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[本061]『おおきな木』

著者:シェル・シルヴァスタイン、出版社:篠崎書林

『おおきな木』は、幾つになってもたくさんのことを教えてくれる絵本です。この本は、名著なため、何度か読む機会がありました。でも、私は、この本が伝えたかったことが何か、あまり分からないでいました。なぜ、りんごの木は、大人になったぼうやが「かいものが してみたい。だから おかねが ほしいんだ。 おこづかいを くれるかい。」と言った時、全てを与えてしまったんだろう。なぜ、その後も、木は、困った時にだけやってくるぼうやに、自分が切り株になるまで、自分の持っている全てを与え続けたんだろうと思っていました。

でも、子どもが生まれてからこの本を読んだ時、りんごの木に少しだけ近づけた気がしました。

最後のシーンは、こうです。

「さあ ぼうや こしかけて。こしかけて やすみなさい。」
おとこは それに したがった。
きは それで うれしかった。

その人の幸せを願い続けるって、こういうことなんだ、こういう気持ちになることなんだと、この歳になって、ようやく分かり始めた気がします。それは自分にとって大きな発見でもありました。



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