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【エッセイ】軽く小説を嗜む日があってもいい

本を読むときは、時間を決めて読み込む。それは、小説の読み方だ。僕は基本的に小説を読む際には、1時間と決めて読み始める。それ以上の時間集中していると、その後の作業に響くからだ。もちろん、休日で何もない日には5時間ずっと本を読んでいることもある。
ただ、今回は軽く小説を楽しむことをテーマにして考えてみた。

小説を読んでいる間、周りの情報は可能な限りシャットアウトが理想的だ。その状態で、本と自分との対話を堪能する。本の世界に没頭して、主人公たちの軌跡を可能な限り近くで見るのだ。
そんな時間がたまらなく大好きだ。1時間という時間も、集中力が続く時間で、キリがいい。

今回読んでいた本は、そこまで重たい一冊ではない。ライトノベルと呼ばれる作品だ。この手の作品は、読みやすくてパラパラと手が動く。パッと読み込んで、サッと「面白い!」そう思えるから、いいものだ。

難しい小説は頭を使って、想像力を働かせて。そんな感じで読み進めていかないと、作者の意図が組めたかな。今の本を堪能できたのかな。そんな不安が、ついつい心の中で急速拡大してしまう。
だから、気軽に読めるライトノベルはいい。特に、昼休みやちょっとした休憩に読むには、最高の書物だ。物語の奥深さを堪能してもいいが、その世界を単純に堪能するだけでいい。無理に共感したり、無理に考えたり。そんな、無理な背伸びはしなくていいでしょ。

もちろん、ライトノベルの中には奥深い作品もある。設定が作りこまれていたり、心理描写が書き込まれていたり。正直言って、「これはラノベでいいのか?」と思うような作品もある。そのような作品に出合うと、「これはいい本を見つけたな」という気持ちになる。

奥深い作品は頭を使う反面、「深い追体験」をすることができる。SFやファンタジー小説を読んでいると、稀にその世界に入り込んだと錯覚する。この感覚だ。この感覚が深い時には、いい読書ができたと思える。

スポーツでいい汗を流したという時と同じで、気分の良い疲労感を得ることができる。この感覚が好きだ。だから、奥深い小説も楽しんで読むことができる。
今回は、そんな奥深く疲れる読書ではないが。

こんな発言をしてしまうとラノベ愛好家に喧嘩を売っているよに感じる。勘違いしないでほしいが、僕は普段ライトノベルも読む。というか、週に3冊や4冊は平気で読んでいる。それくらいには、ラノベが好きだ。
このジャンルは、気楽でいい。ハードカバー小説やビジネス書、エッセイは読む前に少し気を構える。心の準備をしたり、頭の体操をしたり。そんな準備をしてから読んでいることが多い。

ただ、ライトノベルはもっと気楽だ。サッと読んで、もう一周してもいいししなくてもいい。物語の伏線を解き明かしてもいいが、そんなことせず世界観を堪能してみてもいい。
手軽に楽しめて、心構えも要らない。自分の好きなように楽しんで、作者の見せたかった世界を堪能する。自分の感情のみと向き合う。
そんな時間を楽しんでいる。

ライトノベルだから、なんて理由でこの楽しみを堪能しない人はもったいない。ここに、とても楽しい世界があるんだ。ぜひとも、堪能してほしいと思う。


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