

1-1)オンライン通話の特性について

ではまず、オンラインでのコミュニケーションが、対面でのリアルなコミュニケーションとは「質的」に異なっていることから説き起こしたいと思います。このことを意識するだけでも、オンラインでのコミュニケーションの質が変わってくると考えます。参考にしたいのは、コールセンターでのコミュニケーション=通話の仕方です。

私は以前、コールセンターでの管理・運営業務を担当していて、200人以上のコミュニケーターさん(=いわゆる「オペレーター」さん)達の指導やモニタ・管理などをしてきました。そこで私が身につけた、言ってみれば「コールセンター話法」は参考になるだろうと考えています。

ですので、ここから先は、しばらくの間電話でのコミュニケーションについてのお話しとなります。大前提として、

電話でのコミュニケーションは、顔・表情が見えない

ということを指摘しておきたいと思います。

もっとも、昨今のテレワーク等で重宝がられているオンライン会議ツール(Zoomなど)は、Webカメラを介して表情が見えるようになっていますね。しかし、それでもなお、対面でのコミュニケーションとは質的に異なっていると言えるでしょう。このことは別途取り上げたいと思っているので、ここでは指摘だけに留めておきます。「顔が見えているし、的確で正しい内容を伝えればいいだろう」というわけではないのです。そこからも、電話での望ましいコミュニケーションを学んでおく意味が出てくると考えています。

さて、コミュニケーター教育でよく参照・引用されているのが、「メラビアンの法則」というものです。これは極めて乱暴かつ単純に述べるとすれば、

顔が見えないコミュニケーションにおいては、話す内容がどれだけ正しくても、話し方の印象のよさにはかなわない

ということになります。

一般のコミュニケーションにおいて、最も情報量が多くて、話しを聞く際の印象を左右するのは、実は視覚情報なのです。次いで声色や話し方の強弱といった聴覚情報、最後が話している内容そのものであるとされています。つまり、

視覚情報>聴覚情報>話しの内容

ということなのです。その比率は、55%対38%対7%だと指摘されています。

ということは、顔が見えないコミュニケーションにあっては、その印象の良し悪しが判断される材料のほぼ半分が伝わっていないということです。この数字は無視できませんね。

そこで重要になってくるのが、聴覚情報、つまり声色や声の強弱といった部分の「好感度」ということです。声色や滑舌というものには、生得的なところももちろんありますし、私も正式にボイストレーニングを受けていたわけではありません。それでも、話すときの「感じ」「好感度」をよくすることは可能だと思っています。

そこで次からは、顔が見えていない状況下でのコミュニケーションの片方=話し方に焦点を合わせて話をすることにいたします。要は、話し方のちょっとしたコツをいくつご紹介していくことにしようと思っています。

次は、「オンラインでの『話す』コツ」です。

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