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[本065]『「孤独」は消せる 私が「分身ロボット」でかなえたいこと』

著者:吉藤健太朗、出版社:サンマーク出版

OriHimeは行きたい場所があるのに行くことができない人、会いたい人がいるのに会いに行くことができない人の「分身」ロボットです。分身ロボットを遠隔操作することで、みんなと一緒に夕食を楽しんだり、ゲームをしたり、旅行に行ったり、会社で働いたりすることができます。

この本はOriHimeを開発した吉藤さんの物語。吉藤さんは小学校から中学にかけての3年半、不登校の生活を送ります。吉藤さんは言います。

「そのときの孤独体験があったからこそ、今ロボットコミュニケーターの仕事をしているといっても過言ではない。」

ひきこもりで居場所がなく、自分を肯定できなくなっていく経験。そこから、吉藤さんは人工知能を使った友だちロボットの開発に没頭していきます。しかし、ある時こんなことを思うようになります。

「人を本当に癒せるのも、また人だけだ」

そこから、吉藤さんの全く新しいロボット「OriHime」開発の挑戦がスタートします。ALS患者の孤独と向き合うために何度も患者さんのところを訪ね、眼球の動きだけでロボットを遠隔操作できるようにしたり、患者さんが何を求めているのか、とことんまで寄り添い、対話をしていきます。その姿に本当に感銘を受けます。

私は、もう長いこと、吉藤さん=オリィのTwitterをフォローさせてもらっています。たとえ、離れていても「その人が、そこにいる」感覚を何よりも大切にし、OriHimeを介して人と人をつないでいく。彼の活動を通じて、いろんなことを考えさせられます。



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