海外マンガ情報誌「モリマチ。」Web版 海外マンガTOPICS―2023年3月
こんにちは!書肆喫茶moriの店主です!
書肆喫茶moriがお届けする海外マンガ情報誌「モリマチ。」。
Web版では海外マンガにかんするTOPICSをご紹介します!
店頭や通販ご利用のお客様に無料配布しているフリーペーパー版には、読書ガイドや新刊情報を掲載しています!
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では、2023年3月の海外マンガTOPICSいきます!
ロシアのマンガ『サバキスタン』が路草で連載予定
ロシアのマンガ『Sobakistan(サバキスタン)』(露語表記『Собакистан』)が、ウェブコミックメディア「路草」にて連載開始することが告知された。原作はビタリー・テルレツキー、絵はカティア。「サバキスタン」は「犬の国」を意味する言葉で登場人物は犬の姿をしている。架空の独裁国家サバキスタンを舞台に自由の意義を問う。
ジーン・ルエン・ヤン原作ドラマ『アメリカン・ボーン・チャイニーズ』Disney+で5月24日配信
ジーン・ルエン・ヤンのグラフィック・ノベル『アメリカン・ボーン・チャイニーズ』を原作とするドラマシリーズの新たな動画が3月13日公開された。監督は『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のダスティン・ダニエル・クレットン(なおジーン・ルエン・ヤンは『シャン・チー:ブラザーズ・アンド・シスターズ』のシナリオも手掛けている)。第95回アカデミー賞で主要8部門中6冠の偉業を達成した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァン、ステファニー・スーが出演する。全米での配信は5月24日。
『アメリカン・ボーン・チャイニーズ』は、中国系であるということにコンプレックスを抱き白人になりたい中国系アメリカ人の少年が主人公のグラフィック・ノベル。猿であるというコンプレックスを抱える西遊記の孫悟空、ステレオタイプな中国人のいとこに悩まされる白人少年の3人のストーリーが並行して進みながら、やがて一つの物語へと展開していくストーリーテリングが見事。果たしてこのグラフィック・ノベルがどのように映像化されるのか今から楽しみだ。
なおnoteの記事にもしているのでこちらもご覧ください。
モーテン・デュアーさんのグラフィック・ノベル『Ivalu』の短編映画がアカデミー賞ノミネート
3月13日は第95回アカデミー賞の授与式だったが、短編実写映画賞でモーテン・デュアーさんのグラフィック・ノベル原作『Ivalu』がノミネートされていた。モーテン・デュアーさんは『ZENOBIA』の邦訳もあるデンマークのマンガ脚本家で世界の苦境にある子どもをテーマとした作品を書かれている。
『Ivalu』はグリーンランドにおける子どもの虐待と自殺をテーマにした作品。監督は、ジョー・ケリーとケン・ニイムラのグラフィック・ノベル『I Kill Giants』の映画化『バーバラと心の巨人』も手掛けたアンダース・ウォルター。
グラフィック・ノベル『Ivalu』は以下のページで読むことができる。
日比谷図書文化館で4月20日イベント開催とバンド・デシネ展示
4月20日(木)19時から、東京・日比谷図書文化館で日比谷カレッジ「翻訳者が語る 世界文学への旅3 バンド・デシネで読み解くフランス文学と文化」が開催される。バンド・デシネ翻訳者の原正人さんがバンド・デシネと文学との関係に着目しながらその魅力を語る。以下のウェブサイトから参加申し込み可能。
それに先立ち3月21日(火)~4月20日(木)の期間で、バンド・デシネの展示コーナーが設けられている。
『俺だけレベルアップな件』アニメのティザームービー公開
世界で人気の韓国ウェブトゥーン『俺だけレベルアップな件』のアニメのティーザームービーが3月21日公開された。モンスターたちと戦うハンターでありながら人類最弱兵器と呼ばれるE級ハンター「水篠旬」は自分だけがレベルアップできる特別な能力を手に入れる。アニメは2023年冬公開予定。
ピッコマでは3月24日から『俺だけレベルアップな件~外伝~』の連載も開始された。
ニール・ゲイマン『サンドマン』復刊!初邦訳も決定
2022年にNetflixドラマにもなって話題になった『サンドマン』の復刊情報が発表された。インターブックスのツイッターアカウントでは5日前から謎のカウントダウンがツイートされていたが、とうとう情報解禁となった。『サンドマン』シリーズは1989-99年にかけて5巻まで刊行されていたが絶版になっていた。第1弾は初邦訳となる『サンドマン 序曲』が4月11日に発売。以降3カ月ごとに3巻までの復刊が決定されている。
『Gender Queer』クラウドファンディング準備中
ノンバイナリーでアセクシャルの作者マイア・コバベの自伝グラフィック・ノベル『Gender Queer: A Memoir(ジェンダー・クィア:ある回顧録』のクラウドファンディングがサウザンブックスにて準備中。2020年にアメリカ図書館協会の一部門、ヤングアダルト図書館サービス協会アレックス賞、ストーンウォール:イスラエル・フィッシュマン・ノンフィクション賞(LGBTQに関する優れた英語圏の著作対象)名誉賞を受賞。以下のサイトから事前登録が可能。
メゾン・プティ・ルナールでバンド・デシネ作家アメリ・フレシェさんの原画展
3月25日~30日、東京・板橋のバンド・デシネ専門店メゾン・プティ・ルナールさんでバンド・デシネ作家アメリ・フレシェさん(Amélie Fléchais)の原画展が開催された。2022年アングレーム国際漫画祭、子ども向け部門で最優秀賞を受賞した『Bergères Guerrières』の作者。
サウザンコミックス第7弾『トンネル』3月29日にクラウドファンディングがスタート
世界の漫画をクラウドファンディングで翻訳出版するサウザンコミックスの第7弾、イスラエルのルトゥ・モダンによる『トンネル』のクラウドファンディングが3月29日(水)にスタートした。地下に眠る秘宝の発掘を通して、登場人物個人の物語とイスラエル・パレスチナ問題を問う。
4月6日(木)19時からは発起人の井川マティアス翔さんをゲストとするイベントが東京・西新宿にて開催される。
ルトゥ・モダンについては『だれも知らないイスラエル』(バヴア編著、花伝社、2021年)にインタビュー記事が掲載されている。
4月16日(日)東京・中野で「カタカナマンガの虫干し会」開催
海外マンガ情報誌『漫海』第2号に「絵を食べるキリン~未邦訳BDを読もう~」を寄稿してくださったやつはしさんが、未邦訳海外マンガの展示会を開催。4月16日(日)東京・中野のなかのZERO本館地下2階ギャラリーにて。
海外マンガレビュー・書評
游珮芸、周見信『台湾の少年』(朝日新聞デジタル)
李昆武、フィリップ・オティエ『チャイニーズ・ライフ―激動の中国を生きたある中国人画家の物語』(原正人さん)
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