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コスパよく生きる

コスパよく生きるなら、読書をしたほうがいい。
これが、僕の20年の人生で導き出した唯一の結論だ。

コスパよく生きるって難しい。だって、定義づけができないから。
とはいえ、「自分らしさを持って生きる」「悩み少なく生きる」と思えば、やはり時間効果を考えても、金銭面でも、読書が最強であることは揺らがないだろう。

直感的に、コスパよく生きたければ、人当たりのいい人間になればいい。そして、その能力は今の子供たちは突出している。
人と喧嘩したり、もめ事を起こすことは絶対悪。孤独や孤立は絶対に避けるべき事項であるかのように、教育されている。集団に所属し、集団の中で生きる。
ただ、その集団に所属することに疲れていることも確かだ。

というか、今時生きづらさを感じている若者が多い原因は何だろうか?
そこにはどんな障害が潜んでいるのだろうか?

集団に所属し、もめ事や喧嘩を避ける。そのためには、『空気を読む』ということが必須の能力だ。その空気を読むという能力には、「自分の意見を持たないでYESマンになる」という、非常につらい側面が出てくる。

これは、日本の教育でも同じことが起こっている。小学校、中学校で行われる教育では、基本的に子供の意思は要らない。重要なのは先生が与えた課題を忠実にこなし、過不足なく実行できる能力である。
テストの点数が求められることは否定しないが、小学校や中学校でテストの点数を取るのに重要なのは、記憶力だ。そして、記憶力だけが求められるテストというのは、大学まで行って変わらない。

テストというのはあくまで記憶力テストであり、最悪一夜漬けで対策できるのだ。だがしかし、社会に出る前や社会に出た後に唐突に僕たちは自分の意思を求められる場面がある。
初めに求められるのは高校を選択する時だ。
すなわち、『進路を自分で決める』という決断を求められる。

この答えのない問いかけに対して、自分がどんな選択をすればいいのだろうか?当たり前だが、僕らがそれまでに習ってきた内容は、全く役に立たない。
だって、答えのない問いかけだからだ。

自分の将来に関して唐突に「よく考えて自分の人生を決めろ」と言われて、考える習慣のない僕らは非常に困る。常に正解の答えを求められる環境にいて、いきなり一度も訓練したことない問題に対処するのだ。
しかも、その選択が自分の人生を大きく左右するという。最悪だろう。「知るか」「将来なんてどうでもいい」と、問題を投げてしまうことは仕方ない。だって、考え方もそんな意見を求められることも、それまでなかったんだから。

ただ、答えの無い問いを考える習慣はつけることができる。簡単なものは読書だ。誰かの人生を知り、その体験を知り、追体験して。自分の知らない物語や、知らない世界を知って。きちんと向き合い考える。そうして、自分の価値観や心の豊かさ思慮深さを身に着けることができる。

真にコスパよく生きていくには、このような能力を身に着けなければならない。世渡り術だけではなく、「自分らしく生きる」ということができるようになる。

自分らしさというのは、姿も形もありはしない。しかし、その姿も形もないものに、僕らはしがみつく。その「自分らしさ」を失わず生きていくには、その為の能力を手に入れなければならない。

つまり、真にコスパよく生きるには読書するしかないのだ。

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