見出し画像

アカデミー賞受賞「エブエブ」のキャスト再結集のマンガ原作ドラマ『アメリカン・ボーン・チャイニーズ』が気になる!

みなさん、こんにちは~!
大阪・谷町六丁目にある海外コミックスのブックカフェ書肆喫茶moriの店主です!

みなさん映画はお好きですか?
アカデミー賞は毎年チェックされていますでしょうか?

2023年(第95回)アカデミー賞が先日発表されましたね!
なんと「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」が史上初、主要8部門中6冠を達成するという快挙を成し遂げました!

タイトル長いですね…EEAAOとも略されてるみたいですが以下「エブエブ」と略します…!

「エブエブ」私もさっそく観に行きました!
いやあ~!面白かった!

目まぐるしく展開するマルチバース。
どこにでもいる中年女性がカンフーアクションを繰り広げて世界を救うヒーローになるという痛快さ。
娘や夫との複雑な関係、家族愛が重要なテーマになっているのも思わず眼がしらが熱くなってしまいました…!

さてこの「エブエブ」。
公開前からSNSで話題になっていて気になっていたというのもあるのですが、私にこれは注目しないとと思わせたのは、アカデミー賞が発表される直前に流れてきたDisney+のとある動画でした…。

ミシェル・ヨー、キー・ホイ・クァン、ステファニー・スー出演のドラマ『アメリカン・ボーン・チャイニーズ』

その流れてきた動画とは、ジーン・ルエン・ヤンのグラフィックノベルアメリカン・ボーン・チャイニーズの実写ドラマの動画です!
原作マンガは花伝社さんから邦訳が出ています。

動画を見てみると、アクションシーンもたくさん出てきて、とっても面白そう…!
加えてミシェル・ヨーにキー・ホイ・クァン、ステファニー・スーと「エブエブ」の家族が再結集しているではありませんか!?

アカデミー賞発表直前のはかったようなタイミングで動画公開とは…!

アメリカン・ボーン・チャイニーズが実写ドラマ化することは知っていたのですが、ますます興味が湧いてきました。

しかも監督は映画シャン・チー/テン・リングスの伝説のダスティン・ダニエル・クレットンとのこと!

シャン・チー/テン・リングスの伝説もめちゃくちゃ面白かったですよね!
これまでのマーベル映画のイメージとは打って変わって中華アクション満載!
個人的にはウェンウー役のトニー・レオンが…(かっこよすぎ…)!

マルチに活躍されているジーン・ルエン・ヤンさん

ちなみにアメリカン・ボーン・チャイニーズの原作者ジーン・ルエン・ヤンさんは「シャン・チー」のコミックのシナリオも手掛けているんです!
シャン・チー:ブラザーズ・アンド・シスターズという作品が邦訳されています。
映画とはまた違ったシャン・チーと家族との戦いを読むことができますよ!

あとジーン・ルエン・ヤンさんはとてもマルチに活躍されていて、マーベルだけでなくDCでもお仕事をされています。
スーパーマン・スマッシュ・ザ・クランという作品が邦訳されています!

この作品がまた面白い!
中華系移民の少女が人種差別と戦うというヤングアダルト向けの内容なのですが、スーパーマン自身も異星から地球にやってきた、疎外感を胸のうちに抱える移民として描かれます。
日本人アーティストであるグリヒルさんの作画もとても可愛く読みやすいです。

中国系アメリカ人の少年のコンプレックスを描く『アメリカン・ボーン・チャイニーズ』

さてだいぶ脇道にそれてしまいましたが、ジーン・ルエン・ヤンさんのグラフィック・ノベルアメリカン・ボーン・チャイニーズをご紹介します!

主人公は中国系であることにコンプレックスを抱き、白人になりたいと願っている少年ジン・ワン。
このグラフィック・ノベルが面白いのは、ジン・ワンの日常を描くパートと並行して、猿であることにコンプレックスを抱える西遊記の孫悟空、ステレオタイプな中国人の従弟に悩まされる白人少年という、3つのストーリーが順番に繰り広げられていきながら、やがて一つの物語へと展開していくというストーリー・テリングの見事さにあります。

今回公開された動画を見ると、どうやら原作そのままというわけではなさそうですね。アクションシーンもたくさん盛り込まれているようですし、中国の神話も絡んできそうで、どんなストーリーになっているのかとても楽しみです!

とつらつらと書き連ねてきたことを次の動画の前半でもお話しています。
良かったらご覧ください!

女性たちに力を与えるミシェル・ヨーさんの素晴らしい受賞スピーチ

さて今回の「エブエブ」のアカデミー賞受賞スピーチも本当に素晴らしかったですね。

主演女優賞をアジア人として初めて受賞したミシェル・ヨーさんのスピーチ。

Ladies, don’t let anybody tell you are ever past your prime, never give up.
(女性のみなさん、盛りを過ぎたなんて誰にも言わせない。諦めないで)

めちゃくちゃ素敵な言葉ですね!とても力が沸いてきます。

「エブエブ」の主人公エヴリンも、もともとは特別な力もなく、夫や娘や父親との関係に悩むどこにでもいるような中年女性。
そんなエヴリンがひょんなことからマルチバースの世界に迷い込み、いまの自分とは異なる「並行世界の自分」からパワーを得ていく…。
さまざまな可能性があったかもしれない、これからもあり得るかもしれない…そんな希望や期待に満ちたストーリーに心がときめきました…。

マンガでも高齢女性が主人公の素晴らしい作品が最近目にとまるようになりました。
動画でもご紹介しているのでよかったらご覧ください。

スピーチで初めて知ったベトナム移民の過去を持つキー・ホイ・クァンさん

子どものときに映画「グーニーズ」が大好きだった私。
まさか「エブエブ」でキー・ホイ・クァンさんにスクリーン上で再会できるとは思ってもいませんでした。

助演男優賞を受賞されたキー・ホイ・クァンさん。「これぞアメリカン・ドリームだ!」と力を込めておっしゃた受賞スピーチもアツかったですね…!

そしてこのスピーチをきっかけに、キー・ホイ・クァンさんが幼少期にベトナムから移民してこられたことを初めて知りました。

My journey started on a boat. I spent a year in a refugee camp, and somehow, I ended up here on.  
(私の道程はボートから始まった。1年間を難民キャンプで過ごし、ここまでやってきました)

このスピーチを聞いて思い浮かんだのはティー・ブイのグラフィック・ノベル私たちにできたことでした。

作者のティー・ブイさんは1975年、サイゴン陥落の年に生まれ、両親や兄弟とともにベトナムからアメリカに渡ります。
大人になり自分が親になることを機に、両親、特に父親との仲にわだかまりを抱えるティー・ブイさんは両親にこれまでの人生、家族の物語をヒアリングする。
南部の出身である母と北部で生まれた父。
国内を二分したベトナム戦争が人々に、家族にどのような影響をもたらしたのかが、記憶や回想が揺蕩うように行きつ戻りつしながら描かれます。

私たちにできたことはあくまでティー・ブイさんの個人的な物語。
キー・ホイ・クァンさんが経てきた人生とはもちろん同じではありません。
ですがこの作品を読んだ後にスピーチの冒頭、キー・ホイ・クァンさんがお母さんに投げかけた言葉を聞くとさらに胸が熱くなります。

★★★

思いつくままに「エブエブ」のこと、もうすぐ配信予定のアメリカン・ボーン・チャイニーズのドラマのことを書いてきました。
ここまでお付き合いくださりありがとうございます!

アメリカン・ボーン・チャイニーズのドラマは5月24日Disney+で配信開始(全米)ということで今からとても期待大です!
原作グラフィック・ノベルも本当に素晴らしいのでぜひお読みくださいね!

~*~

当店のツイッターやインスタグラム、Youtube、noteなどの情報発信活動は、店舗や通販をご利用くださった皆様からの売上に支えられています。
もし情報が役に立った、今後も読みたいという方は、投げ銭代わりに「モリマチ。」PDF版をご購入いただけると嬉しいです。
Boostしていただけるとさらに励みになります…!


海外マンガの情報発信とお店を続けていくために大切に使わせていただきます!応援よろしくお願いします!