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書評講座 Vol. 1

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課題書: 1)『エルサレム』- ポルトガル、ゴンサロ・M・タヴァレス著、木下真穂訳、河出書房新社、2)『キャビネット』- 韓国、キム・オンス著、加来順子訳、論創社、3)『クィーン…
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#ゴンサロ・タヴァレス

妄想の中の『エルサレム』

 ポルトガルの小説家ゴンサロ・M・ダヴァレスが描いた小説『エルサレム』(木下真穂訳)はこんな話だ。  自称「統合失調症」を患うミリアは、患者として精神科医のテオドールと知り合い、結婚する。その後、病状が悪化して精神病院に長期入院するのだが、そこで患者のひとり、エルンストと知り合い、恋仲になる。病院では、何が重要で重要でないのかは精神科医によって決められ、患者たちは常に監視され、厳しく統制され、治療の一環として、自分の思考や行動、習慣を棄てなければならない。患者たちはいつか本

二層から成る「悪」の探索空間--「エルサレム」書評

書評講座に参加しました。講師は書評家の豊崎由美さん。3冊の課題図書のうち1つを選択して1600字以内で書くというお題で、私はポルトガル文学「エルサレム」(ゴンサロ・M・タヴァレス著 木下 眞穂訳 河出書房新社)で書きました。以下は講評後手直しを入れたものです。下に手直し前の文と、講評でいただいたコメントも記しておきます。 ---------------------------------------------------------------------------