マガジンのカバー画像

ホラー・SF小説集

33
ホラー・SFに分類した小説をまとめています。
運営しているクリエイター

#創作大賞2024

スタードライバー(第3話)

■これまでの話はこちら■本編 正気ですか、とマリー皇女は整備が完了したスターリースカイ号…

92

スタードライバー(第2話)

■前回の話はこちら■本編「これからどうするのです」  皇女のマリーは沼地に半分埋まったス…

113

スタードライバー(第1話)

■あらすじ宇宙を股にかけ、世界と異世界を繋ぐスタードライバーのロクは、ある日異世界の皇女…

119

夢の扉

 雨が降る。音もなく、漂うように。  タケルは傘を差すことも忘れ、駅前のロータリーに立ち…

水瀬 文祐
10日前
126

蟹壺(第3話)

■これまでの話 僕は和室の扉に手をかけ、開けるか、と悩んだ。開けるべきではない、という警…

水瀬 文祐
13日前
114

蟹壺(第2話)

■これまでの話■本編 大学の屋上で、遥か彼方に見える海を眺めながら煙草をふかした。  い…

水瀬 文祐
2週間前
92

play dead

 もういやだ。おれは死ぬ。  三番目に目覚めた男は、何人目かの女が目覚めると、そう言って騒いだ。 「早まるな。状況など分かっていないのだから」  冷静な男が諫めるが、そんな諫言など効き目がないかのように、その男は死ぬと繰り返した。 「おれは未来になんかいかなくていい。地獄を見るのはいやだ」 「未来が地獄と決まったわけでもなかろうに」  中年の逞しい男がそう言うと、小柄な聡そうな女も頷いた。 「それに死ぬって言ったって、どうやって」  男は女の問いに、「こいつを飲む」とカプセル

アロガント(第3話)

■これまでの話はこちら■本編 フレイボムから事の経緯を聞かされた警部はううむ、と唸って腕…

水瀬 文祐
3週間前
99

アロガント(第2話)

■前回の話はこちら■本編「だが、にわか仕込みの剣法では我に勝てぬわ」  影騎士は猛進し、…

水瀬 文祐
3週間前
109

アロガント(第1話)

■あらすじNZ署のグロンデル警部の管轄で殺人事件が起こる。その被害者、半人半機の半機人シ…

水瀬 文祐
3週間前
149

ある殺人犯の告白

 やあ、あなたが私の話を聞きたいという酔狂な人だね。  誰もが知りたがっている?  ああ、…

水瀬 文祐
3週間前
136

聖者の揺り籠(後編)

■前編はこちらから■後編 母が死んだとき、世界はまだ混沌に包まれてはいなかった。  葬儀…

水瀬 文祐
2か月前
98

聖者の揺り籠(前編)

 エリス・如月は殺すな。生け捕りにしろ。  教官は命令の最後にそう付け加えた。それを聞い…

水瀬 文祐
2か月前
121

天使の隠れ家

 当たり前に明日がくる。そう信じて、いや、きっとそんなこと考えもせず、僕は眠りについた。そして目覚めたら、明日はきた。きたけれど、その明日で僕は、すべての記憶を失っていた。  ベッドから起き上がってまず感じたのは、記憶の有無じゃない。これが自分の体なのか、という自意識の歪み。他人の器の中にするりと入り込んでしまったような羞恥と、申し訳なさ。それが僕の意識を支配していた。  慌てて立ち上がり、鏡を探して、バスルームはどっちだ、ということが分からない。手当たり次第に扉を開けて鏡の